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20、地獄に墜ちた親子・家族「地獄(第二の死と云われる永遠の滅び)」『煉獄と地獄』マキシム・プイサン神父著

2023-08-20 12:01:43 | 天国・地獄
マキシム・プイサン神父「地獄(第二の死と云われる永遠の滅び)」『煉獄と地獄』岸和田天主会教会、1925年

20、地獄に墜ちた親子・家族

 十八世紀の終りにフランス中いたるところで天主を信ずる者の首をはねさせた惨虐者の一人コロ・デルボアは、後に告訴されて終身の刑に処せられ、千七百九十五年(寛政七年)四月にカヤンヌ島に流された。
 そこで彼はこの島に於て地獄に於ける苦痛を受けたのである。彼は絶えず自分は地獄に居る苦痛を受けていると叫ぷので、病院の最も奥まった部屋に入れておいたが、彼の苦しみは少しも減じなかったので、幾分か火の苦しみを柔らげるために、冷い土の中に首のところまで埋めたのである。

 しばらくして見れば彼はそのまま、死んでいた。即ち彼はこの世に於て不思議な火により、焼死んだのである。

 しかしながらこの世の火がどれ程恐ろしくとも到底永遠に燃ゆる地獄の火とはくらべものにはならない。天国は少しの悪もなく、ただ善ばかりであると同じく、地獄には少しの善もなく全く悪ばかりの集合である。

 故に地獄に於ては、罪人は精神、肉体と共に苦しみを受けるものであって、よみがえりの後は、肉身と霊魂は各機能が苦しみを受けるのである。故に地獄にあってはそしり、ざんげ、呪いの声を聞くのみであって親は子に向い「こら貴様、肉身の子よ、己はお前が居ったばかりに不正なことをして財産を得ようとしたのだ」と云って我が子を罵しり、子は又「なんだこの親父/お前はそれでも己の親か、己はお前のために地獄へ連れてこられたのだ」とわめき、娘は母を罵しり、母親はまた娘を嘲ける。

 これらの事が天主の正義によって燃ゆる火の中で永遠に続くのである。

 聖ベルナルドが「あ、地獄よ/汝の記憶は我念を驚愕せしむ」と叫び、聖オグスチノが、その弟子に向って「兄弟よ、御身は地獄を恐るべし、我もまた我自身及び御身らのために地獄を恐る。我はしばしば聖書をくり返しくり返し読めば読む程地獄の恐しさを感ず」と申した如く、地獄に対して深刻なる恐怖の念を感ずる事が出来れば幸福であると思うのである。





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