まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「ゴーレムの眼 バーティミアスⅡ」

2012-07-12 19:34:55 | 日記
今日はなんだか蒸し暑く感じましたが 最高気温27℃。
来週の予報には ついに35℃。


さて ジョナサン・ストラウドの「バーティミアスⅡ ゴーレムの眼」を読みました。

バーティミアスII ゴーレムの眼
金原 瑞人,松山 美保
理論社


こちらは 外伝とは違って 「バーティミアスⅠ サマルカンドの秘宝」と話がつながっております。

バーティミアスの世界は 現実世界のパラレルワールドです。

魔術師たちが君臨する世界の中心は ロンドン。
そこでは 魔術を知らない一般の人々が 虐げられているという事実さえ知らずに生きている。

この世界では 魔術師たちは 自分で魔法を使うのではなく
魔術で召還した妖霊たちを従属させて 使役することで力を示す。

バーティミアスは そんな妖霊達の一人?である。
力としては 中級クラスだが 5千歳で 口もまわれば智恵もまわる。
そして 前巻『サマルカンドの秘宝』で 魔術師の中でも下っ端のさらにその弟子であるナサニエルに 召還された。

前巻の活躍で(といっても活躍していたのはバーティミアスのような気もするが)すっかり昇進したナサニエル。
再び バーティミアスを召還し 使役しようとする。

ロンドンでは 魔術師たちに反抗する『レジスタンス団』の動きが活発になってきていた。
その一員であるキティは 魔術に抵抗する力を持っていた。 
ある事件で 魔術師に友人のヤコブ(魔術への抵抗力がない一般人)を傷つけられ
自分自身も その事件のために裁判にかけられることになった。
その事件がきっかけで 『レジスタンス団』のボスと知りあうことになり
自然とその活動に参加するようになる。

バーティミアスは ロンドンで起きている怪事件の解決のために 召還される。
そこで バーティミアスが再会したナサニエルは・・・・



ナサニエルは子供のころから 上昇志向の強い人間だったが
今では すっかり出世することにとり付かれて
バーティミアスがいうところの『昔はもっていたわずかな良心』さえも失っているかに見える。

悪魔であるバーティミアスがいう。
「おれが自由になることなんかまずない。」
「だからたまに自由になったときくらい、できれば自分を傷つけるようなことはしたくない。
 それがおれと、お前たちおろかな人間とのちがいだ。
 つまり常識があるってことさ。」

ところが そんなバーティミアスに キティは 自分がどうなるか分からないのに 勇敢で一途な行動を見せつける。

バーティミアスが 人との約束すら守らなくなったナサニエルにあきれはてていう。
「おれはナサニエルっていわなかった。それはおまえがまさしくジョン・マンドレイクって感じになったからだ。ナサニエルって名の少年はどっか行っちまったのかもな。ほとんど消えかけてるぜ。」
ここまで言われても ナサニエルは バーティミアスの嫌みにも気づかない。 

前巻では ナサニエルの信念に同調し協力していたバーティミアスだが 
今回は 本当にいやいや命令に従っている。
ナサニエルが殺されそうになっても 命令がないし相手に歯が立たないからと言って助けようともしない。


だが 人間の常識が通じない相手であるはずの妖霊バーティミアスのほうが 
ナサニエルより ずっとまともな考えを持っている。

さて この「ゴーレムの眼」が 3巻の「プトレマイオスの門」にどうつながっていくのか
楽しみです。

もう 本当にお勧めです。

是非 ご一読ください。


いがぐりおをクリックしていただけると嬉しいです。いつもありがとうございます。^^/
人気ブログランキングへ

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする