バードトレーニング

行動分析学の理論に基づく鳥のトレーニングやしつけのサイト。

ティッシュ配りの妙技

2008年10月13日 | コラム
 先日、道を歩いていたらティッシュを差し出されました。会釈して受け取らずに通り過ぎてしまうことが多いのですが、その日は差し出されたティッシュを思わず笑って受け取ってしまいました。

「上手いなあ~」と感心しながら。
そこは、とある繁華街。ティッシュを配っている人は何人もいます。ですから、ティッシュを配ってもあまり受け取ってもらえないのでしょう。そのティッシュ配りのお兄さんは、「お願いしまーす」ではなく、ティッシュを差し出しながら「今日のティッシュは、可愛いワンちゃんでーす」と言ったのです。動物好きな私は、思わずお兄さんが差し出すものを見てしまい、そして、そこには可愛いビーグルの子犬が印刷されてので思わず手が伸びてしまったという訳です。

家に帰ってからこの話を家族にしていたら、そういうスゴイ技を持ったティッシュ配りのお姉さんが会社の最寄り駅にもいるという話をしてくれました。

そのお姉さんは、「お願いします」ではなく「おはようございます!」と元気に言ってティッシュを差し出すのだそうです。すると、かなり高い確率で出勤前の会社員の方々はティッシュを受け取ってしまうのだとか。「お願いします」では素通りだけれど、「おはようございます」という挨拶をされると相手を見てしまうので、思わず受け取ってしまうのでしょうね。

*相手の行動を変えるために、まず自分の行動を変える。
*そして、目的の行動をさせるための「目印」を上手く使う。

この二つを駆使して、ティッシュを配っている二人の達人のお話でした。


ヒナを「誘拐しないで!」ポスター

2008年07月07日 | コラム
神奈川県自然環境保全センターの加藤千晴氏よりお知らせを頂きましたので以下に転載いたします。

今年は、例年よりヒナの巣立ちが遅いように感じられますが、それでも最近、ヒナの「誤認保護」と思われる電話相談や、持ち込みが増えてきています。

当センターを拠点に活動しているNPO法人野生動物救護の会が、
ヒナを「誘拐しないで!」ポスターを作成していますが、
この度、HPのトップから印刷できるようになったと、お知らせをいただきました。http://kanagawa-choju.sakura.ne.jp/calender/print.html

皆さま、是非印刷して、貴機関や最寄りの学校、公民館等、人が集まる場所への掲示を依頼してくださいませ。

誤認保護されるヒナが少しでも減らせるよう、ご協力をよろしくお願いいたします。

「インコはフライトスーツやハーネスが大嫌い、ワンコはリードとハーネスが大好き」の理由。

2008年04月08日 | コラム
「インコはフライトスーツやハーネスが大嫌い、ワンコはリードとハーネスが大好き」の理由。

 「うちの子も一緒だったらいいのに」とお花見の季節になると思う方もいらっしゃることでしょう。お散歩に連れて行くときには、キャリーに入れて行くか、ハーネスやフライトスーツを使うか。どうせならキャリーから出してのびのびと外で遊ばさせたいと思っても、最初からハーネスやフライトスーツが好きなインコはいません。試しにつけてみて暴れて嫌がる鳥を見て、せっかく買ったのに…とため息をつきながら諦める方も多いでは。
 ワンコはリードとハーネスを見ただけで大喜びする子がたくさんいます。体に異物が巻き付くのはワンコもインコも不快に感じるはずですが、どうしてこのような違いが生じるのでしょう?

 お散歩が大好きなワンコの場合には、お散歩の前にリードやハーネスがワンコの視界に入り、そしてそれを装着してお散歩へと出かけます。大好きなお散歩とこれらが対提示されて、リードやハーネスが大好きなものへと変化していきます。

 それに対してインコの場合には、室内飼いが基本で小さな頃から毎日お散歩するという習慣がありません。つまり、滅多に外に出ることはありませんから、外の世界というものは見慣れぬ刺激がたくさんあり過ぎて好奇心の前に恐怖心が先に立ってしまいます。ハーネスやフライトスーツをつけて、外に出て「怖い」思いをしていたのなら、ハーネスやフライトスーツは「好きなもの」へと変化しません。むしろ、さらに嫌いになる可能性が高くなります。

 もし、ハーネスやフライトスーツを着用させたいと思うのなら、「いきなり本番」は厳禁です。まずはハーネスやフライトスーツを体に乗せることからはじめて徐々に慣らします。ごほうびを使うと良いでしょう。放鳥時間にはいつもそれをつけるようにして慣らすようにしていきましょう。そして、同時にキャリーに入れて外の世界に慣らすようにしましょう。ハーネスやフライトスーツに慣れ、外の世界にも慣れたらハーネスやフライトスーツを着せてお外へ散歩へ出かけましょう。

【注】ハーネスやフライトスーツでインコをお散歩させることは、メリットとデメリットがありますので、どなたにもお勧めできるものではありません。鳥の世界を広げるために、また一緒にお散歩を楽しみたいと思ったら、リードをつけてお散歩ができなくとも、キャリーでお散歩に出かけたり、ベランダで一緒にひなたぼっこをすることもインコにとっては冒険であり、楽しい経験です。ハーネスやフライトスーツにこだわらずにこだわらずに、インコと飼い主さんが一緒に楽しめることを探してみるのもよいでしょう。

でも、やっぱりフライトスーツを着せてみたいと思ったら
鳥さんにオムツ・おしめ・ハーネスを着けるときにはをご覧下さい。


保定の練習をしよう

2008年03月03日 | コラム
 大好きなおやつを無心に食べている姿を見て、「練習して良かったね。」と心からそう思いました。それは、動物病院の診察室でのことでした。

 家庭で飼育されている鳥にとっては、キャリーに入れられて病院まで連れて行かれるだけでもドキドキする大仕事です。病院について、知らない人にいきなりつかまれてひっくり返されたら鳥は驚くに決まっています。噛みついたり逃げようとするのは当たり前ですから、鳥の安全と正確な診察のために獣医さんは動けないように保定します。

 でも、私は「それは必要なことだから我慢してね」とは言いたくありませんでした。怖いことを我慢させれば、そこに行くだけで恐怖を感じてしまうようになります。病院で獣医さんに触られることが怖くて怖くてたまらなくなってしまえば、健康診断だってストレスになるし、病気で行くことがあったら移動と診察で余計に具合を悪くしてしまうことになります。家庭で暮らす鳥には、鳥自身の力だけでは越えることができない大きな壁がたくさんあります。そんな時は、一緒に楽しく遊びながら「得意」にしていきたいと思うのです。

 よし、ひっくり返る練習をしよう。今はひっくり返るのは大嫌いだけど、ひっくり返るのが平気になるように一緒に練習しようね。

 病院へ行くまでの一ヶ月間、毎日毎日、ちょっとずつ体に触る面積を広くしていきました。細かく細かく砕いた大好きなおやつを用意して。体に触って平気だったらごほうび。指一本ずつ、関節一つ一つを乗せていく様にしてそのたびにごほうび。嫌がるのを慣らしていくのではなく、嫌がらない状態を作ってごほうびでほめていくのです。「ギャア!」といわれてしまったら、私が急ぎすぎた証拠。前の段階に戻ってやり直します。

 病院へ行く日、大好きなおやつを小さいビニール袋に入れて丁寧に鞄の中にしまいました。どうぞ、病院の診察室でもこれを食べられるくらいリラックスできますようにと願いながら。病院へ到着して、いよいよ診察。診察が終わった後、キャリーに戻してから獣医さんにおやつを与えてもらいました。クチバシで受け取ると早速ムシャムシャ。鳥は、安全だと思わなければ餌を食べませんから、食べたということは診察で怖い目に遭わなかったと判断できました。お家で何度も楽しく保定の練習をしたことで病院で保定されても大丈夫になったのです。

 保定の練習は、慎重に進める必要があります。焦らずに2ヶ月くらいかけて進めるつもりで練習してください。ひっくり返るのが得意でない種類は更に一ヶ月プラスしてゆっくり楽しく進めていきましょう。ごほうびには特に好きなものを細かくしてたくさん用意してたくさんほめてあげるようにしてくださいね。

 ごほうびにおやつを使うのには理由があります。生まれながらにうれしいことと組み合わせることで、嫌いなことを好きなことへと変えていくことができるからです。獣医さんに大好きなごほうびを手渡してもらうのをお願いしたのも同じ理由からです。詳しくは、インコのあくびとあの有名な犬のお話へどうぞ。



呼びかけよう名前を

2007年08月10日 | コラム
 鳥に名前を呼びかけるときには、楽しいこと、嬉しいことといつもセットになるようにしましょう。名前を呼びながらごほうびをあげたり、頭をカキカキしたり。すると鳥はごほうびとクリッカーを結びつけたように、自分の名前が嬉しいことと結びつきます。名前を呼ばれたらあなたの方を「なあに?」と見たり、走り寄ってきたり、飛んできたりするようになるでしょう。

 叱るときやケージにしまうときに名前を呼ぶことを繰り返すと、嫌なことと名前が結びつき、名前は嫌なことが訪れる前触れになってしまいます。名前を呼びかけられたときには、近づかない方がいい、ということを学習してしまいます。

 あなたの鳥にぴったりの名前、鳥にも好きになってもらいたいですね。

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