最近、販売されているキャンカーには、ほとんど家庭用エアコンが装備されている。
うちのZIL520にも、家庭用のエアコンが装備されている。
ダイキンのS22JTNS-W で消費電力440Wと低電力のインバーターエアコンで、家庭用エアコンの中でもコンパクトなタイプだ。
うちのZIL520にも、家庭用のエアコンが装備されている。
ダイキンのS22JTNS-W で消費電力440Wと低電力のインバーターエアコンで、家庭用エアコンの中でもコンパクトなタイプだ。
室外機重量 22kg 室内ユニット 7kgと家、重量は配管を含めると30kg以上ある。
家庭用パッケージエアコンは工場で大量生産するので、安価な割りに性能が良く、決められた通りに設置すれば性能は保証されるので使いやす機器だ。
ところが・・・。
夏の暑い時にエアコンを入れて高速道路を走行し、サービスエリアに入って休憩しようとした時に今まで動いていたエアコンが、止まってしまう。
一番動いてほしい瞬間だ。
一番動いてほしい瞬間だ。
エアコンのスイッチを切って入れ直したら数分後に動き出す始末。
高速走行後に運転席から降りると、熱風が下から上がってくる。
車体の温度が高いのでエアコンが効かないんだろうと思う。
車体の温度が高いのでエアコンが効かないんだろうと思う。
故障したのかと、家でチェックしたら問題なく冷える。
あー、故障じゃないならまあいいや。仕事も忙しいのに、販売店に持って行くだけでも大変だ、と変に自分自身に妥協する。
あー、故障じゃないならまあいいや。仕事も忙しいのに、販売店に持って行くだけでも大変だ、と変に自分自身に妥協する。
オフ会でエアコンの話になり、「それって、おかしいんじゃないの。エアコンの意味無いじゃん。うちのエアコンはいつでも効くよ。」と言われる始末。
予想はついているけど面倒だなー。
高速走行後すぐに、パーキングでZILの室外機の裏側に手を伸ばすと、すごい熱気だ。
これじゃーエアコンも止まって当たり前だと納得する。高速走行後にエンジンを止めると、エンジンやDPRからの熱気の逃げ場がないので車の底に滞留する。まるで、サウナに入ったような熱気だ。
エアコンの説明書にも『運転条件として冷房は屋外温度21度~43度以外で運転を続けると安全装置が働き運転が停止する場合があります。』と記載されている。 (後日追加)
エアコンは、外気温と冷媒の温度差が小さいので、冷却には出来るだけ低温の空気が必要になる。
一般の車に搭載されているエアコンは全て、外部の空気を取り入れて冷却しているのに対し、ZIL520は、エンジン及び排ガス対策の熱風がエアコンの熱交換器を通っているので、オーバーヒートしやすい。
エンジンが冷えている時は、普通によく効く。
考えてみれば、当たり前の事だ。
これは、構造的な問題であり設計ミスだ !! うちのZIL520だけの問題ではない。
これと同型のZIL520は全て、さらにZIL520クルーズも同様だろう。
エンジンの近くにエアコンの室外機が設置されていて、内部の空気を外に排出するタイプは全てオーバーヒートが予想される。
エンジンの近くにエアコンの室外機が設置されていて、内部の空気を外に排出するタイプは全てオーバーヒートが予想される。
多くのZIL520のオーナーも気が付いているとは思うが、普通はエアコンが効くので、言われてみればそうだと思うはず。
販売店の対策
対策として、販売店で室外機の向きを180度変えて、外部から新鮮空気を取り入れるように変更したり、室外機はそのままで熱風を吸わないように、ダクトを製作している話は聞く。
どちらも、新鮮空気を取込むのに変わりはない。
対策として、販売店で室外機の向きを180度変えて、外部から新鮮空気を取り入れるように変更したり、室外機はそのままで熱風を吸わないように、ダクトを製作している話は聞く。
どちらも、新鮮空気を取込むのに変わりはない。
現状把握
どんな対策が取れるのか、室外機の取付け状況をチェック。
裏側は、上部は狭いが下部はそこそこ広い。
側面もスペースはある。
ダクトの取付けは可能だけれど、室外機を支えるフレームが風抵抗大
外に出すダクトの高さは?
対策として、
室外機の向きを180度変えるのは大変。
室外機の向きを180度変えるのは大変。
下手をすると一度配管を撤去する必要あり。
リフトかピットがないと対応不可。
リフトかピットがないと対応不可。
ダクトの製作のほうがましだけれど、これもそこそこの仕事だ。
ダクトの開口面積によって効率が大きく左右される。
エアーダクトは、室外機の下を通して外部に取入れ口設置。
ダクトの開口面積と冷却能力は比例するので、何とか大きくしたい。
そうなると、地面とダクトまでの高さがとれず、悪路でダクトが底を打つかも。
エアーダクトは、室外機の下を通して外部に取入れ口設置。
ダクトの開口面積と冷却能力は比例するので、何とか大きくしたい。
そうなると、地面とダクトまでの高さがとれず、悪路でダクトが底を打つかも。
昔から面倒な事は嫌いなうなぎ。
すぐに楽な方法はないかと思案。
ファンを反対向きにひっくり返して風向きを吸出しから吸込みに変えれないか?
面格子を取外して、室外機のカバーも外した。
カバーは右側の2時の方向に1箇所ビスを緩めて、カバー自体を反時計回りに強く回すと外れる。
これは外した後に分かった事で、どうしたら外れるのか、強くコジたらツメが折れた。
面格子を取外して、室外機のカバーも外した。
カバーは右側の2時の方向に1箇所ビスを緩めて、カバー自体を反時計回りに強く回すと外れる。
これは外した後に分かった事で、どうしたら外れるのか、強くコジたらツメが折れた。
羽を外してモーターも外そう。
モーターを支えるビスを取ったら、モーターがハウジングから取れ、フレームの向こう側から取り出すことが出来た。
モーターをひっくり返して止める為に2t×15×15のアルミアングルで適当に加工。
アングルだけだとモーターが付かないので、1.5tの板を適当に切ってポップリベットと止めた。
アングルだけだとモーターが付かないので、1.5tの板を適当に切ってポップリベットと止めた。
モーターと製作したアルミフレームの間に5~10mmのスペーサーが必要。無いとファンがアルミフレームに当たりそう。
アングルと室外機にドリルビスで固定する。
万一、水が入らないようにコネクター部分や、小さな穴はシーリング処理した。
アングルと室外機にドリルビスで固定する。
万一、水が入らないようにコネクター部分や、小さな穴はシーリング処理した。
モーターの配線は、切断して室外機のハウジングに穴を開けて通そうとしたが、線の数が多くて接続するのが大変そうだったので、テープ止めした。(仮のつもりだが、テープは特殊なスコッチの低粘着テープで普通のビニルテープとは違う。)
エアコンを入れて風の状況をチェックする。
風量的には吸出しから吸込みに変えてもファン形状が同じなので、ほとんど変わらないはずだが、室外機のファンネル(吸込み口)により僅かに効率が落ちるかも知れない。
出る出る~♪ OK。 エアコンもガンガン効く。
出る出る~♪ OK。 エアコンもガンガン効く。
面格子を付けると、モーターが見えて恰好が悪い。
モーターカバーを取付けよう。アルミ板を曲げて両面テープで固定。
これで様子を見て、熱風が回り込むようなら隙間を板で遮断しよう。
これで少しは良くなったかな?
今までのファンカバーは外側の面格子があるので撤去。
今までのファンカバーは外側の面格子があるので撤去。
この改造を行って、いつでもエアコンが普通に使えるようになった。
今年出たZIL520、520のクルーズもエアコンは、バゲージルームに付いている。
重量バランス的には、これまでのように前に設置する方が良いと思うが、エアコンの役目を果たさなければただの箱。
今年出たZIL520、520のクルーズもエアコンは、バゲージルームに付いている。
重量バランス的には、これまでのように前に設置する方が良いと思うが、エアコンの役目を果たさなければただの箱。
あなたのZIL520は大丈夫ですか !! ?
後述・・・
この記事を読んだ多くの方々、そしてキャンカー販売店の方からもお問合せ頂きましたが、この場所に設置されているエアコンで、簡単に出来る対策ではないかと思います。今では、販売店もビルダーも状況を把握しているが、対策には費用がかかるので逃げ腰です。
エアコンに対してある程度の知識がないと手を出しにくいのと、あくまで自己責任の範疇ですのでご注意下さい。ファンモーターをひっくり返すだけでエンジンや排気系の温度に関係なく冷風が出ますので快適です。勿論オーバーヒートとも無縁です。
2016年ではどのビルダーもこのトラブルを理解しているので、以降に発売されてるキャンピングカーのエアコン室外機は、取付け場所が後ろに変更されています。
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