『聖ドミニコ・サヴィオ - 小さな巨人』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、18
いよいよ家に帰る日が来ました。ドン・ボスコは、念をおすように、願いをこめてくりかえします、
「ねえ、ドミニコ、きっとだよ、家に帰ったら、かならずなおって、またここに帰ってくるんだよ」
でも、涙にうるむ先生の顔を見あげて、少年はいいます、「いいえ、ドン・ボスコ先生、もう帰ってこれません。あなたとお話しできるのは、きょうが最後です。だから教えてください、わたしは神さまのために何ができるでしょうか?」
ドン・ボスコは、もう胸がいっばいです。
「ドミニコ、きみのその苦しみを、みんな神さまにささげなさい。神さまを喜ばせるいちばんよいおくりものですよ」
1857年3月1日、迎えに来た父の馬車から、ドミニコの細い手がお別れをしています。
「みなさん、さようなら。きっと天国で会いましょう!」家族も医者も、あらんかぎりの手をつくします。病室はまるで戦場のよう!なおしたいみんなの必死の思いと努力が、見えない火花をたらしています。でも、ますます病気は重くなってきました。
「おとうさん、最後の聖体拝領をさせて!」家に帰って一週目にドミニコがいいました。
「とんでもない。おまえは死んではならんぞ、絶対に生きぬくのだ!」
父は、ききいれません。
少年は、たのんで、たのんで、やっと村の主任司祭がやってきました。
今はもう最後の告白をすませたのです。心になんの不安もありません。ご聖体をいただくと、ドミニコの心は、いいようのない慰めにみたされました。
いよいよ家に帰る日が来ました。ドン・ボスコは、念をおすように、願いをこめてくりかえします、
「ねえ、ドミニコ、きっとだよ、家に帰ったら、かならずなおって、またここに帰ってくるんだよ」
でも、涙にうるむ先生の顔を見あげて、少年はいいます、「いいえ、ドン・ボスコ先生、もう帰ってこれません。あなたとお話しできるのは、きょうが最後です。だから教えてください、わたしは神さまのために何ができるでしょうか?」
ドン・ボスコは、もう胸がいっばいです。
「ドミニコ、きみのその苦しみを、みんな神さまにささげなさい。神さまを喜ばせるいちばんよいおくりものですよ」
1857年3月1日、迎えに来た父の馬車から、ドミニコの細い手がお別れをしています。
「みなさん、さようなら。きっと天国で会いましょう!」家族も医者も、あらんかぎりの手をつくします。病室はまるで戦場のよう!なおしたいみんなの必死の思いと努力が、見えない火花をたらしています。でも、ますます病気は重くなってきました。
「おとうさん、最後の聖体拝領をさせて!」家に帰って一週目にドミニコがいいました。
「とんでもない。おまえは死んではならんぞ、絶対に生きぬくのだ!」
父は、ききいれません。
少年は、たのんで、たのんで、やっと村の主任司祭がやってきました。
今はもう最後の告白をすませたのです。心になんの不安もありません。ご聖体をいただくと、ドミニコの心は、いいようのない慰めにみたされました。