アフリカから見た中国・北朝鮮、そして我が祖国日本
投稿者:燕山の声さん 投稿日:2007年 6月20日(水)
いま南部アフリカにいる。10年ぶりのアフリカは、ずいぶん変わった。1~2枚目の写真のように、白人、混血、黒人が椅子を並べて働き、食堂も混在、それが自然になった。彼ら自身がどんどん変りつつあり、いまだにマンデラの面影を追っているようではこっちが取り残されてしまう。キング牧師のdreamはもうdreamではない。
そういうこの地にあらたな影を落としているのが中国の進出である。中国の資源戦略のターゲットは今アフリカに向いている。ここ数年来の胡錦濤自ら出向いてのトップ外交と援助攻勢が功を奏し中国資本が次々と参入を始めている。目的は二つ、世界の資源覇権への布石と中国人の雇用確保。
3枚目の写真は、南アフリカ航空の香港⇔ヨハネス便のビジネスクラスの座席。この路線だけファーストクラスなみのスーパーシートを使っているのは、中国との関係を南アが特別視している証拠でもある。(ちなみにこの御脚の持ち主も中国女性、彼女のエアチケット代はその下の写真の中国農村部の夫婦の2年分の年収に相当する。)
中国はもともと資源の豊かな国だ、ダブつくくらい。その中国が国内需要量を上回る資源を外地であさっているのは、いまは国内資源を温存しておき、ゆくゆく自国の資源力で世界への覇権力を高めるという、おぞましくも強力・明確な長期国家戦略に基づいている。まず援助と賄賂で相手国のトップを懐柔篭絡し、資源を吸い上げ、労働者は奴隷扱い、反発住民鎮圧のため相手政府に武器を売る。
数百年アフリカを支配してきた白人にも、今の中国のやり方は「えげつない」と映るという。中国資本に雇われた労働者たちが中国の正体に具体的に気付き始めている、「中国人はかつての白人よりもひどい」と。
中国が石油権益を持つスーダンのダルフール虐殺における「死の商人」としての中国政府の役回りは報道されているとおり。かつて日帝にチャンコロと蔑まれた国がいま自国利益のためにアフリカへの侵略とドジンからの搾取を本格化し始めた。ずさんな安全管理で40人以上の死亡事故を起こしながら対策も補償もしなかったザンビアの鉱山では反中国運動がおきている。
中国とアフリカ諸国首脳同士の握手シーンは放映されても、こういう末端部でのよじれ現象はなかなか報道されない。しかし、実際に現場を見て思う、近いうちに中国は手痛いしっぺ返しを食うのではないかと。
では、なぜアフリカなのか。環太平洋圏の目覚めた国々には環境規制・労働基準があり裏技も使いにくい、中国の評判も悪いから、遠く離れたクロンボのドジンの国で保安無視・環境無視・利益最優先のチャイニーズスタンダードによる手前勝手をやり始めたのである。
ベトナム人が中国と華人を毛嫌いしていることは以前触れた。マレーシアは華人隔離収容場所としてシンガポールを造った。インドネシアでは華人による現地人の奴隷扱いが長く続いたが、アジア通貨危機に端を発する住民暴動の際に日ごろの華人たちの傲慢な態度への鬱憤が爆発し、華人への焼き討ち・殺人・レイプが続発する惨事に至った。
かつてマハティールやスハルトが中国に対する日本の謝罪外交をたしなめたのは、危険な中国の言いなりになっている日本へハッパかけた意味合いもある(から大東亜戦争を正当化したい阿保ウヨクはあまりヌカ喜びしないほうが良い、かといって中国・北朝鮮をどうしても叩けぬ間抜けサヨクには何も言えまいが)
かかる獰猛な中国の資源戦略上、当然ながら、北朝鮮も重要なコマの一つとなる。北朝鮮の資源は戦時物資がらみの特殊金属資源が多い。もちろん北朝鮮も自国資源のコマとしての価値を知っている。ロシア、アメリカにとっても北朝鮮はコマなのである(核問題は表向きのダミー議題に過ぎないという見方さえある)、そういう中では拉致事件はコマのためのコマ・・・となる。
・・・じょうだんじゃねぇ、拉致事件をコマにするな!されてたまるか!→というのが我々の立場、だと思う。
ところで、北京オリンピックを控え中国共産党は自国民のマナー改造に躍起になっている。最近、空港の中国人官吏が挨拶するようになった。無愛想な口先だけなの挨拶だが、以前はムッツリして何も言わなかったから進歩である。そして挨拶のついでに紙を放り投げるようによこす、「空港職員の態度に関するアンケート用紙」だった。最後の写真は最近の北京空港の巨大な2列平行下りエスカレ-ター、歩く人は右、立つ人は左のレーンに別々に乗る、いつもゴチャゴチャで、いくら端に立つよう口で言っても埒が明かないから、当局指導の強制分別による左立ち。(右に乗ったら途中で疲れても止まらず歩き続けなければならない、止まると後ろから怒鳴られる、左に乗った人は降りるまで運動の自由は拘束され、左から右へ壁越えするのは違法で射殺か強制送還・収容所送りか、間違えて青森に漂着したり・・・する?)。
こういう「当局による強制指導」による「国民のための精神改善」を日本人は誰しもあながち否定はできまい、背骨の無いクラゲのような自主・自由幻想による放任が腺病質・傷つきやすい子供たちをつくり、優しいだけの打たれ弱い、つまりは生命力の無い、結果的に「不幸」な大人を大量生産した戦後の日本の教育社会の瑕疵の代案を示せない限り。しかしそれにしても、かつてマルコス、スハルトを「開発独裁」と非難しながら今の中国の他国まで巻き込む極めて危険凶暴なる開発独裁に口を閉ざすなら、手前勝手なだけの日本の頓珍サヨクなんざもはや居なくてよい。
当地のスーパーの棚に並ぶ製品の多くが中国製品。中国人と勘違いされて黒人に「ニイハオ」と挨拶されるたびに、アフリカへの中国の浸透力の不気味さを感じる。北朝鮮の運命は中国の匙加減次第、その北朝鮮と中国の関係が今ここの中国と黒人労働者との関係にダブってくる。いま黒人たちの味方になりうるのはむしろ白人たちである。覇権争いといえばそれまでだが、白人資本の間に中国資本つぶしへの動きはある。
そして思う、中国に首根っこを押さえられたまま誰も助けてくれない北朝鮮という国は、世界で最も「孤独」な国なのではないかと。そういう奇形国家中国・北朝鮮に左右のタマを握られて身動き取れない我が祖国日本、中国の後塵を拝しながらにわかにアフリカ援助の見直しを始めたところだが、総連・中国に国の与野党の中枢が侵されているような国に何ができるのか、その資格はありや。
投稿者:燕山の声さん 投稿日:2007年 6月20日(水)
いま南部アフリカにいる。10年ぶりのアフリカは、ずいぶん変わった。1~2枚目の写真のように、白人、混血、黒人が椅子を並べて働き、食堂も混在、それが自然になった。彼ら自身がどんどん変りつつあり、いまだにマンデラの面影を追っているようではこっちが取り残されてしまう。キング牧師のdreamはもうdreamではない。
そういうこの地にあらたな影を落としているのが中国の進出である。中国の資源戦略のターゲットは今アフリカに向いている。ここ数年来の胡錦濤自ら出向いてのトップ外交と援助攻勢が功を奏し中国資本が次々と参入を始めている。目的は二つ、世界の資源覇権への布石と中国人の雇用確保。
3枚目の写真は、南アフリカ航空の香港⇔ヨハネス便のビジネスクラスの座席。この路線だけファーストクラスなみのスーパーシートを使っているのは、中国との関係を南アが特別視している証拠でもある。(ちなみにこの御脚の持ち主も中国女性、彼女のエアチケット代はその下の写真の中国農村部の夫婦の2年分の年収に相当する。)
中国はもともと資源の豊かな国だ、ダブつくくらい。その中国が国内需要量を上回る資源を外地であさっているのは、いまは国内資源を温存しておき、ゆくゆく自国の資源力で世界への覇権力を高めるという、おぞましくも強力・明確な長期国家戦略に基づいている。まず援助と賄賂で相手国のトップを懐柔篭絡し、資源を吸い上げ、労働者は奴隷扱い、反発住民鎮圧のため相手政府に武器を売る。
数百年アフリカを支配してきた白人にも、今の中国のやり方は「えげつない」と映るという。中国資本に雇われた労働者たちが中国の正体に具体的に気付き始めている、「中国人はかつての白人よりもひどい」と。
中国が石油権益を持つスーダンのダルフール虐殺における「死の商人」としての中国政府の役回りは報道されているとおり。かつて日帝にチャンコロと蔑まれた国がいま自国利益のためにアフリカへの侵略とドジンからの搾取を本格化し始めた。ずさんな安全管理で40人以上の死亡事故を起こしながら対策も補償もしなかったザンビアの鉱山では反中国運動がおきている。
中国とアフリカ諸国首脳同士の握手シーンは放映されても、こういう末端部でのよじれ現象はなかなか報道されない。しかし、実際に現場を見て思う、近いうちに中国は手痛いしっぺ返しを食うのではないかと。
では、なぜアフリカなのか。環太平洋圏の目覚めた国々には環境規制・労働基準があり裏技も使いにくい、中国の評判も悪いから、遠く離れたクロンボのドジンの国で保安無視・環境無視・利益最優先のチャイニーズスタンダードによる手前勝手をやり始めたのである。
ベトナム人が中国と華人を毛嫌いしていることは以前触れた。マレーシアは華人隔離収容場所としてシンガポールを造った。インドネシアでは華人による現地人の奴隷扱いが長く続いたが、アジア通貨危機に端を発する住民暴動の際に日ごろの華人たちの傲慢な態度への鬱憤が爆発し、華人への焼き討ち・殺人・レイプが続発する惨事に至った。
かつてマハティールやスハルトが中国に対する日本の謝罪外交をたしなめたのは、危険な中国の言いなりになっている日本へハッパかけた意味合いもある(から大東亜戦争を正当化したい阿保ウヨクはあまりヌカ喜びしないほうが良い、かといって中国・北朝鮮をどうしても叩けぬ間抜けサヨクには何も言えまいが)
かかる獰猛な中国の資源戦略上、当然ながら、北朝鮮も重要なコマの一つとなる。北朝鮮の資源は戦時物資がらみの特殊金属資源が多い。もちろん北朝鮮も自国資源のコマとしての価値を知っている。ロシア、アメリカにとっても北朝鮮はコマなのである(核問題は表向きのダミー議題に過ぎないという見方さえある)、そういう中では拉致事件はコマのためのコマ・・・となる。
・・・じょうだんじゃねぇ、拉致事件をコマにするな!されてたまるか!→というのが我々の立場、だと思う。
ところで、北京オリンピックを控え中国共産党は自国民のマナー改造に躍起になっている。最近、空港の中国人官吏が挨拶するようになった。無愛想な口先だけなの挨拶だが、以前はムッツリして何も言わなかったから進歩である。そして挨拶のついでに紙を放り投げるようによこす、「空港職員の態度に関するアンケート用紙」だった。最後の写真は最近の北京空港の巨大な2列平行下りエスカレ-ター、歩く人は右、立つ人は左のレーンに別々に乗る、いつもゴチャゴチャで、いくら端に立つよう口で言っても埒が明かないから、当局指導の強制分別による左立ち。(右に乗ったら途中で疲れても止まらず歩き続けなければならない、止まると後ろから怒鳴られる、左に乗った人は降りるまで運動の自由は拘束され、左から右へ壁越えするのは違法で射殺か強制送還・収容所送りか、間違えて青森に漂着したり・・・する?)。
こういう「当局による強制指導」による「国民のための精神改善」を日本人は誰しもあながち否定はできまい、背骨の無いクラゲのような自主・自由幻想による放任が腺病質・傷つきやすい子供たちをつくり、優しいだけの打たれ弱い、つまりは生命力の無い、結果的に「不幸」な大人を大量生産した戦後の日本の教育社会の瑕疵の代案を示せない限り。しかしそれにしても、かつてマルコス、スハルトを「開発独裁」と非難しながら今の中国の他国まで巻き込む極めて危険凶暴なる開発独裁に口を閉ざすなら、手前勝手なだけの日本の頓珍サヨクなんざもはや居なくてよい。
当地のスーパーの棚に並ぶ製品の多くが中国製品。中国人と勘違いされて黒人に「ニイハオ」と挨拶されるたびに、アフリカへの中国の浸透力の不気味さを感じる。北朝鮮の運命は中国の匙加減次第、その北朝鮮と中国の関係が今ここの中国と黒人労働者との関係にダブってくる。いま黒人たちの味方になりうるのはむしろ白人たちである。覇権争いといえばそれまでだが、白人資本の間に中国資本つぶしへの動きはある。
そして思う、中国に首根っこを押さえられたまま誰も助けてくれない北朝鮮という国は、世界で最も「孤独」な国なのではないかと。そういう奇形国家中国・北朝鮮に左右のタマを握られて身動き取れない我が祖国日本、中国の後塵を拝しながらにわかにアフリカ援助の見直しを始めたところだが、総連・中国に国の与野党の中枢が侵されているような国に何ができるのか、その資格はありや。