コルネットの掃除。
久しぶりにコルネットの掃除をした。これは今から50年近く前に購入したヤマハのコルネット・YCR-333Sである。当時70,000円以上したように記憶している。うちは裕福ではなかったが、母親に頼み込んで買ってもらった。
ラッパを買うなら普通はトランペットにするところだが、なぜコルネットかというと、ジャズ・コルネット奏者・レッド・ニコルスの半生を描いたアメリカ映画「五つの銅貨」をテレビの洋画劇場で見て、主演を演じたダニー・ケイの吹くコルネットの丸まった形と音に魅了され虜になってしまったからだ。(※映画ではレッド・ニコルスが実際にコルネットの演奏の吹き替えをしていた。)
この楽器には吹奏楽だけでなく、ジャズ、ブラス・ロックでも使った思い出があり、いろいろとお世話になった。しかし、ある晩酔っ払いながら吹いていて落としてしまい主管と第3抜差し管が曲がった。歪んだところを直そうと手で元に戻してみたが、力を入れすぎてハンダも取れてしまった。その後、曲がった形を少し整え取れたハンダをアロンアルファで付け直したが、3番抜差し管は見た目はわからないがちょっとした歪みのせいで動かないままだ。3番抜差し管が動かないと微妙な音程の調整が効かない。
トランペットやフリューゲルホルンがあるので修理に出すこともなく、その後も時たま使ったが使う頻度は減った。
今日、思い出して具合をみようと吹いてみると、音はきれいに抜けるがしばらく放っておいたせいかカビ臭い。さっそくフレキシブル・クリーナーを使い管内をブラスソープで洗浄する。昨年洗浄したはずだが、いざ吹いてみるとカビたような匂いがする。洗浄してもしっかりと乾かさないとカビてしまうのだろう。ブラスソープでブラッシングした後、水で洗い流した。つまり楽器を風呂に入れたようなものだ。問題の三番抜差し管は歪んでいるのでスライドできないが、管のU字部分にガーゼを通し引っ張ることで簡単に抜くことができブラシで汚れを取りスワブで水分を拭った。バルブのパッドが古くなっていたが、替えがないので以前トランペット修理の時に取り替えたものを代用としてつけてみたら問題なく使えた。
楽器ケースも念の為内部を布巾で拭き、しばらく外で陽に当てて干した。ケース内部は発泡スチロールと毛足の長い布製で、カビと管の油臭が染み付いていたが干したことでだいぶ改善され乾いた。その後しばらく楽器を収めたまま蓋を開けたままにしておいた。
(早くリペアするべきだが)歪んではいるものの、いつでも使える気がしてならない。笑
5つの銅貨 The Five Pennies (1959)
40年モノの高峰のエレアコにはいろんな大切な思いが詰まっていらっしゃるんでしょうね。
わたしはコルネットをリペアしたいと思うのですが、修理代だけで購入したときの金額を超えてしまいそうなので、微妙な気持ちになり一歩踏み出すのを躊躇ってます。(^^)