迷狂私酔の日々(再)

明鏡止水とはあまりに遠いこの日々。

068・子午線。[沖縄、晩夏]

2008年09月21日 | 旅する。
9月21日、西表島

そういうわけで、今日は宿の予約なしのポカンと浮いた日。

〈母家〉は満室で延泊できないので、鳩間島に1日早めて行こうと思ったが、やはり宿が満杯。

宿を西表島で探すことにして、結局は近所の〈パイン館〉にお世話になることになった。

荷物を〈母家〉に置かせてもらって、今日も再び路線バスの1日乗車券で回る(最初から予定していれば、3日乗車券の方が割安だった………)。

バスで白浜まで行き、白浜港から船浮までは船なんだが、けっこう時間が空く。

白浜集落を散歩していたら、子午線のモニュメントがあった。

ここは東経123′45″6.789であるらしい。

それで、日時計の形をした記念碑が立っている。

ちなみに、おお真面目である。

067・島の歴史。[沖縄、晩夏]

2008年09月20日 | 旅する。
9月20日、西表島

豊原のバス停まで、また歩いて戻る。バスに乗り、
「古見の西表野生動物保護センターまでお願いします」
そうドライバーに告げると、
「保護センターに行きたいの?」
と、ニヤリと笑った。

西表島のバスはバス停以外でも乗り降り自由、リクエスト次第なのだが、さすがにルートをはずれてはくれない。

降りるときに、
「この道を歩いて700mだよ。頑張ってね!」
とドライバーはまた笑った。

西表野生動物保護センターには、イリオモテヤマネコの剥製だけでなく、自然、地理、動植物、唄、祭、歴史などについての情報が詰まっている。

宿に戻ると、三線タイムが待っていた。

オーナー(妻)のとうこさんの先生と、唄三線。

ウマの位置から弦の巻き方まで、細かくご指導いただく。

八重山古典はなかなかに厳しい。

066・忘れることなかれ。[沖縄、晩夏]

2008年09月20日 | 旅する。
9月20日、西表島

再びバスに乗り、終点の豊原で降り、〈玉盛スーパー豊原店〉で弁当とドリンクを仕入れて歩き始める。

南風見田(はえみだ)の浜まで、約3km。

この陽射しと暑さのなか、30分以上歩くことになる。

こんな苦行もどきをするのも、悲しい歴史をたどるのに楽をしては申し訳ない気がするからだ。もちろん、それは自己満足でしかないのだが。

忘れるなかれの石は、波照間島から軍命により強制疎開させられ、マラリアで多くの子どもたちをなくした識名先生が、海の向こうに波照間島を望む南風見田の浜で刻んだものだ。

いわゆる戦争マラリアは、戦後も流行し続けて八重山諸島で多くの犠牲者を出した。

きれいな海が見てきた歴史は、ときに残酷である。

065・あと10島。[沖縄、晩夏]

2008年09月20日 | 旅する。
9月20日、西表島

路線バスに乗り、1日乗車券を買って由布島水牛車乗り場へ。

あまりに恥ずかしく今まで近寄らなかったが、この由布島が八重山で最後に残った島になった。

島へと浅瀬を渡る水牛車と三線を弾くおじぃはたしかに風物詩かもしれないが、島全体が観光に奉仕するさまには、激しい違和感を感じる。

とにもかくにも、沖縄有人島全46島制覇まで、あと10島。

062・夜には。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、西表島

夕食のあと、煙草を吸いに外に出た同宿のにぃにぃが、
「ホタルがいる!」
と、教えてくれた。

というわけで、同宿同飯の縁で、夜の散歩へ。

できるだけ暗い道を探し、道路に寝転がって星空を眺める。

あ、流れ星だ。

飛ばないホタルはそこかしこにいて、やや長めの周期でゆっくりと明滅している。

やがて、低く赤い月がかかった。

061・貫禄。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、西表島

中野海岸から歩いて帰ろうとして、道を間違えた。

しかし、おかげで途中にカンムリワシを見つけた。

道路にバサバサと翼を広げて降り立ち、また上がって電柱の上に止まってあたりを睨みまわすさまは、貫禄十分。

軽トラックも止まって、運転しているにぃにぃがしばらく見上げていた。

060・リーフの外へ。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、西表島

オススメにしたがい、お魚を見るなら中野海岸のリーフだということで、やって来た。

干潮で、リーフまでは極端な浅瀬を苦行のように渡っていく。

ようやく到達したリーフは外海に深く落ち込んで、青く透き通るなかにお魚たちがウヨウヨいる。

いわゆるアウトリーフのドロップオフ、ってものにひとりで来てしまった。

しかも海上は白波が立っていて、大波のたびにカラダが流される。

初心者なので、一瞬だけ海の底をのぞいて、岸へと戻る。

059・できたての宿。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、西表島へ

石垣島に滞在15分で西表島上原行きに乗り、〈民宿 母家mamaya〉に出迎えてもらう。

わずか4室、この6月に開業したばかりの宿だ。

ゾノちゃんに西表島の宿について尋ねたらここを推薦してくれたのだが、そもそもはオーナー夫妻が「あの」まどかちゃんの友だちで、ゾノちゃんはまどかちゃんにこの宿のことを聞いたらしい。

素晴らしき口コミ伝播。

個室シャワートイレ縁側付1泊2食で6500円。

その夕食朝食のクオリティも高いし、お値打ち。

……なんだが、延泊したくなるあるいはまた来たくなる理由はそれらに加えて、いわくいいがたい「ほんわかさ」があって、初めてなのに懐かしい、居心地が良すぎて離れられない、その空気感だと思う。

しみじみ、いい宿です。

058・見送りダイブ![沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、黒島を離れる

〈はとみ〉で沖縄チャンポンを食べ、〈のどか〉で4泊分の精算をして、港へ。

郵便局チームとおとうさん(仮称)が、わざわざ港まで見送りに来てくれた。

おとうさん(仮称)は、船が出た途端に港に飛び込んでバタフライを披露し、立ち泳ぎでお見送り。

みんなが、ずっと手を振ってくれている。

高速船のスクリューが立てる派手な航跡の向こうに、もう見えなくなるまで、手を振り返した。

057・青空の下で。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、黒島

「シュノーケリングのあと、髪を洗うのに時間がかかって面倒くさい」
という理由で、バリカンを借りて髪を刈る、と郵便局チームのY氏が言い始めた。

みこちゃんが刈り始めるが、なかなか進まない。

それでは、と要請を受けて出動する。

バリバリバリバリ。
ゾリゾリゾリゾリ。

12、9、6、3ミリのアタッチメントとすきばさみを使い分け、軽く泳ぎやすそうな髪型に仕上げる。

旅先の青空の下、散髪に精魂を注ぐのもまた愉しからずや。

056・朝陽を探して。[沖縄、晩夏]

2008年09月19日 | 旅する。
9月19日、黒島

今朝も朝陽を求めて東へ。

厚い雲に日の出をあきらめて、伊古桟橋へと向かう途中、きれいにまんまるの太陽が顔を出していた。

急いで伊古桟橋に行く。

桟橋では先端に座って太陽に向かって瞑想する人、犬を散歩させてトランペットを練習する人、ジョギングする人、などなど、さまざまな人生模様が交差する。

055・あと11島。[沖縄、晩夏]

2008年09月18日 | 旅する。
9月18日、新城島

沖でシュノーケリングの後、新城島(パナリ)に上陸して昼食。

沖縄の有人島46島のうち、未踏の島があと11島になる。

島人の案内で島内を回る。

新城島は個人で勝手に集落内を歩き回ってはいけない。

秘祭、よそ者嫌いのイメージが強い新城島だが、いまは民宿もできている。

クイヌパナの展望台からは、黒島、小浜島、石垣島まで望める。

個人的には、観光客を容易には寄せつけない島があっていいと思うが、島の未来は島の人が決めることである。