バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

コンパニオンバード 7号

2007年05月23日 | ABOUT ME
誠文堂新光社 2007年5月発行
コンパニオンバード7号に以下の記事を執筆いたしました。

 ★新しい家族をお迎えしたら P104-105
 step5 「反抗期!?」と思ったら
     コミュニケーションを一歩進める
 ★野鳥を救う人たち P114-117
  野鳥レスキュー最前線
  神奈川県自然環境保全センターと
  野生動物救護の会 かながわの活動と取り組みを取材しました。
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表紙は、シロハラインコです。可愛いですね。

野鳥の雛が落ちていたら

2007年05月09日 | コラム
 この時期、一人でしょんぼりしているスズメ、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト等々の幼鳥を見つけたり、あまり毛の生えそろっていない雛が巣から落ちているところに遭遇することがあります。

まずは「ヒナが落ちていたら」を読んでみて下さい。

「保護しなくちゃ」「助けてあげたい!」と思ったら、野生動物救護の会 かながわ作成の救護チャートを利用してください。この図にYESとNOで答えていくと助ける方法がすぐにわかります。

ヒナの種類がわからなかったら
その子はだーれ?を見てみましょう。

成鳥ならば、成鳥が落ちていたらへ。

参考ページ
野生動物救護の会 かながわ 野鳥と仲良く暮らそう



クリッピング しつけの目的で鳥の羽を切る時に知っておいて欲しいこと

2007年05月04日 | 問題行動

鳥の羽を切り、飛べなくしてしまう(または、飛翔力を弱める)ことをクリッピング(またはクリップする)といいます。クリッピングは、迷子や狭い屋内で飛ぶことによって怪我をすることを防ぐ目的で行われます。また、しつけの目的でクリッピングを行うこともあります。ここでは、クリッピングの是非ではなく、クリッピングによって生じる鳥の行動の変化としつけについて考えてみたいと思います。

■攻撃的だった子が、クリッピングで手乗りになった!

 飛べなくなった鳥は、自発的に行きたいところに移動することができません。ケージから出た後、歩いて移動する他は、全て人の手を介して移動することになります。

  移動したい→手に乗る→目的地に着いた!

このような繰り返しが生じると飼い主さんの手は、目的地に着くという鳥にとって「うれしいこと」といつも一緒に現れることになりますので、「好ましいもの」になります。また、逃げることのできなくなった鳥を危険なところや嫌なことから助けてくれるのも「手」(まさに救いの手!)です。

 そして、羽を切ったことで逃げることができなくなるので人との接触時間が増え、手を介した関わりや私たちとのコミュニケーションが増え、鳥にとって良いことが繰り返し起こるようになります。こうして、手と手にくっついている飼い主さん自身もいいこと、うれしいことになり、「大好き」に変化していくのです。

 羽を切ることで性格が変わったのではなく、飛ぶ力を失ったことで手や私たち自身がうれしいことに変化して鳥の行動が変わったのです。

■クリッピングの前にしつけを見直してみよう

 もし、しつけのためにクリッピングを考えているのなら、しつけを見直してみることでクリッピングしなくてもすむかもしれません。

 手に乗るといいことがあるよ。ケージに帰るといいことがあるよ。肩に乗らないでパーチ(止まり木)で待っててねと「こうしてね」をたくさんごほうびでほめてあげましょう。そうすれば、鳥の自慢の美しい羽を切らなくてもよい子になり、私たちや私たちの手を好きになってもらえうことができるのです。


 また、しつけ以外の目的でクリッピングをする場合にも、クリッピングによって鳥は嫌なことから離れるという嫌なことを避ける方法の一つを奪われていることを意識する様にしてください。このことをふまえた鳥との関わり(しつけ)を考えるようにしてください。

■クリッピングで信頼関係が崩れてしまう場合

 羽を切るときには、危険がないよう鳥の体を保定します。この時、保定に慣れていない鳥は精神的な苦痛を味わいます(鳥にとっては死ぬか生きるかという位の!)。このため、羽を切ったことによって人や手が嫌いになる子もいます。しばらくたてば、羽は伸びてきますからクリッピングを何度も繰り返すうちに慣れてくる子もいますが、ますます手や人が嫌になってくる子もいるでしょう。

 クリッピングすることを選択した場合は、体に触られること、タオルに包まれることのトレーニングをして保定されることに慣らしていくことが必要です。

■クリッピングと毛引き症、無気力症、うつ病

 鳥のクリッピングは、犬のトリミングや私たちが美容院で髪を切るという行為とは異なります。鳥の翼は移動手段として使うもので、単純すぎるたとえですが私たちの足のようなものです。鳥がこれまで逃げることで避けていた嫌なことがクリッピングによってできなくなります。この状態でしつけとはいえ鳥が嫌だと感じることを繰り返し行うと、過大なストレスが生じ毛引き症や無気力症、うつ病のような状態になってしまうことがあります。悪い行動を罰して矯正するというしつけは、クリッピング後は改めなくてはなりません。

■攻撃行動について

 攻撃行動はしつけの問題か発情期の問題なのかをよく見極めて対処しなければなりません。繁殖期の攻撃行動については、本能行動ですから行動の修正はむずかしいでしょう。なわばりに入らない、パートナーに近づきすぎないなどの対処が必要です。また、長く続く発情期は鳥の体に負担がかかります。環境と食餌のコントロールで発情を長引かせない工夫も必要です。参考ページ→発情を防ぐhttp://love.ap.teacup.com/bird/50.html

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