バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

夜の動物園

2013年08月13日 | コラム
福岡市動物園が夏休みに開催している夜の動物園に行ってきました。

夜の動物園の開園は、夕方6時。「夜」の動物園といっても福岡市の8月中旬の日没は、夜7時過ぎなのでまだまだ夜という感じがしない明るさのうちからスタートです。家族連れ、カップルなどたくさんの人で賑わっています。

入り口では、動物園の地図を印刷した厚紙の団扇を配布していました。入り口には、動物園飼育職員によるスポットガイドがどこで何時から行われるかを案内するボードが設置してあります。スポットガイドの時間については、ボードの情報だけで、印刷されたものは配布されないそうなので、団扇の地図を見ながら時間のチェック。筆記用具を持っていって記録するとよいと思います。

スポットガイドは、どれも大人気です。たくさんの人が集まり、解説をする飼育職員の声に耳を傾け、動物の様子を観察していました。

そうこうするうちに、日が暮れて真っ暗に。動物たちは、来園者に見えるように明かりをつけて展示されています。夜行性の動物達がよく動いている様子が観察できます。昼間は、寝そべっているキツネやイノシシが活発に動いており、足を止める人が多くいたのが印象的でした。

どの動物のケージの前でも人が足を止め、じっくりと動物を見ています。昼間と比べると一つの動物の前にいる時間が長いようです。いつもは寝ている動物達が、活動してるのも理由の一つだと思いますが、もう一つの理由として、昼間よりも視覚情報が遮断され、見るべきものがはっきりとするので集中して観察できるのかもしれません。


また、職員の方がたくさんいらっしゃったのも驚きました。質問しやすい雰囲気で、来場者の方も気軽に質問をしているようでした。動物園のスタッフの皆さんが総出でおもてなしをしている感じがとてもよかったです。

外灯があるので、足下の心配はありませんが、動物園内は緑も多く、暗闇に包まれている感じがします。町中に住んでいると、どこも明かりがついているので暗いことをあまり意識しませんが、動物園を歩いてみて夜って暗かったんだなと思いました。安全な公園内だから、存分に「暗闇」を楽しめます。

動物園は、小さな子供を連れて、またはデートに行くものという感じがしますが、夜の動物園は、難しい年頃の思春期の子供と親御さんにもよさそうです。話が続かなくても、会話がなくても、隣り合って動物を見ている時間を共有する、というのもいいものです。気まずい雰囲気は、暗闇が助けてくれます。

親子連れ、カップルなど、小さな子供から、大人まで楽しめる夜の動物園です。



詳しくはこちらから

「大丈夫」は、本当に大丈夫なときに

2011年03月31日 | コラム

 病院で怖がっているときや、痛い思いをしているとき、また、地震におびえているときなど、私たちは、鳥を落ち着かせるために、「大丈夫」と声をかけてやり、落ち着かせようとします。

 でも、鳥にとっては、恐怖を感じているときにいつでも「ダイジョウブ」という音が聞こえてくるのなら、それは恐ろしいことが起こる知らせになります。たとえて言うなら、「ダイジョウブ」の音が、映画やドラマの恐怖や不安を呼び起こす効果音のようなものになるわけです。私たちがよかれと思って「大丈夫、大丈夫」と声をかければかけるほど、鳥さんの恐怖心が増し、逆効果になってしまうのです。

 「ダイジョウブ」という音に「安心して。落ち着いて」の意味を乗せたいのなら、大丈夫なときに食べもののごほうびと「ダイジョウブ」の音と一緒に与えて、「ダイジョウブ=うれしい、おいしい」を結びつけてあげると良いでしょう。

 また、いざというときのために、あらかじめ保定の練習をしたり、地震や物音に怯えないように小さい地震や小さな物音がしたときに驚かなかったら、ごほうびを与えるなど、日頃から練習しておくと良いでしょう

動物行動コンサルタント

 

青木愛弓

 

2011年3月31日更新





★引用について
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(2011年3月31日更新)

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「芸」を教えることの先にあるもの。

2010年04月05日 | コラム
あるとき、ケージの中のインコを見ていたら、頭を掻こうとして持ち上げたときに見えた足の裏の一部が赤みを帯びている様に見えました。

趾瘤症かなあ…。

趾瘤症(しりゅうしょう、バンブルフット)は、足の裏にできた傷に細菌が感染してタコのようなものができてしまう病気です。ケージから出して足裏チェックをすることにしました。

ハイ、足見せて下さい。
足の裏も足の指にも問題がありませんね。
曲げても広げても大丈夫。
ハイ、次は、反対側の足を見せて下さい。
こちらも全く問題がありません。

インコの足をしげしげと見ましたが、足指にも足裏にも全く問題がありませんでした。赤く見えたのは、さっき食べていた野菜の色素がちょっとついていただけのようです。ほっと一息つきました。

足裏チェックといっても、嫌がる鳥をタオルに包んで、動きを封じて足をチェックしたわけではありません。これは、彼女にとってはいつもの遊びの1つ。右の足、左の足と順に私に見せてくれて、私の気が済むまで曲げたり、揉んだり(!)しましたが、機嫌良くつきあってくれました。

こんな時に、いつもトレーニングしていて良かったと思うのです。芸を教えることは、時に「そんなことをさせるのは、かわいそう」と言われてしまうことがあります。芸を教えることは、「芸」ができるようになることや人間に従わせることが目的ではないのです。さあ、今日は何をして遊びましょうか。

詳しいトレーニングのやり方は、遊んでしつけるインコの本(→amazon →楽天)で詳しく説明しています。


こんな方法もあると紹介していただくのは大歓迎です。紹介する時には、元の文章が読めるように「バードトレーニング」の名前とURLを必ず入れて下さい。


本サイトを引用する際にご利用ください:
バードトレーニング, 「芸」を教えることの先にあるもの.http://love.ap.teacup.com/bird/151.html

引用先を明記しないで、このサイトの文章や内容の大部分をそのままコピーしたり、少し文章を変更したり、または要約して他のブログやサイト、書籍等で紹介するのはご遠慮下さい。情報の一部だけを取りだして説明するのは、一見うまく説明できているように見えても、著者である私が意図していることが伝わらずに問題行動をひどくしたり、飼い主さんと鳥との関係を壊してしまうこともあります。引用のルールを守ってご利用下さい。どうぞよろしくお願いします。

トウガラシの生き残り戦略

2010年02月16日 | コラム
 市販のインコの餌には、トウガラシがそのまま入っていたり、成分がふくまれているものがあります。トウガラシはカプサイシンという辛み成分を含みますが、鳥類はこの辛みを感じないということは、本などに書かれているのでご存じの方も多いと思いますが、先日、こんな記事を目にしました。

「トウガラシを辛くしている化合物カプサイシンは、ネズミに食べられるのを防ぐためにある。ネズミなど哺乳類は、カプサイシンの辛さを感じるが、鳥はほとんど感じない。その性質を利用し、トウガラシは鳥に実を食べさせ種をまき散らしてもらっている。(注)」。トウガラシの辛さは、自分の子孫を残すための戦略だったのですね。

 ピーマンやパプリカは、トウガラシの一種ですがこれもインコは大好きです。特に甘みのあるパプリカは大好きのようです。口のまわりにお弁当をつけながら、皮をチューチュー吸って楽しみ、種を囓って楽しみます。栄養補給はもちろん、エンリッチメントの一つとして、ごろんと丸ごとどうぞ。なお、パプリカの赤い色は、着色料としても使われます。赤いパプリカを食べた後の糞は赤く色づきますので、驚かないで下さいね。

(注)2009年11月14日朝日新聞be on Saturday 「土曜ナントカ学 ギネス認定辛さ世界一」の記事の中のニューメキシコ州立大学チリペッパー研究所所長ポール・ボスランド教授のお話から引用いたしました。


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バードトレーニング, トウガラシの生き残り戦略.http://love.ap.teacup.com/bird/149.html

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インコが致命的な禁句を連発! 客寄せ失敗!

2009年12月14日 | コラム
インコ・オウムといえば「物まね」ですね。
こんなニュースを見つけました。

「インコが致命的な禁句を連発! 客寄せ失敗!」
中国で、食品店を営む夫婦が、客寄せにとオウムを購入。
「こんにちは」などの言葉を教えたらすぐに覚えたので、
これなら店の看板なるとホクホクしていたら、なんと、
商品について夫婦げんかをした際に発した、食料品店には致命的な
言葉をオウムが覚えてしまいました。

「古い」「古い」とオウムは連発。
これを聞いて、お客さんが逃げ出すようになってしまいました。
慌てた店のご主人が新しい言葉を教えようとしたけれど、後の祭り。
オウムは、ご主人の実家送りとなってしまったそうです。
(ロケットニュース24 2009年10月27日)

バードトレーニングのサイトをご覧の皆さんには、
もうおわかりだと思います。

オウムは「古い」と言えば、何が得られるか学習してしまったのですね。
皆さんのお家の子も注目が得られたときの言葉を良く覚えていませんか?

「コラ!」「ダメでしょ!」としゃべる子は多いですが、
これらも禁止を意味する言葉としてではなく、
注目を得られたときの音としてよく覚えているのでしょう。

インコやオウムが覚えた言葉がどんな状況で発せられたか考えてみると
とても面白いですね。そう考えると、おしゃべりも、呼び鳴きも同じ意味を持つのかもしれません。


こんな方法もあると紹介していただくのは大歓迎です。紹介する時には、元の文章が読めるように「バードトレーニング」の名前とURLを必ず入れて下さい。


本サイトを引用する際にご利用ください:
バードトレーニング, インコが致命的な禁句を連発! 客寄せ失敗!.http://love.ap.teacup.com/bird/147.html

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