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聖ドミニコ・サヴィオ - 小さな巨人 13

2018-09-25 02:26:19 | 聖ドミニコ・サヴィオ
『聖ドミニコ・サヴィオ - 小さな巨人』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、13

 夏休みに帰ったドミニコ。待ちわびていた兄弟たちや友だちが、大よろこびです。なにしろ、町に勉強に行った兄ちゃんは、幼い兄弟たちの誇りでしたから。

「ドミニコが話してくれるんだって、何の話かな?行こう行こう」。子どもたちの口から口へと伝わり、夕方になると、かなりの子どもが集まってきました。

 ドミニコが話したのは、教理の説明、ドン・ボスコからきいた聖書物語り、聖人たちの物語りです。ドミニコは、決してたいくつさせません。子どもたちにも説明させたり、それにキャラメルのごほうびまで出すのですから。

 今の子どもなら、「なんだ、キャラメルか」というでしょうが、なにしろ150年も前の、しかも貧之な田舎の子ですから、大変な魅力がありました。ドミニコの、これも工夫の一つだったのです。

 このころ田舎には、学校がありませんでした。それで、子供たちは、日曜ごとに大人のあとについてミサに行ったものの、何のことやらさっぱりです。村の神父様は、あまりにおじいちゃんでした。それに、お百姓さんだった親たちは、どう教えてよいやら見当もつきません。こんなとき、ドミニコはなんとありがたい先生だったことでしょう。まるで村の宣教師みたいです。

 毎日、家の庭に村の子どもたちが集まると、教理の勉強が始まります。

「さあ、わたしのするようにしてごらん」といって、ドミニコは右の手を顔にあて、"父"といい、胸において”子”、左の肩で聖霊のみ名によって〃、その手を右の肩にはこんで”アーメン"といいましたみんながそれにならうと、今度は教理の本を手にとりました、ああ、なんと上手に説明したことでしょう。やさしく、くだいて、どんな小ちゃな子にも分かるように、話しました。


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