頭を掻いてもらうのが大好きなうちの子。私を見つけると飛んできて、頭を撫でてと頭を下げて掻いてくれるのを待っています。この子は、耳のあたりを掻いていると口を大きく開けてあくびを何度も繰り返します。
ある時、頭をかく前から大あくびをするのに気がつきました。別の子の頭を掻いているのを見ても大きなあくびを繰り返します。
これって、これってもしかしたら?
ちょっと実験。
頭を掻く前にインコの目の前に人差し指をフックのように曲げて差しだしてみました。すると大あくびを繰り返しました。
これってやっぱり、パブロフの犬!
犬にベル(メトロノーム)を鳴らしてから餌を与えていたら、犬は、餌がなくてもベルの音を聞くだけでよだれを垂らすようになった。
このロシアの生理学者のパブロフの有名な実験は、高校の生物の教科書には条件反射の例として載っているので皆さんご存じかもしれません。「パブロフの犬」という言葉は、条件反射の代名詞としてもよく使われます。
食物が口に入ると唾液が分泌されるのは、生まれながらの反応(生得的行動)で、無条件反射といいます。唾液分泌は無条件反応、食べ物は、無条件刺激です。食べ物が口にはいると自然に唾液が出るというわけです。
※高校の生物の教科書では、無条件反射は「反射」と呼んでいます。
パブロフは、犬に餌を与える直前にベルの音を聞かせることを繰り返しました。すると犬は、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになりました。もともとベルの音は、唾液を分泌させる働きはありませんが、ベルの音のすぐあとに食べ物を与えることを繰り返したことで唾液を分泌ささせるようになったのです。
この時のベルの音は条件刺激、唾液の分泌のことを条件反応といいます。ベルの音が引き起こす唾液分泌のことは、条件反射と呼びます。
このような操作で動物が条件反射を形成することをレスポンデント条件付けと呼びます。
梅干しを見ると唾液が出る、というのもレスポンデント条件付けですね。
梅干しを食べる直前には、梅干しが視野に入ります。梅干しを食べたら唾液が出ます。これを何度も繰り返すと梅干しを見るだけで、唾液が出るようになるのです。梅干しを食べたことがない人に梅干しを見せても、唾液は出てきません。
インコのあくびは、耳の当たりを指で掻いたときに耳が刺激されてあくびが出ることを繰り返した結果、フックのように曲げた人差し指が条件刺激となり、あくびという条件反応を引き起こすようになりました。つまり、レスポンデント条件付けといえそうです。
そうそう、そういえばもう一つ。
私がインコを手に乗せて、インコの目の前で口をとがらせるとインコがプルプルと顔を振るということがありました。
実はよくインコと向かい合わせで、口笛を吹いてメロディーを教えていたのです。口笛を吹くと息が正面にいるインコの顔にかかります。インコは風が顔に吹きかかると頭を振る反応をするのですが、これがとがらせた口の形と結びついたのですね。それに気がついてからは、インコの顔に息がかからないようにして口笛を教えるようにしました。このようにして、条件刺激(とがらせた口)と無条件刺激(顔に吹きかかる風)が一緒に現れないようにすれば、とがらせた口に対する条件反応(顔を振る)は、消失していきます。
このレスポンデント条件付けは、喜びや恐怖、不安などの情動とも関係します。こほうびを使って下さいというと「エサで釣っている」と抵抗を示される方も少なからずおられますが、鳥は無条件に私たちを「好き」にはなりません。私たちの声や姿形が鳥にとっての楽しいこと、嬉しいこと、美味しいことと結びつくことで「好き」になっていくのです。上手にごほうびを使って良い行動を繰り返して教えて、私たちが鳥にとっての「良いこと」になるようにしていきたいですね。
注意:あくびは病気のサインのこともあります。誰もいないときにあくびを繰り返すようなら、すぐに獣医さんに相談しましょう。
この写真を見て唾液が出てきたなら…
レモンでも唾液が出てきますか?
ある時、頭をかく前から大あくびをするのに気がつきました。別の子の頭を掻いているのを見ても大きなあくびを繰り返します。
これって、これってもしかしたら?
ちょっと実験。
頭を掻く前にインコの目の前に人差し指をフックのように曲げて差しだしてみました。すると大あくびを繰り返しました。
これってやっぱり、パブロフの犬!
犬にベル(メトロノーム)を鳴らしてから餌を与えていたら、犬は、餌がなくてもベルの音を聞くだけでよだれを垂らすようになった。
このロシアの生理学者のパブロフの有名な実験は、高校の生物の教科書には条件反射の例として載っているので皆さんご存じかもしれません。「パブロフの犬」という言葉は、条件反射の代名詞としてもよく使われます。
食物が口に入ると唾液が分泌されるのは、生まれながらの反応(生得的行動)で、無条件反射といいます。唾液分泌は無条件反応、食べ物は、無条件刺激です。食べ物が口にはいると自然に唾液が出るというわけです。
※高校の生物の教科書では、無条件反射は「反射」と呼んでいます。
パブロフは、犬に餌を与える直前にベルの音を聞かせることを繰り返しました。すると犬は、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすようになりました。もともとベルの音は、唾液を分泌させる働きはありませんが、ベルの音のすぐあとに食べ物を与えることを繰り返したことで唾液を分泌ささせるようになったのです。
この時のベルの音は条件刺激、唾液の分泌のことを条件反応といいます。ベルの音が引き起こす唾液分泌のことは、条件反射と呼びます。
このような操作で動物が条件反射を形成することをレスポンデント条件付けと呼びます。
梅干しを見ると唾液が出る、というのもレスポンデント条件付けですね。
梅干しを食べる直前には、梅干しが視野に入ります。梅干しを食べたら唾液が出ます。これを何度も繰り返すと梅干しを見るだけで、唾液が出るようになるのです。梅干しを食べたことがない人に梅干しを見せても、唾液は出てきません。
インコのあくびは、耳の当たりを指で掻いたときに耳が刺激されてあくびが出ることを繰り返した結果、フックのように曲げた人差し指が条件刺激となり、あくびという条件反応を引き起こすようになりました。つまり、レスポンデント条件付けといえそうです。
そうそう、そういえばもう一つ。
私がインコを手に乗せて、インコの目の前で口をとがらせるとインコがプルプルと顔を振るということがありました。
実はよくインコと向かい合わせで、口笛を吹いてメロディーを教えていたのです。口笛を吹くと息が正面にいるインコの顔にかかります。インコは風が顔に吹きかかると頭を振る反応をするのですが、これがとがらせた口の形と結びついたのですね。それに気がついてからは、インコの顔に息がかからないようにして口笛を教えるようにしました。このようにして、条件刺激(とがらせた口)と無条件刺激(顔に吹きかかる風)が一緒に現れないようにすれば、とがらせた口に対する条件反応(顔を振る)は、消失していきます。
このレスポンデント条件付けは、喜びや恐怖、不安などの情動とも関係します。こほうびを使って下さいというと「エサで釣っている」と抵抗を示される方も少なからずおられますが、鳥は無条件に私たちを「好き」にはなりません。私たちの声や姿形が鳥にとっての楽しいこと、嬉しいこと、美味しいことと結びつくことで「好き」になっていくのです。上手にごほうびを使って良い行動を繰り返して教えて、私たちが鳥にとっての「良いこと」になるようにしていきたいですね。
注意:あくびは病気のサインのこともあります。誰もいないときにあくびを繰り返すようなら、すぐに獣医さんに相談しましょう。
この写真を見て唾液が出てきたなら…
レモンでも唾液が出てきますか?