Bunkamura シアターコクーンで、アトリエ・ダンカン プロデュース 『教授』 2月15日(金) 開演19:00を観てきました。
※若干のネタバレがありますので、ご注意くださいませ。
公式サイト → アトリエ・ダンカンプロデュース「教授」
【構成・演出】鈴木勝秀
【音楽監督・弾き語り】中村中
【原作】五木寛之 角川書店「わが人生の歌ものがたり」
【キャスト】
椎名桔平:教授
田中麗奈
高橋一生
岡田浩暉
酒田聡
伊達暁(阿佐ヶ谷スパイダース)
佐々木喜英
上條恒彦
中村中
【ストーリー】
安保闘争・労働争議などが湧き起こる、高度経済成長期の、60年代日本。
これは、そんな時代の趨勢とは無関係に生きていた、「寄生虫」を研究する、ある変わり者の教授と、教授を見つめ続けた助手、また、それを取り巻く、“時代”を生きる人々の物語である。社会とは無関係に生きているかに見えた“教授”だが、彼が唯一、社会との接点を持ったのは、「流行歌」を愛したことであった‥
【ゲストスケジュール】
15日(金)19:00 松原健之「なごり雪」(イルカ)
16日(土)14:00/19:00 クミコ「神田川」(南こうせつ)
17日(日)14:00 加藤登紀子「ひとり寝の子守唄」(加藤登紀子)
18日(月)19:00 五木寛之(トーク)
20日(水)14:00 石井一孝「シクラメンのかほり」 (布施 明)
20日(水)19:00 木の実ナナ「私は街の子」(美空ひばり)
21日(木)19:00 一青窈「時代」(中島みゆき)
22日(金)19:00 ジェロ「思秋期」(岩崎宏美)
23日(土)14:00 尾藤イサオ「ダイナ」(ディック・ミネ)
23日(土)19:00 岡田浩暉「五番街のマリーへ」(ペドロ&カプリシャス)
24日(日)14:00 上條恒彦「生きているということは」(永 六輔)
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客入れの音楽は昭和歌謡。
舞台美術はほぼシンメトリーに配置。後方にグレーの石造りの壁。壁にニッチ状の大きな開口部があり、ここにグランドピアノ。ここで中村さんが弾き語りをします。
上手と下手に同じ石造りの高い柱。コの字型に木製の棚があり、ガラス容器に入った寄生虫の標本が、棚に仕込まれているブルーのライトによって照らしだされております。
椎名桔平さん、高橋一生さん、伊達暁さん、坂田聡さんをお目当てに♪ 歌も入っていて変わった感じの舞台なのかなぁ。。と軽い気持ちで観劇。
前列から4~5列目くらいのセンター席というよいお席でしたので、キャストさんたちの表情もばっちり拝見できました♪
全体の印象はさら~りとした感触。原作の五木寛之さんの小説を読んだ後のよう。おもしろいけど、さらり。
弾き語りと芝居のコラボというところでしょうか。そんなに違和感はなく、むしろ生の音響効果といった感じでよかったかと。
上條恒彦さんの生の歌が聴けてお得感♪ さすがに上手いし、すごい声量でした。
変わり者の教授の半生と彼を巡る人々、その頃の時代の空気感が描かれております。もっと重くもなるお話のように思えますが、さらりとして重くありません。爽快とまではいきませんが、ラストまで観て、これは教授と助手の切なくて、でもハッピーエンドの恋物語なのだと思いました。
それぞれのシーンでは決して軽くもないし、時代に翻弄され、翻弄されていることさえ気づかずに生きていく人々の哀しみや怒り、どうしようもないやるせなさが描かれております。
それぞれのキャストさんたちについては。。
椎名桔平さんはいいですね~♪ 上手いし、それが嫌味でなく、飄々とした教授が似合っておりました。言葉にならない苦渋に満ちた表情もいいです。
高橋一生さんもいいです~♪ ほぼ同文になってしまいそうですが、上手いし、顔を隠しているシーンでさえ、その姿だけで訴えてくるものがあって観入ってしまいます。
伊達暁さんは、ちゃらいけどばりばりな保守派で、田舎では名士の長男を好演しておりました。とっても嫌な奴に観えましたもの。もっと出番が多いとさらに嬉しかったのですけど。。
坂田聡さんは、嫌味で討論好きの哲学科の教授を好演しておりました。男性の助手に口角泡を飛ばす勢いで構造論について弁じるシーンでは、顔を真っ赤にしながら専門用語だらけのものすごい長台詞をまくし立てており、感動しましたよ。
田中麗奈さんは、意外といってはなんですが舞台もよかったです。映像畑の印象が強いものですから。華奢でお顔が小さくてとてもお綺麗でした♪
岡田浩暉さんは、好青年な感じでしたがちょっと印象が薄いかなぁ。。
佐々木喜英さんは、実の父を憎むことで生きてきたような屈折した青年がよく出ていたと思います。
中村中さんの歌は耳に心地いいですね。あとから気づいたのですが、2009年の舞台「ガス人間第1号」には女優として出演されていたのですね。この舞台には高橋一生さんも出演されていましたし。このときの感想はこちら♪
本編後のアフターライブには松原健之さんが「なごり雪」(イルカ)を熱唱。私、残念ながらこの方を知りませんでした。演歌歌手の方なのですね。あちらこちらからファンの方々が、「松原く~ん!」と声をかけておりましたよ。私のお隣の方はハートのライト持参でしたし。
たった1曲のみというのが少々さみしい気がしますね。もう1曲くらいね。
カーテンコールはなし。
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フライヤー。
もうひとつのフライヤー。裏表紙。トップ画像は表紙です。
中はこんな感じ。