春一番 舞い上がる帽子 車止め
春一番 逃げ回る帽子 主役の日
前日の天気予報のとおり、春一番が吹いて、
でもタワービルのところに来るまでは、らくらくだったのです。
こんな日もあるよ。春の嵐,桜の花の前触れだものと、横断歩道にさしかかったとき、
とりわけの突風に、たたらを踏んだと思ったら、
あっという間に、頭の帽子が道路の真ん中に飛翔!
道路に一歩踏み出して、
取り返す距離を測ったとたん、ふたたび舞い上がり、道路の向こうに、
と思うと、ころころと転がって道の真ん中に戻ってくる。
色褪せたよれよれの古帽子とはいえ、まだ愛着も未練もあって、
はらはら目で追っていると、車の下に潜り、素早く飛び出してきて、
別の車に向かっていく。
「今度こそ、車の下敷きで、ぺちゃんこになる!!」
思わず息を呑んだとたん、車が急ブレーキをかけて、止まってくれたのです。
帽子はちょっとたたずんで、また、舞い上がり、向かいの歩道にすべっていく。
🌸 🌸 🌸
帽子の捕獲までには、その後もいろいろプロセスがあったのですが、
不思議な風のいたずらで、
結局、帽子は足元に戻ってきて、止まったのです。
持ち主の私めは、飛びついて彼女を抱きしめ、頭に戻して、手で押さえて、目的地に。
そんなわけで、
今日、私は、人生最高の、拾い物をした気分なのです。
猫とか犬とか、子供ではありません。
古い古い帽子のために、
車を止めてくれた方、
ありがとうございます!!!