ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

乙武さん

2016年03月30日 | 聖書


      乙武さんの不倫騒動があちこちで火種になっていて、
      ネットやマスコミをにぎわしています。

      でも、なんだか釈然としない取り上げられ方ですよね。
      乙武さんが、ベストセラーで話題になったときにも、
      なんだか釈然としなかったのです。
      「重い障害があるのに、こんなにも明るくて、なんでもできて、優秀!」みたいなイメージに、
      「まあ、よかったね」というしかなかったのですが。

      「こんなの、障害者の実像じゃない!」という障害者がいたとしても、
      そうした声をかき消すような「喝采」があったような気がします。

           

      乙武さんは、世間に乗せられたのかもしれませんね。

       本がベストセラーになったこと、それも破格のベストセラーだったことは事実です。
       「五体不満足」かもしれないけれど、       
       イケメンで、明るくて、頭の良い青年の、健気な姿は、
       多くの人に感動を与えたのですし、
       あちこちから引っ張りだこになったとはいえ、
       引っ張りだこにしたのは、世間だったのです。

       自己イメージと、世間の見るイメージの乖離は、だれでもあるわけですが、
       よいイメージがどんどんひとり歩きしていったら、「ノー」と言う機会を失うのは
       自然かなとも思います。
     
                

       施設で障害者の方々と接していたこともありますし、友人、知人、血縁にも重い障害者がいるので、
       多少はわかるのです。
       障害者と一口に言っても、じつに千差万別です。

       手足がなくても、手足がそろっている人より、はるかに能力が高い場合もあるでしょう。
       反面、
       どんなに教えてあげても、字が読めるようにならない人、簡単な単語さえ発することができない人、
       車いすで姿勢を固定することさえ困難な人も、
       身体障害、知的障害、重い難病と三重苦の障害を持つ人さえ少なくないのです。
       やっと呼吸をしているだけのいのちでも、生きるために援助して上げるべきなのです。
       とはいえ、
       障害に手助けする側からすると、
       自分は、少しも、人助けになっていないと無力感を覚えることもあるのです。
       
        

       乙武さんは、「かっこいい!」のです。
       乙武さんを見ていると、いつのまにか、
       障害者、健常者の垣根を超えて、拍手した人たちも多かったのではないでしょうか。
       だって、健常者と言われる人たちも、いろいろ不自由をかこっていて、

       自分の子どもや、自分の夫や、何よりも、なかなか思うようにならない自分自身にもがいていて、
       でも、みんな、乙武さんみたいに、きっと変われる!
       そんなわけで、乙武さんは、スーパーマンにさせられてしまったのかもしれません。

       結果、たしかに「希望の星」であったのです。

         
      
       気がついたときから、出直せばいいと思うのです。

       世間の思惑ではなく、ほんとに自分がなりたかった自分って、何だろうと、
       自分と向き合って考える時間はあるのです。、
       「健全パパ」か。自由奔放人生か、教育者タイプか、議員タイプか。
       ほかにも無数の可能性があるはずです。

          

       私たちは、何度でも生まれ変われるのです。
       そんな人はたくさんいます。

       ぜひ、やり直していただきたいのです。


           イエスは道の途中で、生まれつきの盲人を見られた。
           弟子たちは彼について、イエスに質問して言った。

           「先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯したからですか。
           この人ですか。その両親ですか。」

           イエスは答えられた。「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。
           神のわざがこの人に現れるためです。」
                              (新約聖書・ヨハネの福音書9章1節~3節)
        
              佐々木牧師と
              ベン・バランさんと、そのご家族、(2014年3月22日の記事をごらんください)