なんとなく、昨日の続きを書いてみました。
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そっと、飛影は蔵馬のマフラーの上から手を添えた。
「蔵馬」
名を呼ばれただけで、どくんと、蔵馬の鼓動が跳ねた。唐突な飛影の
現れ方に、さっきから胸が疼いてしまっている。
「冷たい」
蔵馬の両手を包むように掴んで、飛影が言った。
「それは…寒いし…」
とっさに、それしか出てこなかった。
飛影も身体が冷たいのは伝わってくるけど、感じる息が熱かった。
「俺も、寒い」
だからと、飛影が続けた。
「お前に会いたくなった」
ふわりと、蔵馬の黒髪が揺れた。強い風が吹いた。その風と同じように、蔵馬の胸の奥も
強く疼いた。会いたくなった、蔵馬の胸を射貫くには十分だった。
「甘えだけが、俺を温める」
そっと、動いたのは蔵馬だった。
飛影を見て、そして蔵馬は飛影に向き合っていた。飛影の氷のような首筋に回されたのは
蔵馬の腕だった。
「暖め合いたい…」
甘えるような蔵馬の声だった。その瞳に、逆らえる者はきっといない。
グッと、飛影は手を回した。
「同じ気持ちだ」
すり寄せてくる黒髪を、撫でた。
自分をこんなに求める相手は一人しか居ない。そして求めるものも、ひとつしかない。
好きは、いつでも溢れそうだ。風の温度が変わる度、蔵馬を思いだしている。
「俺だって、お前のこと考えているんだぞ」
「えっ」
腕の中の頬が、薄紅に染まっていた。気が強いくせに、案外素直だ。
「うん……」
ぎゅっと、蔵馬の右手が飛影の黒衣を握っていた。
「俺を捕まえていろ」
この想い全てが絆だと、今なら言える。
月を通り過ぎて、黒い影が飛んだ。
濃紺の空の下、月を越えて飛影は飛んだ。その腕に、白いその人を抱えて。
ただ何も言わず、蔵馬は飛影の背に捕まっていた。
「わっ」
地上で奇妙な声を出したのは、幽助だった。
見上げれば、満月の灰色の前に、黒い影。普通の人間なら早すぎて見えない影も自分なら
わかる。誰の影か、わかってしまう。思わず、笑いが漏れた。
「あっつ!」
当時に感じた指先の熱…ラーメンのつゆが、飛び跳ねていた。
「くっそ~」
あいつのせいで火傷だ。
あいつが月の前を飛んでいったりするからびっくりしちゃったじゃないか。
そう思って指を舐めてみる。
くすぐったさが幽助を満たした。
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と言う、たまには甘い話も良いなと思ったので
それを作ってみました。
今日、ひらがなけやきの番組を見ていて
そのなかの歌で
「絆とはそこにいること」と言うのが
あったので、それを見た瞬間
飛蔵だ~~!!とおもい、それを元に続きを考えたくなったのでした。
歌詞の全ては、そう言う愛に関する歌詞ではないのですが。
いつもせつなさ優先で話を考えているので(Blue energyとか)甘い話は中々話が進まず
書いては消し 書いては消しだったのですが…結構楽しかったです。
新しい扉を開きたいなと思っているので、
こういう感じのものも書けるようになりたいなと思っています。
もっと慣れてきたら
もうすこし甘さ全開でも行きたいな。
絆と言う言葉、飛蔵にぴったりだなと思ったのでした。
初めてこの言葉で飛蔵書いたのは アストロゲイション+LINKAGE のLINKAGEのほうですが、
ふたりのなかには態度には出さなくても確実なものがある、そう言うのが
絆なんだろうなと考えると…!!飛蔵!!としか思えないです。
LINKAGEは飛影よりの絆ですが、これはもっと時間が経って蔵馬が、「飛影は自分を想っている」
と言う感覚に自信を持ってからかな。LINKAGEはちょっと遠回しな絆ですが。
でも「お風呂で蔵馬を抱く話」とおもったとき、
それだけじゃいや→意味がないとこういうことは飛影はしなさそう→じゃあどうしてそこまでする必要があるか
と言う流れで出来ました。
もとは 水樹奈々さんの LINKAGEです。
聴いた瞬間「飛蔵!この歌詞は飛蔵でしかありえない!」と思ったので、そこから上の発想と重ねて
つくりました。メロディも格好良いし歌い方も切なげで強くて凄く好きな曲…。