大反響を呼んだDeNA・筒香のアマ指導者への提言 お母さんたちの心もつかんだ「言葉」とは?〈dot.〉
2/3(日) 13:21配信 AERA dot.
DeNA・筒香嘉智が外国特派員協会で開いた記者会見は大きな反響を呼んだ。外国のメディアを中心に約100人が集まった会見で、筒香が訴えたのは指導者の意識改革だった。「子供はできないのが当たり前なのに、指導者がイライラして暴言をはく。練習時間も長い。楽しくなくなってしまう」と勝利至上主義が子供たちの成長を妨げ、野球人気低下の原因になっていることを強調した。
会見では、野球チームに入った子供をサポートする親に負荷がかかっている現状にも言及した。メディアとの質疑応答で「お母さんたちは夏休みにずっと練習を観に行かなければいけない。子供たちと指導者のために100人分のお昼ご飯を作らないといけないと聞きました。この現状をご存知か」と女性記者に聞かれた際、筒香はスーパーバイザーを務める堺ビッグボーイズに入部した子供の母親たちから話を聞いたことを明かした上で、「自分の家の近くのチームに見学に行ったら(指導者が)あまりにも怖すぎて入部できなかったという話をお母さんから多々聞いた。練習が長すぎるので遊びにも行けない、勉強する時間もない。親もお茶当番があるのでお母さんがしたいことを何もできないという声もありました。堺ビッグボーイズではお茶当番の強制は全くしません」と語った。
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子供たちも親のサポートがあって野球ができる。だが、両親の共働きが増えた近年は少年野球チームの手伝いができないため、子供の入部を断られるケースがある。野球ができる環境づくりの一環として、筒香が「親の負担を減らすべき」と発言したことを歓迎する母親は多いだろう。都内在住で地元の少年野球チームに通っている子供を持つ武藤晴子さんは共働きで土日も出勤のため、なかなか手伝いに行けないという。
「お茶当番は強制されているわけではないですが、他のお母さんにやってもらうことが多いので正直肩身が狭い部分があります。ただお茶当番の必要性や練習時間が長いことについて疑問に思っても、手伝いに行けていないので意見を言うことに引け目を感じます。筒香選手がああやって発言してくれたことは心強いですね」と感謝を口にした。
現役の選手が少年野球、高校野球の現状と課題に言及した今回の会見は異例だが、球界を代表するスラッガーが野球界、子供たちの未来に危機感を抱いて発言した勇気は称えられるべきだろう。考えなければいけない施策は球数制限やトーナメント制の導入だけではない。子供が野球を楽しみ、親も負担なくサポートできる環境作りも見直す必要があるだろう。(
2/3(日) 13:21配信 AERA dot.
DeNA・筒香嘉智が外国特派員協会で開いた記者会見は大きな反響を呼んだ。外国のメディアを中心に約100人が集まった会見で、筒香が訴えたのは指導者の意識改革だった。「子供はできないのが当たり前なのに、指導者がイライラして暴言をはく。練習時間も長い。楽しくなくなってしまう」と勝利至上主義が子供たちの成長を妨げ、野球人気低下の原因になっていることを強調した。
会見では、野球チームに入った子供をサポートする親に負荷がかかっている現状にも言及した。メディアとの質疑応答で「お母さんたちは夏休みにずっと練習を観に行かなければいけない。子供たちと指導者のために100人分のお昼ご飯を作らないといけないと聞きました。この現状をご存知か」と女性記者に聞かれた際、筒香はスーパーバイザーを務める堺ビッグボーイズに入部した子供の母親たちから話を聞いたことを明かした上で、「自分の家の近くのチームに見学に行ったら(指導者が)あまりにも怖すぎて入部できなかったという話をお母さんから多々聞いた。練習が長すぎるので遊びにも行けない、勉強する時間もない。親もお茶当番があるのでお母さんがしたいことを何もできないという声もありました。堺ビッグボーイズではお茶当番の強制は全くしません」と語った。
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子供たちも親のサポートがあって野球ができる。だが、両親の共働きが増えた近年は少年野球チームの手伝いができないため、子供の入部を断られるケースがある。野球ができる環境づくりの一環として、筒香が「親の負担を減らすべき」と発言したことを歓迎する母親は多いだろう。都内在住で地元の少年野球チームに通っている子供を持つ武藤晴子さんは共働きで土日も出勤のため、なかなか手伝いに行けないという。
「お茶当番は強制されているわけではないですが、他のお母さんにやってもらうことが多いので正直肩身が狭い部分があります。ただお茶当番の必要性や練習時間が長いことについて疑問に思っても、手伝いに行けていないので意見を言うことに引け目を感じます。筒香選手がああやって発言してくれたことは心強いですね」と感謝を口にした。
現役の選手が少年野球、高校野球の現状と課題に言及した今回の会見は異例だが、球界を代表するスラッガーが野球界、子供たちの未来に危機感を抱いて発言した勇気は称えられるべきだろう。考えなければいけない施策は球数制限やトーナメント制の導入だけではない。子供が野球を楽しみ、親も負担なくサポートできる環境作りも見直す必要があるだろう。(