「芸術は醜いものを生み出すが、しばしばそれは時と共に美しくなる。一方、流行は美しいものを生み出すが、それは常に時と共に醜くなる」。これはフランスの戯曲家(で芸術家の)ジャン・コクトー氏の名言だが、ピカソに影響を受けた岡本太郎氏も似たような事を言っていた。コクトー氏が現在の行き過ぎたポリコレをどう思うか、もし生きていたら聞いてみたいものだ。さて俳優の中尾彬さんが亡くなった。その存在感、全てが個性になっている。中尾さんも元は日活俳優だ。映画斜陽期の1964年にデビューした。第5期のニューフェイスとはなっているが、所属は半年前なので、後から編入された。当初は二枚目俳優で、恰幅が良くなってから悪役が多くなった印象がある。しかしながら「本陣殺人事件」(1975 ATG)では金田一耕助を演じており、その頃が「転換期だったのかな?」と思う。意外な処では、AKB48のPV(「ギンガムチェック」)にも出演していた。妻は5代目古今亭志ん生の孫である池波志乃さんだ。夫婦共に美食家だった。とにかく語ると枚挙に暇がないので終わりにするが、盟友だった江守徹氏との(見せる為の)喧嘩も面白く、色々と記憶に残る。享年81歳、大往生である。御冥福を御祈りする。かなり以前に写真の仕事で関わった事があったが、とても品の良い人だった。
中尾彬(Wikipedia)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B0%BE%E5%BD%AC
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