神の罰を招く決定だと思いますが。教皇庁が反対しているのは、言うまでもありません。
フランスが中絶権を憲法に明記へ 世界初 BBC 2024年3月5日
フランス議会は4日、憲法に女性が人工妊娠中絶を選ぶ自由を含める改正案を可決した。憲法に中絶権が明記されるのは、世界で初めて。
議会はこの日、1958年制定の憲法に女性の「保障された自由」として中絶を明記する改正案について投票。賛成780票、反対72票の圧倒的多数で可決すると、議員らはスタンディングオベーションで結果を歓迎した。
また、首都パリのエッフェル塔は改正案可決を祝って点灯され、「私の身体、私の選択」というメッセージが映された。
エマニュエル・マクロン大統領は、この改正は「フランスの誇り」であり、「普遍的なメッセージ」を送るものだと述べた。
一方、中絶に反対する団体はこの変更を強く批判。キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)も声明で反対を表明した。
パリのエッフェル塔には「私の身体、私の選択」というメッセージが映し出された
フランスでは1975年に中絶が合法化されているが、世論調査では85%が中絶の権利を憲法で守るべきだと回答していた。
リプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)を憲法で保護している国はほかにもあるが、中絶権を単独で認めたのはフランスが初めてだという。
1958年に制定された現在のフランス憲法は、2008年以降、25回改正されている。
投票前にはガブリエル・アッタル首相が議会に対し、中絶権は依然として「危険にさらされて」おり、「政策決定者のなすがまま」だと述べた。
「我々は全ての女性にメッセージを送る。あなたの身体はあなたのものであり、誰もあなたのために決めることはできない」
議会では、右派による抵抗は失敗に終わった。しかし、マクロン大統領には、憲法を自分の選挙のために利用しているとの批判が寄せられた。
反対派は、改正案自体は必ずしも間違っているわけではないが、不必要なものだと指摘。大統領が大義名分を利用して左派の信任を高めようとしていると非難した。
フランスの中絶法は、1975年の制定以来、9回改正されており、そのすべてで中絶権が拡大されてきた。
一方、大統領の署名前に法案の合憲性を審査する憲法院は、これまで一度も中絶法に異を唱えていない。
憲法院は2001年の法改正時、中絶を承認する根拠として、1789年制定の「人間の権利宣言」を挙げた。これは厳密にはフランス憲法の一部のため、多くの法学者は、中絶はすでに憲法上の権利だとみていた。
アメリカの連邦最高裁判決がきっかけ
今回の憲法改正は、2022年にアメリカで合衆国憲法から中絶権が取り除かれたことに端を発している。米連邦最高裁はこの年、アメリカで長年、女性の人工妊娠中絶権は合憲だとしてきた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を示した。これにより、アメリカでは各州がそれぞれ独自の州法で中絶を禁止できるようになった。
フランス憲法に中絶権を明記する動きは、多くの人々に歓迎されている。
女性の権利団体「女性基金」のローラ・スリマニさんは、「アメリカではこの権利が後退している。だから、フランスがこのリスクから免れていると保障するものは何もない」と述べた。
「フェミニスト活動家として、そして女性として、たくさんの思いがこみ上げてくる」
しかし、全ての人が改正を指示しているわけではない。ヴァチカンは、中絶に反対する立場を改めて表明した。
ヴァチカンは声明で、「人間の命を奪う『権利』などあってはならない」と、フランスのカトリック司教らからも出ていた懸念を述べた。
その上で、「この歴史の局面において、生命の保護が絶対的な優先事項となるよう、すべての政府とすべての宗教的伝統に最善を尽くしてほしい」と訴えた。
フランス議会は4日、憲法に女性が人工妊娠中絶を選ぶ自由を含める改正案を可決した。憲法に中絶権が明記されるのは、世界で初めて。
議会はこの日、1958年制定の憲法に女性の「保障された自由」として中絶を明記する改正案について投票。賛成780票、反対72票の圧倒的多数で可決すると、議員らはスタンディングオベーションで結果を歓迎した。
また、首都パリのエッフェル塔は改正案可決を祝って点灯され、「私の身体、私の選択」というメッセージが映された。
エマニュエル・マクロン大統領は、この改正は「フランスの誇り」であり、「普遍的なメッセージ」を送るものだと述べた。
一方、中絶に反対する団体はこの変更を強く批判。キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)も声明で反対を表明した。
パリのエッフェル塔には「私の身体、私の選択」というメッセージが映し出された
フランスでは1975年に中絶が合法化されているが、世論調査では85%が中絶の権利を憲法で守るべきだと回答していた。
リプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)を憲法で保護している国はほかにもあるが、中絶権を単独で認めたのはフランスが初めてだという。
1958年に制定された現在のフランス憲法は、2008年以降、25回改正されている。
投票前にはガブリエル・アッタル首相が議会に対し、中絶権は依然として「危険にさらされて」おり、「政策決定者のなすがまま」だと述べた。
「我々は全ての女性にメッセージを送る。あなたの身体はあなたのものであり、誰もあなたのために決めることはできない」
議会では、右派による抵抗は失敗に終わった。しかし、マクロン大統領には、憲法を自分の選挙のために利用しているとの批判が寄せられた。
反対派は、改正案自体は必ずしも間違っているわけではないが、不必要なものだと指摘。大統領が大義名分を利用して左派の信任を高めようとしていると非難した。
フランスの中絶法は、1975年の制定以来、9回改正されており、そのすべてで中絶権が拡大されてきた。
一方、大統領の署名前に法案の合憲性を審査する憲法院は、これまで一度も中絶法に異を唱えていない。
憲法院は2001年の法改正時、中絶を承認する根拠として、1789年制定の「人間の権利宣言」を挙げた。これは厳密にはフランス憲法の一部のため、多くの法学者は、中絶はすでに憲法上の権利だとみていた。
アメリカの連邦最高裁判決がきっかけ
今回の憲法改正は、2022年にアメリカで合衆国憲法から中絶権が取り除かれたことに端を発している。米連邦最高裁はこの年、アメリカで長年、女性の人工妊娠中絶権は合憲だとしてきた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を示した。これにより、アメリカでは各州がそれぞれ独自の州法で中絶を禁止できるようになった。
フランス憲法に中絶権を明記する動きは、多くの人々に歓迎されている。
女性の権利団体「女性基金」のローラ・スリマニさんは、「アメリカではこの権利が後退している。だから、フランスがこのリスクから免れていると保障するものは何もない」と述べた。
「フェミニスト活動家として、そして女性として、たくさんの思いがこみ上げてくる」
しかし、全ての人が改正を指示しているわけではない。ヴァチカンは、中絶に反対する立場を改めて表明した。
ヴァチカンは声明で、「人間の命を奪う『権利』などあってはならない」と、フランスのカトリック司教らからも出ていた懸念を述べた。
その上で、「この歴史の局面において、生命の保護が絶対的な優先事項となるよう、すべての政府とすべての宗教的伝統に最善を尽くしてほしい」と訴えた。