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一罰百戒・・・といかぬのが中国。百の罪には百罰を課し、而して戒はゼロ。

2007-07-18 | 燕山の声さん投稿集
 投稿者:燕山の声 投稿日:2007年 7月16日(月) 




中国野菜の残留農薬が騒がれたが現在は厳しく管理されていて(・・・こと日本向け野菜に関しては)、「いまの中国野菜は日本の国内産よりも『きれい』なくらいだ」と、日本の輸入検疫関係の知人からこのあいだ聞いたばかりだったから。ちょうどアエラで特集やっていたので買って読んでみたら、案の定、今回の問題は農薬野菜よりも養殖・加工品などが主流、しかも米国などでの中国製品騒ぎが日本へ逆流したものだ。

まだ目は離せないが、少なくとも日本向け野菜の残留農薬については、中国はずいぶん変わったのである、いや(イチロー風に言えば)「変えた」のだ、我々日本の消費者が“経済制裁”によって中国人の振る舞いを矯正したのである。前回の残留農薬騒ぎのとき、日本向け野菜輸出が激減した中国政府はすぐに動いた。食品安全衛生に目覚めたからでは(もちろん)ない、右肩上がりの計画経済で下方修正は許されない(=責任者の首が飛ぶ)中国はあわてて、売るために農薬を減らし、有機栽培の技術指導を日本に頼んだのである。

この件で我々は中国人のモラルを変えるために動いたのではない、自分の家族・子供たちの命を守るために買い控えたのである、そしてそのことが、「結果的に相手を変えた」。ここに鍵があり、北朝鮮への制裁の意味もそこにある。

その昔(?)、南米での駐在生活を始めた頃、南米人のいい加減さに苛立つ日が続いた。納期が遅れてもミスっても物を壊しても謝るどころか言い訳ばっかしで、ケロッとしてるからよけいに腹が立つ、私がカッカしていると古株の日本人先輩からよく言われた、「この国で相手を正したかったら、情や倫理を口であれこれ言うよりも、黙って具体的『実害』をあたえること、つまり減給、解雇、契約破棄、損害賠償提訴。」

今回の1枚目の写真は先日中国で弁当のおかずに出た、とっても美味しい川エビとピーマン炒め。なぜ(海でなく)川エビとわかったかって?トンボのヤゴが混ざってたから。トンボのヤゴは加熱しても赤くならず茶色のままだからすぐわかる。これまでイヌもネズミもヘビも食べ(させられ)てきたが、初めてのヤゴには少々びっくりして、それを箸につまんだまま固まっている私に同行の中国人が「ヤゴがいるのは農薬を使っていない証拠だ、安心して食べろ」と言った。

次に2枚目の写真の発泡スチロール容器を見ていただきたい。見かけはまともだがすぐに穴が空きボロボロに破れてしまう、「ひどい粗悪品だな、せっかくのウマいダシ汁が流れ出てしまうじゃないか」と私がぼやいたら中国人曰く、「これは生分解性の発泡スチロール、捨ててもバクテリアが分解し土壌に返る自然にやさしいプラスチック、日本の先端エコ技術が生かされている」自慢の新製品だとのこと。

国家の歴史的大事業オリンピックを控え、少しでもイメージアップを図るための、共産党独裁政権主導による見せ掛けの「エコ政策」である(肝心の大量の廃液・排ガスは垂れ流しのまま・・・)。生分解プラスチックには強度上の問題あるが「環境に配慮する中国」を演出するためにとにかく作る、品質や実効性や消費者のことは考えない。

「日本では素材を変えても品質は絶対に落とせない、落とすと消費者が逃げる、品質を下げずにコストも抑えようとすれば相当な努力と犠牲も必要だが、それを知恵でクリアーしてきた日本はすごい」と日本通の彼は我々を素直に褒めつつ、「中国人にはそれはできない、文化が違う」とも付け加えた。

今の中国人に社会モラルは無い、が、「ゼニ儲け」という古くから染み付いた価値観がある。相手を変えたかったら相手の価値観に仕掛けるのが原則だ。私は何もゼニ儲けが悪いとは思わない、それなりの社会的モラルが生まれるのも経済的余裕があってのこと、かつて松下幸之助も「儲けは善」としたし、今の寄生虫サヨクも企業の儲けに下支えられてこそメシが食えるのだから。

しかるに、相手の正体を無視した自己満足優先の無意味、どころか逆効果なことをやっているのが日中戦争・靖国をめぐる日本のウヨ・サヨの行動ではないか。日本人は右も左も中道もおしなべて、ゼニより倫理観・面子を重んじる精神カルチャーが強い(それも誇るべき日本文化の一つだが)。中国政府のクレームがわかってても靖国参拝賛成派はイジでも(むしろムキになって)参拝させようとし、反対派は同様にイジでも(やはりムキになって)やめさせようと騒ぎを大きくする、中国はそういう日本人の特性を利用しているだけである、ありもしない「中国人民の心情」まででっち上げ、「我々のココロを傷つけた」だの「軍国主義復活」などと、今の中国がよくもまぁいけしゃあしゃあと口にするものだが、そうすることで「自分が得をする」からそうする。つまり日本のウヨもサヨも結果的に中国を利する形で、中国の手のひらで踊っていることになる。

前回の「農薬野菜問題」では嫌中派のみならず広く一般人、さらには(いつもの)親中派も含め「イデオロギーを越えてベクトルをあわせ」一斉に中国野菜をボイコットしたから、靖国が使えないと分かった中国はすぐに動いたのである。もしあのとき日本が「環境・人命への中国人のモラル欠如」を中心に突いていれば、むこうも「旧日本軍の毒ガス」を持ち出し日本側の世論の分断を仕掛けてきただろう。

いずれにせよ、相手を本気で変えたければ、相手の価値観に働きかけねば意味が無い、そういう「実効性」の観点から北朝鮮の「動かし方」を考える必要があるのではないか。


【安明進氏の逮捕】

「中国政府側が準備した宿」に泊まる場合、私はメールも電話もほぼ間違いなく「盗聴」されているものとして対応する。実際、「そうとしか思えない」状況をこれまで何度も経験した。経済開放は進めても思想・治安統制は基本的に北朝鮮と変わらない、軍事独裁全体主義国家の策謀能力を決して侮ってはならない。そういう国であるから、安明進氏の中朝国境での動きを当然ながら中国当局は逐一掌握していたはずで、いままで「泳がせて」おいて今この機に韓国と連携で逮捕・マスコミ公表した背景こそに我々は注意しておくべきだろう。「だから安明進がこれまで言ったことは全部出鱈目だった」というキャンペーンでは今のところなさそうだが。


【日本人の劣化について:雑感追記】

きのう、自宅近くのスーパーマーケットをぶらついていて、野菜コーナーで売っているマンゴが1個500円以上するのに驚いた(私は外地で20~30円以下のものしか食べたことが無い)。その高価なマンゴを小さなこどもたちが取り囲んで指でつついている。マンゴは指で押すとすぐに傷んで売り物にならなくなる。私が子供のころ親から「店では買わないものには触るな!」ときつく言われたものだが、そういう意識が最近は弱くなったらしい、子供たちの親も店員も黙っている。「公」だの「私」だのと大そうに構えるまえに、せめて「内と外の区別」くらいはあってほしい、それがモラルの基本だろうに。(自分の部屋と社会を直接つなぐこのネットという仮想空間も内と外のケジメをなくす元凶の1つかもしれない)

私は団塊世代の10年後の世代にあたる。いつも団塊と比較され「覇気が無い、政治意識が低い、出来も悪い・・・」と言われ続けた我々は高校になると「シラケ鳥」となって開き直った。団塊が頑張って破壊した泥道に続かざるを得ない我々、むやみに頑張らないことを美徳として覚えた。

我々にとって目の上のキノコ雲のような団塊世代だが、今思えば学生運動も音楽文化もフリーセックスも欧米のモノマネと大人数ゆえの集団心理であり、敗戦後の幼少期に染み付いた貧乏性と欧米コンプレックスの裏返しの、クリエーターどころか、所詮は「だらしの無いクレーマー」に過ぎなかった。

先日、若い部下を引き連れての出張から戻った理事が私を呼んで言った。「あの国にはロクなホテルが無いとは聞いていたから、自分にあてがわれた部屋が狭くて暗く窓の外は壁、シャワーしかないのも仕方ないと思ったが、あとで聞いたら若い連中の部屋には窓の外の景色がきれいでバスタブもあったそうだな。自分が若いときは目上の人間に少しでも良い部屋を当てるように気を配ったものだが・・・・」

つまり私に「俺から直接文句言うとヒガんでるみたいだからお前から言っとけ、若い連中をちゃんと教育しろ」ということだった。私は「そりゃまた気が利かぬ連中だ、怪しからん」と相槌を打ちつつ「彼らを育てた親は、あんたら団塊の世代だよ」と心の中で思った。

で、自分の席に戻って考えた。団塊を育てた戦後民主主義のレールが敷かれたのはドッジ・ラインの頃、日本に対する矯正ラインは経済路線だけではなかった、「日本人の精神構造の根本的改造」こそがアングロサクソン連合軍の最重要占領課題だったのだから。そして、それは成功したかに見える、だからイラク占領政策では日本の戦後統治が参考にされた。

ドッジ・ラインはとうに終わったが、日本人の精神改造ラインは今も続いているのではないか。団塊の第3世代たちがスーパーでマンゴをつついている姿を見て、何気なく、ふと、そう感じた次第。


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