スタッフのつぶやき

CIL東大和のスタッフが徒然なる日常をつぶやきます。時にズバっと斬りこみます!

もう一歩前へ

2014-01-30 13:56:04 | インポート
eです。

去る1/26(日)、社会福祉士の国家試験を受けてきました。

「突然、なんで社会福祉士を取ろうと思ったの??」

と、よく聞かれます。

確固とした理由はないですが、
私は、今まで、自分が障害者として生きてきた経験に基づく
「野生の勘」で権利擁護や相談支援を行なってきたように思います。

それは、障害者として生きていなければできないことなので、
もちろん、障害者にのみ持つことを許された
有効なスキルだとは思っています。

しかし一方で、自分が経験していないことや、
自分とは違う障害を持っている人にまで、
自分の経験のみに基づく価値観を押し付けてはいないだろうか?
と、不安に思うこともあるのです。

私が行っている支援というのは、
いったい、どこまでジェネラルな方法として通用するのだろう?
私が行っている支援の根拠を、
私はどこまでちゃんと説明できるだろう?

そんな疑問から、次第に、
「自分の支援や活動に、もっとしっかりとした根拠を持ちたい」
と思うようになったのです。

ところが、私は大学の時の専攻が心理学だったので、
社会福祉士の受験資格を持っていなかったのです。

そこで、新たに大学の通信課程に入学し、
2年間、勉強をし直してきました。

図書館の「本取り寄せサービス」フル活用しながら
毎月1000~1200字のレポート2本というペースは、
ほんとにきつかった・・・。

平日仕事して、
土日は6時起きで夕方までみっちりスクーリングもきつかった・・・。

毎晩3時ごろまで勉強する日々もきつかったーーー!

でも、新しく知ることが沢山あったり、
自分が今までやってきたことの根拠を得て安心したり、
充実した2年間でした。

そして迎えた国家試験当日。

去年の合格率は18.8%。
どんなに合格率が高い年でも30%・・・。

1発合格は、難しいんだろうなぁ、と思いつつ、
やるだけやるしかないよね、と気合を入れて臨んだ当日。

終わってみて、自己採点の様子では、
6割が合格のところ、7割は取れた感じなので、
多分合格ラインなんじゃないかと思っています。
(実際は補正・調整が入るので、最後までわかりませんが。)

昨年7月に亡くなった小日向君は、社会福祉士でした。
彼の任務を、自分が引き継いでいかなくちゃ、
という想いもあります。

今までの野生の勘も大切にしつつ、
社会に通じる根拠も大切にしつつ、

「人権と社会正義の原理」を大切にしつつ、

「人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、
 社会の変革を進め」

ていきたいと思います。
(社会福祉士の倫理綱領より)


ドンドン外へ飛び出そう!

2014-01-17 16:36:16 | インポート
先日EBさんの同行で 都初任者研修に行ってきました。
私自身も大変勉強になるので 同行するのが楽しみなのです。

道中、EBさんとの会話で 数年前にEBさんが横田基地のお祭りに行った際のこと
展示してある飛行機に乗り込み可能で見に行ったそうです。
しかし、スロープが入口にしか付いておらず、これでは乗れないと思い 基地の軍人さんに「乗りたい」 と交渉したんだそうです。
すると、何やら基地の軍人さん6人位で集まり 話し合いが始まったのち OKサインが出て 
軍人さんが飛行機見学中一緒に回り 段差なども上げ下ろししてくれ、無事見学できたそうです。
きっと、今までに交渉してまで乗ろうとした人などおらずに来たのだろうな~ と思うと同時に
次に車椅子の人が「乗りたい」 と言ってきたときには きっと軍人さんの話し合いも無く 乗り込むことができるのだろうな~  と考えてみたりしたのです。

初任者研修の中で EBさんは こんな事例をあげておられました。
バスに乗り込む際のことです。
 昔、バスに乗るときには スロープなかったため バスの運転手や周りの人が乗り降りを手伝ってくれていたそうですが、バスにスロープが付き始めると、付いてないバスは「次のバスにスロープがついているので、次のバスをご利用ください」と言って通過してしまったそうです。
今でこそ、どのバスも止まってくれるようになりましたが、定着するまではいろいろ問題も多いのだな~と感じました。


こんな事例を聞きながら、EBさんのFecebookには
「今年も川崎大師にお参りに行ってきました。」の投稿
昨年 厄年のEBさんは(今年本厄?) 、お祓いに川崎大師に行き、ご本尊に参拝した際
経路は段差で、車椅子の人はご本尊の近くまでいけなかったのですが、
 いそいそと帰るはずもなく(笑う)、何やらお坊さんに交渉している様子
そのお坊さんもにこやかに OKしながら 結局 廻り終るまでいろいろ案内&同行してくださり、
 「今度、もし車でいらっしゃるようでしたら 駐車場空けておきますよ」 とまで言ってくれたのです。
わーい いい人今度も是非お願いしますと 一緒にいただけの私まで爽快気分にしてもらえ
あの場面でEBさんが お坊さんに聞いてみなかったら、こんな場面展開は無かったのだな~
「聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥」とはよく言ったもの と実感しました。

今年も初詣にEBさん方は川崎大師に行って来られたそうですが・・・
なんと昨年無かったはずのスロープが、今年は取り付けてあり ご本尊までスムースに行かれたそうです。 
 おそらく昨年EBさんの声掛けした時のお坊さんが、お寺のバリアフリー化の口添えしてくれたに違いない
と感じたそうですが、もちろん、私もあの時のあれが...と ピピピ ときました。

ひらめき 気付き 声掛け 伝え そしてあきらめず行動におこしてみることで 
これはダメだ~と思えることも 次の時には 今より より良く より便利に変わりうるのだな~ と実感 そして、感動
でした。

さて、いつもEBさんの姿をみて、感じることを一杯与えていただいている私
でも、同じ場面に遭遇していても 気付きも行動にも繋げられていない私
まだまだ、問題意識や改善意識が 無いに等しいな~
と思うとき、私自身が意識改革し 視野を広げ アンテナを張っているつもりで生活して行こう
そのためにも どんどん外に出て いろいろなものを見聞きして行こう~ と思いました。

y.y

 


新春のご挨拶

2014-01-06 15:25:37 | インポート
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

大きな障害者制度改革も、昨年でひと段落つきました。

2006年

国連で「障害者権利条約」が採択され、
日本も国際的な流れに乗ろうとその条約を批准するために、
国内法の大整備をすることになりました。

2011年

障害者基本法の改正。
→「障害は社会が作り出すものである」という
革命的な定義の見直しが行われました。

2012年

障害者自立支援法が障害者総合支援法となり、
障害者手帳を取得できない難病の人たちもサービスを使えるようになったり、
ひとりひとりのサービス利用者に、
相談支援専門員がつくという支援体制が整備され始めています。

また、児童・高齢者に続き、
障害者の虐待防止法も施行され、行政・警察等が介入できるようにもなっています。

2013年

障害者差別解消法が成立し、
障害者が生活・活動しやすいよう「環境を整える配慮をしない」ことも
「差別である」と定義されました。

これらの法整備を受け、
日本は、念願の「障害者権利条約を批准」するに至ったわけです。

着々と法整備が進み、
今後障害者の地域生活がどうなるかは、
障害者自身にかかってくると言えるでしょう。

法律というのはたかが法律。
紙の上の文字列であり、
地域で障害者が差別を受けていても、
必要なサービスが提供されなくても、
自ら飛び出してきて助けてくれるわけではありません。

わざわざ小難しい漢字を羅列させ、
法律を読む気を削がせ、
理解を混乱させ、
「いろいろめんどくさいから、ちょっとくらいの差別は我慢するか・・・」
という気にさせます。

しかし、されど法律。
私たち障害者の人権は、そこで新たに保障され、
私たち障害者の地域生活推進のためには社会環境を変革していくべきであり、
社会は、障害のある人と障害のない人との共生を目指す、と
しっかり明記されているのです。

これを、生かすも殺すも、障害者自身が主体性をどこまで持ち続けるかによって
大きく変わってくるでしょう。

法律は、私たちの地域生活を守ってくれるわけではありません。
法律は、私たちが声を上げ、行動する権利を守ってくれるのです。

せっかく作り上げた法律を、どんどん利用しましょう。
小難しい文面を極限までわかりやすく伝えていけるよう、
発信し続けたいと思っております。

さらなる共生社会の実現を目指して、
本年も、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

NPO法人 自立生活センター・東大和
代表 海老原 宏美