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4-3 朝の祈祷の唱え方

2021-01-31 07:58:26 | 青年の友
浦川和三郎司教『基督信者宝鑑』天主堂出版、大正8年発行
4-3 朝の祈祷の唱え方

 朝の祈祷を怠ってはならぬことは誰でも知っている。しかし、怠らずとなえはとなえても、善く唱えなければいけないのだが、さて善くとなえるとはどのようにとなえるのだか、それをご存知ない方は多いものである。
 朝の祈祷を善く唱えるには、

1 起きて顔を洗ったら、すぐに唱えなければならぬ。牛馬の世話をする前に、タバコを吹かし、新聞に目を通す前にまず天主様に御挨拶を申し、その日の御初穂を献げるのが当たり前じゃありませんか。
 後で後でと差し延ばしていると、思わず時間がたつ、人が来る、用件が起こるして、やむを得ずこの大切な御勤行を怠るようになるものであります。

2 十字架の前か、聖母の御像の前かにひざまずいて唱えねばならない。
 聖堂に於いてとなえれば最も良い。服を着ながら、道を歩きながら、火にあたりながら、あるいは仕事片手に天主様にお話を申し上げると言うのは、ちょっと失礼ではありますまいか。

3 そろそろ唱えねばならぬ。
 御威光限りない天主様の尊前に出て、御挨拶を申し上げるだのに、自分ながら何を言っているのか分からないくらいに口早にとなえては失礼であろう。そんなに急いではじめから終わりまで唱えるよりか、半分でも、三分の一でも、そろそろと、念を入れてとなえたほうが、天主様のみこころにかないますし、自分の為にもなります。

4 気をつけてとなえねばならぬ。毎日毎日同じ文句を繰り返すのだから、ついにはそれが習慣となって格別こころを留めなくなってくる。気は八方に散り乱れる。いろいろのつまらぬ想像は、やたらに頭脳の中に跳り廻る。唇は動いた。声も聞こえたが、霊魂は何も言っていない。
 天主様は霊魂の声しかお聞き入れくださらないのに、霊魂が何も言わなくては、いくら口の先で、ペラペラとしゃべり立てても、なんにもなりません。せめてはその祈祷のことばに注意して唱えるとか、あるいはそのことばの意味を思いながら唱えるとか、もしくは天主様のことやら、イエズス様のことやら、その御降誕なり、御苦難なり、聖体なりを考えつつ、うやうやしく申し上げるとかしなければならぬ。
 口先ばかりの祈祷は、天主様の御耳には、とどかないものであります。

5 前もって、意向を定めねばならぬ。
こどもの病を癒してもらいたい、試験に及第させてもらいたい、遠方に出かけた夫を無事に帰宅させていただきたい、愛する父母の霊魂を早く煉獄から救い上げて戴きたいと思って祈るときには、
誰でも熱心になる。
 心など散らしはしません。
 だから、朝の祈祷をとなえるにも、誰のために祈る、何の御恵みを願う。
 この罪を避け、あの徳を修める力を乞い求めるというように、しかと意向を定めて、祈祷をはじめたら、よほど心の散り乱れるのを防ぐことが出来ます。

 なお、祈祷を始める前にちょっと心をしずめて、天主様の尊前に在ることを思い出すのもよほど助力になります。

 ひばりという鳥は、地上に居っては鳴くものではない。鳴くときには必ず天に舞い昇る。うらうらと霞んだ春の大空に、チョロチョロと、美しい声でさえずりながら、高く高く天に登って行く、いつまでも登っていく、登れるだけ登ってから、
 いよいよ銀鈴のような声で、チョロチョロと歌うのですが、それを聞くと、全く御祈祷でもしているかのように思われるくらい、しばらく歌ってから、万物の創造主である天主様に讃美歌を献げられたのが嬉しいといわんばかりに、スウと降りてきて、静かに草の中に隠れるのであります。

 祈祷をするときも、このひばりの真似をせねばならぬ。しばらくの間、地を離れ、側の人や、身の回りのことを忘れ、用件も何も放ってしまって、心を高く天にあげて、「天主様がそこに在します。私のことばに耳を傾けてくださる。私は、今、天主様に向かってお話するのだ」
 このように一心に考えて、祈祷を始めると、よほど心が引き締まってきて、むやみに散り乱れる憂いはないものであります。

要するに朝の祈祷の目的は、

1 天主様を礼拝していままでかたじけなくした聖恩を感謝する
2 自分の思い、望み、言葉、行いを献げる
3 罪を避け、徳を修めるに要する聖寵を乞い求める

 この3つであるから、
 心が非常に散り乱れて、何をとなえたか自分ながらわからなかったというようなときには、この3つの目的に従って、主祷文、天使祝詞、栄誦を各々3回ずつでも、熱心にとなえて、これを補うようにするがよいかと思われます。





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