バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

インコ巻き

2015年02月03日 | トレーニングとしつけ
2月3日は、節分です。節分の夜は、恵方に向かって海苔巻きを切らずに一本丸ごと食べると縁起がよいとされています。この海苔巻きを恵方巻きと呼ぶそうで、最近は節分に恵方巻きを食べることが全国に広がっているようです。



これは、恵方巻きならぬ、インコ巻き。
タオルでインコを包んでいます。
白いタオルが寿司飯で、インコが具に見える・・・?
海苔(黒フェルト)を巻くのまでやるとやりすぎかなと思って自粛しております。

インコをタオルに包むのは、治療を受けるときに必要な道具や動作に慣れためで、好きなごほうびを使って練習します。このトレーニングをハズバンダリートレーニングと呼びます。

ハズバンダリートレーニングをたくさんの方に知ってもらうために、インコ巻きを披露しました。モデルは、うちのインコです。遊びながら、たくさん練習したのでタオルに包まれるのは平気です。タオルを広げるとインコが寄ってきて、自ら転がります。タオルをクルクルっと巻いてインコ巻きのできあがり。タオルに包まれていてもリラックスして、ご機嫌です。

2015年は、15なのでインコと語呂合わせ(ちょっと無理矢理)。恵方巻きを食べて、インコ巻きの写真を見た方が、ダブルで縁起がよくなりますように。

写真を見て、やってみようと思った方へ

家のペットも包んでみよう。SNSで写真を披露しようと思うかもしれません。
そう思ったら、今日から練習です。まずは、タオルに慣れるところからスタート。
そして、来年の節分にリラックスしてタオルに包まれる子を披露していただけたらと思います。
練習の過程も楽しいですよ。

写真を見て、かわいそうと思った方へ

それは、きっと正しい感覚です。
かわいそうだと思うのは、おもしろ写真を撮るために、噛んだり、引っかいたり、逃げ出そうとするペットをタオルに包んだのではと想像されたのでしょう。このインコは、そんな目にあっていないのでご安心下さい。
この写真をきっかけに、楽しく遊びながら、役に立つことを学習できる方法があることを知って戴けたらと思います。

2015年は、ハズバンダリートレーニングを多くの人に知ってもらえたらと思っています。

それでは、また!


インコのトレーニングの本です。



しつけに対する考え方

2005年08月05日 | トレーニングとしつけ
■しつけについて

しつけは、様々な方法があります。うまくいった経験から推奨されている方法、科学的な知識の裏付けがあるものまで様々です。情報があふれているこの時代、ネットでも書籍でも様々な方法が紹介されています。どの方法がよいかは、そのメリットとデメリットを知り、ご自分で判断する必要があります。しつけは、何を目的とするかで方法は変わってきます。管理人が鳥にしつけが必要だと思うのは、鳥が私たちと鳥らしく幸せに暮らすためには、行動面でのサポートが必要だからです。鳥が鳥らしく幸せに暮らすためにはどうしたらいいか、を当HPでは行動分析学の立場から情報を発信しています。

このHPの管理人は、しつけについて以下のように考えています。

*鳥が家庭で楽しく、そしてワクワク毎日暮らしていけるように私たちが行動面でサポートすることを「しつけ」と呼んでいます。

*しつけは鳥に強いストレスを与えるものであってはなりません。鳥を脅したり怖がらせたりすることはしません。当HPで勧めるしつけはお仕置きではありません。

*どうして欲しいかを鳥にはっきりわかるようにほめて伝えます。

*何かしてほしいときには、鳥がそれを楽しく行えるように考えること。

*しつけは、人と鳥が幸せに暮らせるために行うもの。


当HP上では、上記の条件に矛盾する方法はご紹介しておりません。管理人は、しつけを考えるとき、必ず心理学の概念を用いて、上記の条件に矛盾しないか考えます。トレーニングについても同様です。

 ほめることを推奨するのは、この条件に矛盾しないのは褒める方法だけだからです。
 ほめることは、甘やかすことと誤解されがちですが、だだ甘やかすこととは全く異なります。良いタイミングで上手にほめることができるようになれば、鳥は何をすればいいかを学習します。鳥が上手にできれば飼い主さんも嬉しい。鳥と人とが良い影響を与え合う。こんなふうに毎日の暮らしの中で鳥とのコミュニケーションとしてしつけに取り組んでいく方法を日々考えております。

■体罰と脅しに頼るしつけ

 罰を与えれば、鳥の問題行動をなくすことができるかもしれません。しかし、愛情と信頼を一瞬にして壊します。罰は鳥にとって嫌なこと。逃げる、噛みつくといった嫌なことを避ける行動をすぐに学習します。

 また、罰をつかっても正しい行動を教えることができません。鳥はそれをすれば叱られるのはわかっても、どうしていいのかわかりません。

 そして、恐ろしいことに「罰の効果」は、私たちにどんどん罰を使わせるようになります。だから、罰は使わないのです。

■信頼関係って何?

 信頼関係という言葉にとらわれていませんか?「信頼関係」という抽象的な概念を動物のしつけでよく聞きます。信頼関係が築けてからしつけをしましょう、しつけは信頼関係があってこそ、なんて書いてあったら、飼い主さんは「この子は噛みつくのだから、私を信頼していない、信頼関係がないんだ」と悩んでしまうのではないでしょうか。

 信頼関係がないかもしれない、と悩んだら、信頼される飼い主になるにはどうしたらいいのだろうと考えてみるといいかもしれません。怖い思いをさせない、痛いこと、不快なことをしない。そばに行けばいつも良いことが起こる。こういったやりとりから、鳥はあなたが好きになるのです。好きな人のそばにいつもいたい、近くに寄っていきたい。手を差し出されたら手に乗りたい。もしかしたらそんな鳥の姿を私たちは信頼関係と名付けているのかもしれませんね。

 言葉にとらわれていると鳥の本当の行動の意味が見えにくくなります。しつけによく出てくる「信頼関係」や「服従」、「上下関係」、「主従の関係」という言葉を使って解釈するのをやめてみると「なんだそんなことだったのか!」と思い、「こうすればよかったんだね!」と問題が解決することがたくさんあります。私たちが見方を変えるだけで全く違って見えるようになるのです。

■鳥は人から学ぶ

 彼らが元々生息する地域では、彼ら自身が野生で生きていくためのふさわしい行動を親や兄弟、仲間やパートナーと過ごすうちに自然に学習できるようになっています。しかし、人間界に連れてこられた鳥は、人との関わりの中で生きていく方法を学習します。

 実は、噛みついたり、呼び鳴きしたりという「問題行動」と呼ばれるものの多くは、鳥が人との関わりの中で学習した結果なのです。
 つまり、鳥が人間に噛みついたり、必要以上に呼び鳴きしたりしないようにするためには、私たちがどのように鳥に対して行動するかがとても大切なのです。

■鳥は長寿な生き物だから

 もし、不幸にも飼い主の寿命が先になってしまったとしたら・・。人なつこく、いい子だったら、引き取り手を探すのは容易でしょう。もし、飼い主以外の手を噛み、構ってくれるまで鳴き続ける子だったら・・・?
 鳥の命がつきるまで、一人の人が育てていけるのが理想ですが、万が一のことを考えて、次の家庭でもかわいがってもらえる、よい子に育てましょう。しつけは、あなたの鳥が人間界で楽しく豊かに暮らしていくための必須アイテムでもあるのです。

■たくさんの愛情をかけることがしつけ

しつけは、困ったことが起きたときに厳しく罰することでも、甘やかすことでもないのです。ほめることで学習を促し、楽しく鳥と関わる人にとっても鳥にとっても「楽しいこと」だと考えています。

 鳥をよく観察し、困った行動に発展しそうなことは未然に防ぎ、してほしいことを行動を積極的におしえる。つまり、鳥に何かを教え込む、というのはなく、鳥が人間界で楽しく暮らしていけるように人間が配慮することがしつけなのです。

■行動分析学
 ここでは、行動分析学という行動の心理学を用いたしつけとトレーニングをご紹介しています。行動分析は、アメリカのスキナーが提唱した理論です。スキナーは、始めラットで、のちにハトで実験して、人間を含む動物の行動を支配している原理を発見しました。動物(もちろん人間を含みます)がどういう基本原則に則って行動するということがわかると、動物と楽しく暮らしていくことが容易になります。

 このサイトでは、心理学の法則をもとにしたトレーニングやしつけの方法をできるだけ専門用語を使わずに解説しています。どうしてそんなことするのか、どうしてしてくれないのか。そんな疑問にも心理学の法則からアプローチしています。

しつけやトレーニングって鳥も人も楽しいんだよ♪
こう考えてくださる方が1人でも多くなることを願って。

■問題行動

問題行動については、こちら



鳥にトレーニングが必要なの?

2004年10月03日 | トレーニングとしつけ
■鳥にトレーニングできるの?

            

 三歩歩いたら忘れる、なんていわれる鳥ですが、覚えの良さは驚くほどです。また、鳥たちもトレーニングを楽しんでいるようです。

 トレーニングを始めるのに遅すぎるということはありません。種類や性別、年齢も問いません。鳥には素晴らしい学習能力があるのです。

■トレーニングは必要?バードトレーニングとは

 トレーニングは、芸を覚えさせるためのものだけではないように思います。
 トレーニングの理論を知り実践することで、こちらの意図を伝える方法や、彼らがどうやってこちらにサインを出しているかがわかってきます。トレーニングの方法を学ぶということは、動物たちとのコミュニケーション能力を高めることにも繋がっていくように思うのです。

環境エンリッチメント

 また、ちょっとした芸を教えることで一緒に楽しく遊ぶことができるようになります。トレーニングを上手に使えば、刺激が少なく単調になりがちな飼育環境を豊かにすることもできるのです。

■鳥に優しいトレーニング

 動物のトレーニング、訓練、しつけ、曲芸というと、「アメとムチで従わせる」というイメージから、嫌悪感を持たれる方もおられるかもしれません。しかし、ここでご紹介しますトレーニングでは、罰を使いません。また、餌を見せて行動を促す「餌で釣る」ことも原則としてしません。鳥の自発的な行動を誉めてトレーニングします。 鳥は一緒に遊んでいるつもりなのでしょう。このトレーニングが好きです。

■どういうふうにトレーニングするの

鳥がうれしいと思うことが良い行動の直後に起こるようにしてみましょう。

     何か行動をする→嬉しいこと出現!

行動の直後にうれしいことが起こることが繰り返されると
鳥はその行動を取ることが多くなります。

■でも、ほめているのにちっとも言うことを聞かないけど。

そんなときは、ほめていることが伝わっていないのかもしれません。
どうやったら、「そうだよ!」「いい子だね!」を鳥にわかるように伝えることができるのでしょうか。

まずは、クリッカートレーニングのページをご覧下さい。
上手にほめる方法がわかります。
クリッカートレーニング