Blue jewel

拉致の解決を願って
「蒼き星々」関連テキストなど(ココログにも掲載)現在gooがメイン。
デザイン時々変更。

情に棹差し流されるのが人間、それは世界どこでも同じ

2007-06-07 | 燕山の声さん投稿集
燕山の声さんの投稿 蒼き星々掲示板メインボードへの投稿より

>私は情感人間でございます・・

欧米社会がドライ・理論で動くというのは多分に日本人の思い込み・偏見です。私が今いる、一世紀近く唯物論社会主義が支配した国でさえ、政治を除いた個人レベルの付き合いはまるきり人情世界、もちろん「敵」は警戒しますが、一度心を許せばその心のウェットな温かさは日本人以上のものを感じます、それはロシア人もトルコ人も同じ。

中国人もマスとしては嫌な部分が多々ありますが、個人的つきあい、特に貧しい地方農村地帯の人は情に厚い人たちが多い。先週も広大な麦畑で道に迷って、通りすがりの自転車の爺さんに道を聞き、礼を言ってスタートしたらその爺さん、自転車に乗って大声で怒鳴りながら我々の車を一生懸命に追っかけてくる、何か失礼なことしたのかと同行の北京人に訊いたら、「もっと詳しくいろいろ教えたくて追っかけているのさ、普段家族から無視されてるから、久々に人に頼られてきっと嬉しいのさ」と嘲るように言ったが、私は麦畑の一本道を一生懸命ペダルこいで手を振って叫びながらおっかけてくる爺さんに、愛おしささえ覚えた。

情があるから人間だ、無闇にニヒルぶるのは不感症の開き直りか心貧しき虚栄、その浅薄さは本人に会って話せばすぐ分かる。




添付の写真は、桜草さんの文章でふと思い出したもので、先月バルカンからイタリアへ向かう空港の待合室で見かけた母子。アドリア海を隔てたバルカンとイタリアとの微妙な関係は宮崎駿の「紅の豚」の中でも少し描かれています。この母子の暮らしもこれからいろいろあるでしょう、また、このあたりは紛争中に婦女子が徹底して暴行された地帯ですから父のいない母子を見るとつい下衆の勘ぐりもしがちですが、そんなこととも関係なく、親と子の絆、特に母が子を思う気持ちは時代・場所を問わず強く深いものだと、この情景を見て感じ入った次第です。

危険な幻想 
~ 中国が民主化しなかったら世界はどうなる?~
ジェームズ・マン,渡辺 昭夫



上記の本について
金木犀様
私はその本はまだ読んでいませんが、中国国内で連中と直接付き合って仕事すると誰しも似たような視点に行き着くようです。まず政府レベルの徹底した接待漬けで基本路線作ったらあとは企業から徹底搾取するのが彼らの常套手段、篭絡戦略の巧緻に長けた民族です。つい先日も「日本人は平均レベルは高いから高品質製品を作るが、トップレベルの優秀な人材は中国人のほうが勝っている」と、先方の党書記が、これから投資を(しかもさいしょは中国側に頼まれて)しようとしている我々日本人を前に平気で言うのを聞いて(まぁ当たるっている部分はありますが)その傲慢さに辟易したところです。・・・でも上で述べた自転車の爺さんは、ほんまに素朴でいい人でしたよ。


と、ここまで書いたところで晩餐会に出かけていま戻ってきたところ(日本との時差4時間)。ウオッカが入っているから文章に自信ないが、やや興味深い経緯があったのでご紹介する。今日の相手は6名の旧ソ連人、日本人は私一人。桜草さんの話の流れでつい、親子の絆の話題になった。で、63歳の男が「俺は父を知らない、ナチスに殺された」と言った。続いて日本の軍備の話題になった。意外だったが、日本の防衛庁が防衛省に昇格したことを彼らはみんな知っていた、そして憲法改正の動きがあることも。戦争との関係を聞かれるままに、私が、自分の父がヒロシマで被爆したことを言うと一瞬坐が静まった、そして一人が「この話題は、次の機会にしよう」ととりなし、それからまた「ナ・ズダロービエ(乾杯)」で当たり障りの無い歓談しながらつつがなく終了していま宿に戻ってきた。言いたいことと言うべき事を、場をわきまえながら区別して使いわける、効果と意味合いで感情をコントロールするのが大人のマナーであり、その点はアジア人よりヨーロッパ人の方が進んでいる、それは、過去に彼らはそれだけの授業料を払ってきたということでもある。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中華から見た東アジア | トップ | 北朝鮮人民 軍・党への忠誠... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

燕山の声さん投稿集」カテゴリの最新記事