ハイジ症候群。
小さいころから保護者がくるくる変わり、時には大人から虐待を受ける。
そんな中で、年不相応の幼稚さで自分を守る。
そう、
「私は無害な幼い子。私をいじめないで。」
彼や彼女の無邪気さの裏には、そんな悲痛な心の叫びがある。
ハイジは決して天真爛漫な子ではない。
天真爛漫な子を演じているのだ。
そう、汚い大人の論理から自分を防衛し、守るために、無邪気な子供の姿を演じる。
そしてその中で、人のいい仮の父親や仮の母親の保護を受けるために。
人のいい仮の父や仮の母親のふりをして、彼や彼女たちを性的に搾取する、たちの悪い大人たちもいる。
そんな子供たちや大人たちは、昼間の世界の論理に排除された子供たちの集まるところに行けばごろごろしている。
本当に腐るほどいる。
おかしい。
お日様のぬくもりは、万人に対して平等なはずなのに。
偽りの太陽である月に騙されて、こうした大人たちをはびこらせ、子供たちの心をさらに病ませる。
悲しい話だ。