秋のイベントの申し込みをしようと思ったのですが
その際に何…だそうと思っては居るのにネタが見つからない――って
言う感じで困っているので、
ちょっとだけリハビリに、お題サイトから貰ってきました。
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飛蔵 飛影 蔵馬へお題は『今更孤独になんて耐えられない/「この分からず屋!」/
無邪気に笑って終わらせてね』です。
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そっと、その白い手を握ってみた。
ゆっくりと蔵馬を味わった夜が終わり、飛影は蔵馬の眠る顔を眺めていた。
いつからかこいつを失いたくないと思う自分に気付いた。それは苦い感覚でもあり、甘い感覚でもあった。
「あのとき――」
闇に消えるような声で飛影が言った。甘えるように縋っていた夜の蔵馬は、今はもう静かに眠りについていた。
「お前がいなくなるかと」
思った。本当に、本当に心の底からそう思ったのだ。
「戻ってきてよかった」
武術会で蔵馬が倒れる度、身体が凍りそうだった。
ふっと握りしめた手を見つめ、唇を噛んだ。何度も唇を噛んだ。
戻れという言葉と、住まないという言葉と――浮かんだのは何だっただろうか。ただ、蔵馬が血に染まる姿に
体中の血が巡ってしまいそうだった。
「んっ――――」
蔵馬の声が聞こえた。ぐっと、もう一度飛影は蔵馬を抱きしめてみた。
白い身体は自分よりも小さくて――、これは自分とは違う器なのだと今更思う。
「好きだぞ」
そう、言った瞬間だった。
「俺も――だよ」
甘い、声が聞こえた。くすっと、そのひとは笑って飛影を見上げていた。
「おまえっ――!」
丸い瞳を甘く転がして、蔵馬は笑っていた。撫子の花が開いたような微笑みに、一瞬ここをまで鷲づかみに
されたような気になったのは飛影だった。負けたような気がした…不意を突かれた感覚。
「あなたが、ずっと好き」
蔵馬の白い指が伸ばされた。それは、あの大会で後などなかったかのように美しかった。黒髪が艶やかに肩に掛かり、
飛影の瞳に流れていく。
「長い間…ひとりだったけど」
蔵馬の瞳が、飛影を射貫いていた。
「もう戻れない…あなたの温もりを…離したくない」
「奇遇だな」
絡まったのは、二人の指だった。
「俺も、同じだ。ずっと、温もりを離したくない」
こんなにも鼓動が跳ねている。そんな動揺も、嫌ではないし、無くさないで居られる今が大切だった。
「あなたが…どこまで一緒に居てくれるのか…怖い」
「分からず屋!」
つよく響いたのは飛影の声だった。低い声が、蔵馬のからだを包んだ。びくっと蔵馬のからだが震えた。
「俺が、中途半端にお前に手を出したと思うか!」
「んっ……ん!」
絡まる舌に、蔵馬が軽く藻掻いていた。抱き留められた腕が痛い。
「お前を離すわけ、ないだろう」
ずっと、見ているからと、飛影がもう一度口づけた。
甘かった、甘い唇の温もりだった。
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普段書いているものとは違う、ちょっと甘めの飛蔵でした。
新鮮で楽しかったです。
甘い飛蔵をね書こうとすると…
蒼月哀夜の感じに似てしまって、甘い話ばかり詰め合わせた本を作ろうと思ったのですが
難しいかなと思って…秋にサークル参加で、落ちなければ何かを出そうと思ったのですが
詰め合わせた本は難しいかなと思ってしまいました。
なにか出したいんだけど
どうしようかな。