Rスズキの毎日が大食い

おいしいものと食べることが好き。マンガもね。

ビッグコミックオリジナル21号感想

2006年10月19日 | マンガ
「蔵人」以前でてきた本当の「神在」の味を知る杜氏、庄司さんが具合が悪いそうです。「死ぬ前にもう一度会いたい」とはおだやかではありません。クロードたちが見舞いに行くと、自分の田んぼの山田錦を使って酒を造れというではありませんか。そういい残すと死ぬ・・・のではなくて寝ましたのよ。小泉八雲の怪談話と絡めて、いまわの際の約束の重大さを思い知るのでした。でもじいさま、まだ元気じゃないの、ああ、びっくりした。

「黄昏流星群」結局社長の座は降りたのですが、小さな町工場を経営してそこそこの毎日を過ごしている修ちゃんです。3年後、結婚した斉木の令嬢が尋ねてきてキスしてくれて「また時々あそびに来る」という、それじゃあまた不倫が出来ますな。まさに中年男にとって御伽噺のような展開でした。都合が良すぎ。

「弁護士のくず」始めは遺産をよこせといって譲らない、とんでもない長女かと思わせておいて、そのじつ後をついでずっとカステラを焼く心積もりもしていた心のうちをくずが見抜きます。結局みんないい人だったのか、なんだか残念でした。

「あんどーなつ」若い娘がケータイつかっての連絡もせずに訪れて、あまたあるデパートの前で偶然ぱったり出会う・・・なんという偶然。偶然にも程がある。そしてバラですよ。秋バラ。バラの練りきりなんてあまり見ませんけどね。絵がボタンかツバキみたいなのに良くバラだと分かってもらえたと感心しました。和菓子はきれいだけれど練切って言うとどれも同じ味がすると思いませんか。香りや味も変えるといいと思うんですが。

「上京一週間」ジョウナン自動車の下請工場の息子が上京して現実を知るの巻。
技術やコストの問題で断られていた部品を唯一引き受けていたのがうちの親父だったと知るのでありました。そんな安い価格で引き受けるからいつまでたっても街工場から脱却できないんだろうねえ。

「アレルヤ」走人の息子は卵を持ったままバイオリンを弾くという曲弾き並みの高等技術を叩き込まれていたのでした。バイオリンは体格にあわせて大きさが違っていて子供用のではそんな奏法は難しかろうと思うのですがどんなもんでしょう。
そいうえば、むかしピアノを弾く時にも指は卵を握るようにといわれたものだそうですが、中村紘子さんのエッセイでこのハイフィンガー奏法を留学先で否定されてイチから直したというのを読んだことがあります。
卵でそんなエピソードを髣髴させるので、すごいと思うよりかわいそうになってしまいました。