休みが明けて、今日から、会社へ。
今年は、実家には帰らなかった。
わが家系は大家族。
祖父母も、両親も、私自身も、兄弟が多いので、お盆ともなると、いつもにぎやかだ。
しかし。 私のいちばんうえの兄など、私の九歳年長なので、兄弟という気がしなかった ... と言ったら、兄に失礼だろうか。
いや、でも、ほんとうに、私が幼稚園、小学生のころに、すでに高校生とかなわけで、兄というよりは、おじさん、という感じで、まったくなじめなかった。 いまにして思うと、かわいくない妹だったのだろうな、とは思うけれど、こわかったのだから、しょうがない。
そんな長兄とは、ずっと、打ち解けて話ができなかった。
小さなころに植えつけられてしまった恐怖心を、なかなか克服できなかったのだろう。
家のなかで、妙にいつも、どきどきと、かしこまっているような、ぎこちない子どもであった。
そんな私も、東京に出てきて、ひとり暮らしをはじめてからは、だれに遠慮するでもなく、思う存分、好き勝手に生きているが。
はなれてみると、両親のありがたさ、兄弟のやさしさ、家族の良さ、というものがわかって、帰る場所があるというのは、いいことだなあ、と、思うようになって ... 。
いまでは、実家に帰れば、幼いころに打ち解けられなかった長兄とも、酒を酌み交わすくらいである。 とおいむかし話を語りながら。
こんなことは、幼いころには、考えられなかった。
はなれてみてこそ、できたことなのだろうか。 そして、たまに、帰るから、いいのかなあ ... 。
ああ、そうだ。 ここで、あるエピソードを。
先日、知人に、旅行土産として、風鐸 (風鈴) を買って、送った。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」 という、室生犀星さんの詩の一節が、風鐸の舌 (糸で吊るされた短冊) に書かれているものを。
窓の外に吊るしていたら、その短冊が、台風にさらわれて、どこかに飛んで行ってしまったらしい。
知人は、申し訳ない、と、あやまっていたけれど。
きっと、遠きにありて思いきれずに、故郷に帰っていったのだろうか ... ? と思うことにしている。
関連リンク:
・『室生犀星記念館』
・Blue Signal - 「室生犀星(石川県)」
BGM:
Olivia Newton-John ‘Take Me Home, Country Road’
今年は、実家には帰らなかった。
わが家系は大家族。
祖父母も、両親も、私自身も、兄弟が多いので、お盆ともなると、いつもにぎやかだ。
しかし。 私のいちばんうえの兄など、私の九歳年長なので、兄弟という気がしなかった ... と言ったら、兄に失礼だろうか。
いや、でも、ほんとうに、私が幼稚園、小学生のころに、すでに高校生とかなわけで、兄というよりは、おじさん、という感じで、まったくなじめなかった。 いまにして思うと、かわいくない妹だったのだろうな、とは思うけれど、こわかったのだから、しょうがない。
そんな長兄とは、ずっと、打ち解けて話ができなかった。
小さなころに植えつけられてしまった恐怖心を、なかなか克服できなかったのだろう。
家のなかで、妙にいつも、どきどきと、かしこまっているような、ぎこちない子どもであった。
そんな私も、東京に出てきて、ひとり暮らしをはじめてからは、だれに遠慮するでもなく、思う存分、好き勝手に生きているが。
はなれてみると、両親のありがたさ、兄弟のやさしさ、家族の良さ、というものがわかって、帰る場所があるというのは、いいことだなあ、と、思うようになって ... 。
いまでは、実家に帰れば、幼いころに打ち解けられなかった長兄とも、酒を酌み交わすくらいである。 とおいむかし話を語りながら。
こんなことは、幼いころには、考えられなかった。
はなれてみてこそ、できたことなのだろうか。 そして、たまに、帰るから、いいのかなあ ... 。
ああ、そうだ。 ここで、あるエピソードを。
先日、知人に、旅行土産として、風鐸 (風鈴) を買って、送った。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」 という、室生犀星さんの詩の一節が、風鐸の舌 (糸で吊るされた短冊) に書かれているものを。
窓の外に吊るしていたら、その短冊が、台風にさらわれて、どこかに飛んで行ってしまったらしい。
知人は、申し訳ない、と、あやまっていたけれど。
きっと、遠きにありて思いきれずに、故郷に帰っていったのだろうか ... ? と思うことにしている。
関連リンク:
・『室生犀星記念館』
・Blue Signal - 「室生犀星(石川県)」
BGM:
Olivia Newton-John ‘Take Me Home, Country Road’