マキシム・プイサン神父「地獄(第二の死と云われる永遠の滅び)」『煉獄と地獄』岸和田天主会教会、1925年
47.大斎、小斎を守るべし
この二つの教務は重いから己むを得ぬ場合の外は、厳重に守らねばならぬ。大斉は鳥獣の肉を食わず、一日にたゴ一食し、夕食もひかえ目に食することである。
年令二十一才より六十才まで、大斎日は一年に九日ある。即ち四旬節の七金曜日、イエズスの降誕祭と復活祭との前日である。小斉は鳥獣の肉を食するのが許されぬことである。
公教信者は普通善悪をわきまえる頃(年令七才)より生涯、守らねばならぬ、毎金曜日、四季の水曜日、土曜日(聖霊降臨の大祝日後の第一水曜日と第一土曜日)四旬節の毎土曜日聖母被昇天の祝日と諸聖人の祝日の前などが小斎である。
緊急なる時、朝起きる時、夕寝る時、食事の前後、十字架のしるしを慎しんでなすことは、はなはだ善いことである。
もし公然、十字架のしるしをするのが都合の悪い場合母指にて心臓の上に画けば熱心の度は増すのである。十字架のしるしを疎略にするのは不敬事である。
十字架のしるしは我公教の基礎であり、三体一体と、イエズス・キリストの御託身との玄義を含みておるからで、十字架のしるしをなすたびごとにその玄義を思い起す機会である因職務に差支えない限りは日曜の外にも、常に御ミサに授かる事が出来得れば、大いに利益である。
聖堂参詣として、特更に行き得ざる時は外出するついでに二・三分、聖体を訪問するか又は、家に戻りても聖体を念じ奉つらば、これこそ信仰を養う確かな方法である。