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拉致の解決を願って
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横田 滋さん参議院で証言(2005/6/10)

2005-06-17 | 横田家のことば
 平成17年6月10日、横田滋・早紀江家族会代表夫妻が、参議院拉致特別委員会に参考人として招かれ証言した。以下は横田夫妻の冒頭発言である。

■横田夫妻が参議院で証言
 横田滋さん
 ただいまご紹介いただきました、昭和52年11月15日、新潟市で北朝鮮の工作員に拉致された横田めぐみの父、横田滋でございます。そして、現在は北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表を務めております。

 金正日が、2002年9月17日、拉致を認め、謝罪してから既に2年9か月近くが経過しているのにもかかわらず、死亡されたと言われている人につきましては安否が確認されない状態が続いております。被害者家族の高齢化が進み、家族と再会できないまま亡くなられた方が多数おられ、被害者の所在を一日も早く確認すべきだと思っております。

 第三回日朝実務者協議でめぐみのものとして提供された遺骨は、帝京大学がDNA鑑定した結果、12月8日、別人のものということが判明いたしました。我々は、この鑑定結果を伺いまして非常に安堵をしたしました。北朝鮮側は、この遺骨は第三者の手を経ずに直接薮中団長に提供されたもので、本人のものに間違いないということで持ってきたわけなんですが、しかしこれが幸いにも別人のものだとの鑑定ができたからよかったものの、そうでなければ、「これはもう夫が持ってきたもので間違いないものだ。しかし、科学的には鑑定できなかったものである」。そして、同時に提供されました写真を示して、「こんな不安そうな顔をしている中学生をわが国が立派な大人に育てて、車も使えるような身分にもなったんだけれども、本人が体が弱くて入院して自殺したんだ。もうこれ以上のものを出せないから納得してほしい」というようなことが言われれば、私たちだけでなくて、政府としてもそれを反論する材料というのが全くなくて、結局それで納得されてしまう恐れもあったわけですが、しかし、別人のものと鑑定した結果、我々としましてはめぐみが生存している可能性が強いということを確信いたしました。国家間の交渉で、おそらく1200度で焼けばDNA鑑定はできないだろうと見越して別人の骨を持ち出すということは、もう我々親だけでなくて日本政府全体をばかにしたものだと思っております。

 この12月の8日に別人のものと分かった時に、我々家族会、救う会は経済制裁の発動をお願いしたいというような声明を発表いたしました。そして、翌9日に拉致議連の総会が開かれまして、その席でも経済制裁をするしかない、ということが決議されております。また、私はその翌日の10日の自民党の拉致対策委員会、それからまた同じ日に開かれました衆議院の拉致特別委員会にも傍聴に参りましたが、いずれも制裁をすべきだ、という意見が決議されております。

 しかし、小泉総理は、対話の窓口が閉ざされるということを理由に慎重な姿勢を崩しておりません。

 そして、この段階ではめぐみのものだけだったわけですが、しかし、その後持ち帰った資料の精査をして、24日の日に家族に対しても説明がありましたし、同日、細田官房長官が、「北朝鮮側が迅速かつ誠意ある対応をしない場合、日本政府として厳しい対応を取らざるをえない」という立場を、制裁の予告ともとれる談話を発表いたしました。それから、日本政府は北朝鮮側に対して抗議をし、そして鑑定の説明はいつでも説明をするというふうに言っておりますが、北朝鮮側はそれを拒否して、鑑定は捏造であるとか遺骨を返せとかって言うだけで、現在は全く電話をかけても出てこないというような状態だというふうに説明を受けております。

 もう6か月経ちましてもまだ何の説明もないということは、迅速かつ誠意ある対応、態度を取っているとはとても考えられません。それで4月に開かれました国民大集会でも制裁ということを決議しておりますし、家族会、救う会は、ちょうど官房長官談話から半年になります6月24日から26日まで3日間、官邸周辺で静かに座込みをするということを計画しています。

 それで、政府に対するお願いでございますが、やはり、もし北朝鮮側に何か異変が起きた場合、被害者がどこにいるかといった情報が必要になっておりますので、ぜひ情報収集に努めていだだければと思います。情報収集というのは人脈づくり等ですぐにはできないとおっしゃっていましたんですが、しかし小泉総理の訪朝からはもう2年以上も経っておりますし、やはり一日も早く収集していただきたいと思いますし、それと、現在も拉致の専門幹事会といって各省庁の局長クラスの方が集まって横の連絡をとっていただいていますが、しかし、それぞれが情報をもっているというようなことだと思いますし、それからそういった方は通常はそれぞれの省庁の仕事をなさっておりますので、拉致のことだけをやっているというところは、部署はございませんので、一日も早くこの専門幹事会を拉致の対策本部というような形で常時拉致問題について対応がとれるようなシステム
を作っていただければと思っております。

 一日も早い解決を家族は望んでおります。以上でございます。

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