スタッフのつぶやき

CIL東大和のスタッフが徒然なる日常をつぶやきます。時にズバっと斬りこみます!

返ってこい、主体性!

2014-03-25 15:58:55 | インポート
eです。

「サービス等利用計画」

介護保険でいう「ケアプラン」ですが、
障害福祉サービスを使う人は全員、
「何のために、どんなサービスを、どんなふうに使う」
という「計画」を立てなければならなくなりました。

その計画を作れるのは、東京都の研修を受けて資格を取った
「相談支援専門員」

「相談支援専門員」が
「サービス等利用計画」を作るのが、
「計画相談」

うちのセンターでは、私ともう一人が、
相談支援専門員として、「サービス等利用計画」を作っています。

毎月毎月、沢山の障害をお持ちの方や、
そのご家族と出会う機会をいただき、
それぞれの人生を共有させていただいて、
勉強になっています。

それで、とある利用者さんの計画案を作った後、
市に提出することになり、
「お母さんに出しに行ってもらうんじゃなくて、
私も一緒に行きましょうか?」
と言ってみたところ、了解いただけました。

そして、市役所に行く日時を約束して、
その当日。
お天気も良く、15分くらいかけて、
歩いて市役所へ。

市役所のロビーで、
「じゃ、××さん、障害福祉課の窓口に行って、
自分の地区の担当ケースワーカーさんを呼んで、
計画案作ってきました、って、書類を出してくださいね。」
って声をかけたら、
「え・・・!?(O□O)」と硬直。

あらら?私が渡してくれるもんだと思ってた?(笑)
いやいや、それ、あなたの書類ですから。

「大丈夫、大丈夫!
窓口に行けば、ちゃんと対応してくれるから!(笑)」
と励まし、一緒に窓口へ移動し、
窓口にある椅子をどかして、
利用者さんの車いすを窓口にセット。
私は、その一方後ろへ。

すると、来訪者に気付いた市の職員が
「はい、こんにちはー☆」と窓口へ。
利用者さんは、まだカチンコチン(笑)
職員さん、利用者の手にしていた書類の名前を見て、
「あ、××さんですね、ちょっとお待ちくださいね!」
と、地区の担当ケースワーカーを呼んでくれました。

出てきたケースワーカーさん、
「こんにちは。×××地区担当の××ですー。」
と自己紹介。

cw「計画案、出しに来てくれたんですね!
   じゃ、ちょっと内容を確認しますねー。」

利用者さん→緊張でカチンカチン・・・

cw「あ、移動支援の申請書が抜けちゃってるかな・・・?」

利用者さん→何が何だかわからなくて気絶しそう・・・

cw「今、ここで書いてもらえれば大丈夫ですよ(笑)」

私「あ、良かったね、ここで書けるって。
   あ、でも、ハンコが無いかな!?」

利用者さん「持ってる・・・」

アテンダント「今日はお母さんが、ハンコを持たせてくれたんですよ!」

私「良かった!じゃ、今日申請しちゃおう!」

そこで、利用者さん、自分で申請書に名前を書いて、
ハンコをバッグから取り出し、
アテンダントにハンコの向きを教えてもらって、
朱肉を付けて、紙の上で構えて、ぷるぷるぷる・・・。

聞けば、市役所の窓口で、自分で制度の申請をするのも初めて、
さらには、人生初のハンコ押しだという。

それを聞いたcwも、
「え!それはすごい!」と思わず拍手。

無事にすべての書類提出を終え、
利用者の顔には、満足げな笑み。

「やりましたね!(笑)
次、支給決定通知っていう書類が市から届いた後、
また計画を提出に来ないといけないので、
その時も一緒に来ましょうか?」
と聞くと、
元気に「うん!」とうなずいてくれました。

たかが書類提出。

障害者の周囲にいる家族や支援者が、
ちゃちゃっと出しに行っちゃえば、早いし楽かもしれません。

でも、そこをあえて利用者と時間を作り、
市役所まで一緒に行って、
ちょいと後押しして自分で出してもらうということが、
その人にとっては革命的な出来事になると思うのです。

私、高校1年生の時、
初めて一人で大阪まで行ったんですよね。
その時、駅員さんや通行人の方々と、
自分が直接対話をするという体験を通し、
いかにそれまで自分が、自分という存在を蔑ろにしてきたか
実感するとともに、
自分が、その意思を尊重されるべきひとりの人間である、
ということをも実感できて、
とても自信がついたのを覚えています。

今回の利用者さんの笑顔を通して、
「計画できましたので、提出しておいてくださいね」
ではなく、
「一緒に提出に行きましょうか」
と言える機会を、しっかり作っていかなければいけないなぁ、
と感じました。

日々これ成長ですわ・・・。