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蔵馬ウケネタ、日常のことなど思った事を綴る。

さむいからあたためたい

2018年12月11日 23時26分52秒 | 蔵馬受けblog内小説


寒すぎて、
「会いたいって、あたためたいだ」を
想像してしまいました。


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冬の入り口の日、突然肌を刺すようになった空に、飛影は足を止めた。
魔界の冬は長い。
そして、1度風が冷たくなったらそこからは、もう急降下だ。

「寒い」
発すると、ふっと笑いが出た…自分がこんなことを言うようになるとは。
寒い、と言う感覚を繰り返し自分に教えたのは蔵馬だ。人間の体温になれすぎたのか、
もとは妖狐のくせに蔵馬は寒がりだ。
むつみ合ったあと、蔵馬は抱きついてくる。
暖かいね…。
人を道具にするなと言うと、「だってあなたの腕が一番気持ちいい」と言うので、
拒めなくなった。
余りにも甘く蔵馬がわらうので…。


寒さを感じる方ではなかったはずなのに。
この身体に染みついている感覚は違うはずなのに。
寒い…俺が。
おかしくなったのか、と引きつった笑いが出る。
そして枯れかけた樹を見つけて、思わず手を伸ばす。


「飛影」
少し前に、突然魔界に現れた蔵馬は、この樹に似た樹に腰掛けて、降りてきたのだ。
ふわりと。
その感覚が蘇って、蔵馬が手の中に収まったようで…手を伸ばしてしまった。


湧き上がる、胸の感じに一瞬蹲る。
手のひらから…蔵馬のイメージは消えた。
「蔵馬」
ああ、こういう感覚を、会いたいというのだろうかと、自分を抱きしめてみた。
駄目だ。
こんないたずらみたいな仕草では、本当に自分は満たされない。
蔵馬の黒髪の、甘い香りだけが自分を支配していると、今更思う。
こんなに、蔵馬に焦がれている。

蔵馬を、暖めたい。


宵の星が散り始めた人間界の屋根を、無言でただ飛影は飛んだ。
宵闇が広がり始めた街は、飛影を溶け込ませていた、同じように蔵馬の姿も、今は見えない、
そのはずだった。
けれど…。
飛影の目が、細められた。
見つけた。自分だけの…。


蔵馬は白い息を吐いてただ街を歩いていた。
青ざめた顔色は疲れを含んでいて、人間としての姿をしていた。
それでもいい。
びくんと、蔵馬のコートが震えた。
「…!」
気付かなかった。不意の気配。知っている。分かる、この気配。この、少し強い吐息。
…飛影
後ろから抱きすくめる腕を、ゆっくりと蔵馬は掴んでいた。その手を頬に当てて、瞼を閉じた。
ああ、飛影の感覚。
好きが、不意に溢れた。こんな毎日の中に飛影が現れる、それだけでこんなに甘い気持ちになれる。
「冷たくなっている」
暖めたい。この大切な人が、凍るようなこの世界で、震えている。
暖めたい。


あいたいは、あたためたいだ。


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はじめは
 ツイッターで載せるような140字とかの短い話のつもりで、
飛影が不意に蔵馬を後ろから抱きすくめる場面だけでした。
でもそれだけじゃ足りないな
…と思ったところに、「飛影が蔵馬を思いだしたらいいな」という考えが
浮かんで付け足してみました。

私空の出てくる話ばかりで、そろそろ感づいた方も居ると思いますが
空と飛影と言う組み合わせが好きなんですよね…
蔵馬は風。あと視線が絡むのが好きなので。

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今年幽白 オンリーにも出ることが出来て、それも2回も!
花舞も 色々な方に手を取っていただくことが出来たし

No Way To Sayも、決して甘い話ではないシュールな話なのに
色々な方に買っていただけて本当に嬉しかったです。


11月 Love faraway Love trinityを出したとき、
この2冊対極のものを作ろう、で出したのですが

両方に愛着を抱きすぎて 
まだこの話について語りたくて堪らないと言う
頭のおかしい人みたいになっています。
(そのせいで一旦サイト更新が止まっています。すみません)


だけど一応、来年の予定も発表はされているわけだし、
そっちに向かっても進まないといけないなと
思っています。

一応5月の予定を告知すると
Pinky Pinkyという本を再販します。これ7年ほど前に出した
蔵馬ちゃんの妊娠騒動 と言う本なのですが、
本当にお気に入りの本なので再販します。でもあまりにも蔵馬がかわいい系なので
どのくらい需要があるのかわからないので最低限だけするようにしたほうが
いいのかな…と思っています。
ついったーの世界ばかり見ていると、この話 蔵馬が凄く可愛いので、今の流行と違うので
部数も少なく少なくと…考えています。話も蔵馬も、挿絵を描いてくださった 
みずきみあさんの絵も本当に
可愛くて大好きな本です。話も、サークル参加復帰する前の本では一番熱を入れた話です。
同時に No Way to sayを何年も掛けて作っていたので
それが終わったときに 
完全燃焼して 
「同人で書くものはないかな」って思ったんですけど突然復帰したくなって戻ってきてしまいました…。
なのでちょっと文章の感じも違うと思うのですが
この頃の文章自分でも気に入っているので改訂せずに出そうと思います。

あと出来れば 蒼月哀夜2 と 
ある屋敷の息子飛影にピアノを教える蔵馬 の話 を出そうと思っています。
※Love trinityとは別のネタですよ!!