バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

折り紙のおもちゃ

2011年03月31日 | 環境エンリッチメント

 カラフルな折り紙は、鳥たちの良いおもちゃになります。子供のおもちゃに有害物質が使われていないこと示すSTマークがついたものを使用するとよいでしょう。

◆作り方
 *いつも食べているペレットやおやつをキャンディーのように包む
 *紙風船を折って、膨らませ、空気を入れる穴からペレットやおやつを押し込む

 できるだけたくさん作ります。おやつを入れたものをたくさん作るとカロリーオーバーになってしまうので、いつものごはんを取り分けて使うのがお勧めです。

◆与え方
 *手渡しする(最初は、こうして楽しさをわかってもらいましょう)
 *ケージのあちこちに洗濯ばさみなどで取り付ける。
 *ケージトップに置く
 *ごはん入れに入れる

◆ポイント
慣れてきたら、空き箱などに仕込んでどんどん採りにくくして食事の時間を長くかかるようにするのがコツ。味気ない(食の楽しみに乏しい)と言われるペレットもこうすれば、剥いて食べる楽しさをプラスすることができます。鳥たちも剥くのは楽しいらしく、楽しんでパリパリ剥いています。

鳥さんの生活を豊かにする手作りおもちゃの本を出版しました。是非、ご覧下さい(→amazon)。



★引用について
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(2011年3月31日更新)


「大丈夫」は、本当に大丈夫なときに

2011年03月31日 | コラム

 病院で怖がっているときや、痛い思いをしているとき、また、地震におびえているときなど、私たちは、鳥を落ち着かせるために、「大丈夫」と声をかけてやり、落ち着かせようとします。

 でも、鳥にとっては、恐怖を感じているときにいつでも「ダイジョウブ」という音が聞こえてくるのなら、それは恐ろしいことが起こる知らせになります。たとえて言うなら、「ダイジョウブ」の音が、映画やドラマの恐怖や不安を呼び起こす効果音のようなものになるわけです。私たちがよかれと思って「大丈夫、大丈夫」と声をかければかけるほど、鳥さんの恐怖心が増し、逆効果になってしまうのです。

 「ダイジョウブ」という音に「安心して。落ち着いて」の意味を乗せたいのなら、大丈夫なときに食べもののごほうびと「ダイジョウブ」の音と一緒に与えて、「ダイジョウブ=うれしい、おいしい」を結びつけてあげると良いでしょう。

 また、いざというときのために、あらかじめ保定の練習をしたり、地震や物音に怯えないように小さい地震や小さな物音がしたときに驚かなかったら、ごほうびを与えるなど、日頃から練習しておくと良いでしょう

動物行動コンサルタント

 

青木愛弓

 

2011年3月31日更新





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(2011年3月31日更新)

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非常時のインコ・オウム類の行動とその対処法2

2011年03月31日 | 災害時の対処

◆インコやオウム類が恐怖や不安を引き続き感じていることを示すかもしれない行動

小さな地震や物音などにパニックを起こしたりおびえるようになった。
活動が低下した(ずっと大人しい、元気がない)
興奮しやすくなった。
攻撃的になった。
食欲が落ちた。
体重が減った。
体調を崩した。
おしゃべりをしなくなった。
呼び鳴きが多くなった(飼い主を呼ぶことが多くなる)。
放鳥時に飼い主から離れなくなった。
毛繕いを頻繁にするようになった。
羽毛を引き抜くようになった(ケージの底に羽毛がたくさん落ちている)
毛引きがそれよりもひどくなった
自傷行為をするようになった
自傷行為が以前よりもひどくなった
ケージに戻りたがらなくなった。
ケージから出たがらならなくなった。


 いつもと比較して、上記のような行動の変化が見られた場合は、恐怖や不安を感じ続けている可能性があります。(上記の変化は、疾病によって生じている場合もあります。ご注意ください。)

◆「怖くなかったね」と教えてあげましょう。

 ほんの少しの緊張を起こす程度の小さい余震の時にケージのそばに寄ってやり、ごほうびを与えたり、頭を掻いてやるなど鳥さんがうれしいと思うことをしてやりましょう。それを何度も繰り返します。パニックを起こしているときには、そばに駆け寄ったりせずに(安全が確認できる場合)、鳥さんが落ち着いてから声をかけるようにしましょう。

◆体を動かして、たっぷり遊びましょう。

 そして、地震が収まって、鳥さんが落ち着いているときには、たっぷりと遊んであげましょう。手に乗れる鳥さんには、手に乗ったらごほうびでほめてあげて手に乗ることを遊びにするとよいでしょう。指で、トントンとケージや、テーブルを叩き、そこに近づいたらごほうびを与える「ここに来て」を教えてあげるのもよいですね。ケージの中にいる時には、ご飯を食べることが仕事になるように、餌を折り紙に包んだものをたくさん作ったり、空き箱や紙コップにご飯を隠して与えてみましょう。体を動かして、楽しく遊べる時間を作るのです。ケージから出せない場合には、特に食べものを探して採るような機会を作ってあげられると鳥さんの心の安定に役立ちます。

◆小さい地震にもパニックを起こすときには

 地震の場合は、余震が続くので、だいたいの鳥さんは、次第に揺れに慣れていきます。
 しかし、大きな地震を経験した後、それまでほとんど反応しなかった小さな地震にもしばしばパニックを起こすようになってしまった場合には、パニックを起こせば飼い主さんが近づいてなだめてくれるという悪循環にはまってしまっている場合があります。この場合も解決方法は、上記と同じです。

◆恐怖症

 まれに、経験した恐怖をそのもの(地震など)に結びつけるのではなく、その場にいた人や物に結びつけてしまう場合があります。特定の人が近づくだけで、大パニックを起こしたりするような場合は、飼い主さんだけでは対処が難しいので、行動分析学に詳しい専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

◆手と翼をとりあって

 非常時には、いつもと違う状態が続きます。いつもはのんびりとした環境で楽々と暮らしていた動物たちですが、その事態に何とかうまく適応し、生き抜こうとする力強い生命力を持っています。その力を信じて、楽しく生活できるように鳥さんに力を貸すことで、鳥さんは安心し、日々を送ることができるようになります。
 被災地では、短い間しか鳥さんとふれあう時間がとれないかもしれませんが、鳥さんと一緒に遊ぶことは、わずかな時間であっても飼い主さんの心によい影響を及ぼします。
 心の問題は、しばしば「そっとしておく」と放置されてしまいがちですが、鳥さんの仕事を作ることや一緒に楽しく遊ぶことなど、積極的に関わり、よい行動を引き出すことこそが、よい相互作用を生み、新たな生活へ向かう力となります。

 なお、この方法は、不安を感じている鳥さんに接するときの基本的な方法です。災害時以外でも同じような状態の鳥さんにもこのように接してあげて下さい。また、他のコンパニオンアニマルでも同じです。

動物行動コンサルタント

 

青木愛弓

 

2011年3月31日更新




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バードトレーニング, 非常時のインコ・オウム類の行動とその対処法2.(2011年3月31日更新)

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非常時のインコ・オウム類の行動とその対処法1

2011年03月31日 | 災害時の対処
◆恐怖や不安を感じたときに生じる行動または、状態

1.ケージの中で飛び回ろうとして暴れる、止まり木から落下する。
1.オカメインコの場合は、いわゆるオカメパニックの状態。
2.顔面蒼白(眼の周りや顔の皮膚が露出しているインコの場合)。
3.瞳孔が開く(まん丸な黒々とした眼にみえる)。
4.体が細くなる。
5.動作を止めて固まった状態になる。
6.クチバシを軽く開いたままになる。
7.呼吸が荒くなる
8.餌を食べなくなる
9.声かけ、ステップアップ(手に乗ること)の命令など、いつもしている飼い主さんからの働きかけに反応しなくなる。


 1.に対しては、鳥さんが静まるまで待つしかありません。ケージに布などをかけて暗くしている場合には、それを取り除き、明るくしてやることでパニックを鎮められることがあります。

 暴れた拍子に、ケージの網に羽根や翼が挟まると羽根が折れて流血したり、翼の骨を骨折してしまうことがありますから、注意して下さい。ただ、この状態で、ケージの扉を開けると、飛び出した鳥が部屋を飛び回って窓や壁に激突する恐れがありますから、鳥への働きかけは、鳥さんをそっとしておき、落ち着くまで待つのが一番です。声かけをして落ち着くのであれば、声かけすることも効果的ですが、ひどい地震の時には飼い主さんの様子がいつもと違ってしまうので、鳥が余計におびえてしまうかもしれません。パニックがひどくなるようなら、離れて見守りましょう。

 この状態の鳥をケージから取りだし緊急に避難させなければならない場合は、体をしっかり掴み用意していたキャリー等に入れましょう。パニックになっている鳥に力一杯噛みつかれることがあるので、中型~大型の鳥の場合は、タオルを被せたり、革の手袋を使用して保定しましょう。

 地震の際に上記1~9の様子が一時的に生じても、鳥が恐怖や不安を感じたときに生じる一般的な反応ですから、問題はありません。地震と鳥が落ち着いた後に、おやつを与えながら、「びっくりしたねえ」と話しかけてやりましょう。とっておきの、一番大好きなごほうびでほめてやることが肝心です。次に弱めの余震が来たときに、パニックを起こさなかったら、同じようにごほうびを使ってほめてやりましょう。

動物行動コンサルタント

青木愛弓

2011年3月31日更新


【関連する情報】
非常時のインコ・オウム類の行動とその対処法2
「大丈夫」は、本当に大丈夫なときに

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バードトレーニング, 非常時のインコ・オウム類の行動とその対処法1.http://love.ap.teacup.com/bird/176.html(2011年3月31日更新)

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