そばの食べ方について、落語を取り上げておられる記事があった。
そばちょこの中に、そばをほとんど浸さないで、さっさっさ、スルスル(ズルズル?)と食べるのが、
江戸っ子風? 粋な食べ方だと、
これを、上京したばかりのころ、聞いた時は、意味が分からなかった。
関西人は、すくなくとも昭和の中ごろまでの関西人は、たっぷり汁に浸した麺が好きで、
私も、いまでもお店で、ざるそばを頼むことはない。
家では、ざるそば風だけれど、大きめの小どんぶりに汁をたっぷり準備して、いただく。
てんぷらや、おひたしや、ゴマ、山椒、ネギ、のりなど、いろいろの薬味を入れて、
食べる――これは、連れ合いの田舎の食べ方で、
初めは抵抗があったけれど、いまでは、関西風より、口に慣れている。
そば一つでも、食べ方はさまざまなのに、何故か、
お餅だけは、ある大きさで、焦げ目のついた、到底一口では入らない餅を、雑煮に使い、
口にくわえて、引っ張って、伸ばして食べるさまが、「本格的」であるかのような雰囲気。
思い込みと、刷り込みはなかなか変えられない。
私も最近まで、定型の長方形の切り餅を、そのまま使っていた。
しかし、熱いもちは、箸では切れず、歯が弱ってきているので、口で切るのは心配。
いきおい、外では雑煮など食べない。
家で作るときは、焼く前から半分なり3等分なりして焼くことにしている。
しかし、これでは、インスタ映えしないものね。
食べているのを、安心してみていられるのは、小学生くらい。
小学生なら少々行儀が悪くても、食べた後、手の甲で口を拭っても許される。
美男美女のタレントさんたちは、若くても、手で半ば口を隠して、一生懸命、美しく食べている。
もちろん、年配のタレントさんはあまり食べる場面はない。
本当は、誰にも気を使わず食べたいけれど、
本当に、食べることは難しい。
食が、どんどん細くなるのは、そのせいかもしれない・・・。
亡くなられた聖路加病院の日野原先生は、健康の秘訣は「腹六分」と書いておられたけれど、
確かに、そのせいか、去年は歯医者さん以外、ご縁がなかったのですが・・・。