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聖ドミニコ・サヴィオ - 小さな巨人 15

2018-09-27 12:14:06 | 聖ドミニコ・サヴィオ
『聖ドミニコ・サヴィオ - 小さな巨人』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、15

 今の学校でもお掃除当番がありますね。でも、ドン・ボスコの学校は、家族みたいですから、いろんな仕事があ1ました。

 ある日、ドミニコは、「ウンコラショッ!」と、大きなまき木におのを打ちおろしていました。薪が山のようにできています。「これでいい」かれは汗をぬぐうと、薪をかごきな籠にいっぱいつめて、ドン・ボスコのおかあさんのころに運んでやりました。年とった婦人に骨のおれる仕事をさせたくなかったからです。

「まあ、ドミニコ、こんなにたくさん作ってくれたのね。ありがとう。大変だったでしょう!」と嬉しそうな声。どんなに助かることでしょう。でも、それ以上に、ドミニコのやさしい思いやりが、かの女の心を喜ばせました。

 こんなにドミニコは、おともだちにしていたイエズスさまと、マリアさまに似てきました。愛と、いつくしみとよろこびが!「ドミニコかいない」と、だれかがいいはじめました。

「ミサの時は、たしかにいたのに」。「学校にも来てなかったよ」「昼食のときだって見なかったぞ?」。心配はだんだん大きくなってきました。みんなが、あっちこっちと探しています。

 ”こんなに探しても見当たらないところを見ると"とドン・ボスコは考えました。"もしかして?”かれは、はっとして御聖堂に行きました。ひと目みた時はだれもいません。でもご聖体の祭壇のうしろにまわると、"いた!"いたのです。片手を胸に片手を朗読台に、じっと聖櫃を見ています。

 「ドミニコ」とドン・ボスコ。「………」。答えません。そっと肩を揺さぶりました。「ミサは、もう終わったのですか?」 目が覚めたようににドミニコ。「午後の2時だよ」

 ドン・ボスコは時計を見せました。7時闇もつづいた礼拝のひとときだったのです! 神の与えた特別なお恵みでした。



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