前記事登場のお調子者で
仕事ノロノロな青年を交えて、
数人で倉庫にて荷分け作業。
ペラペラ喋りながら、
自分のペースで自由にノロノロと
作業をする彼に声をかけた。
てか、注意した。
口を動かすな、手を動かせ、
もっとスピードを上げよう、と。
お調子者の青年がその言葉に乗った。
全くよせばいいのに、
もっともらしく言った。笑顔で。
「これが俺のペースっす!」
私の怒りの血潮が沸騰した。
血流の動きが倍速になったような
感覚を覚えた。眉毛が吊り上がった。
怒鳴ろうとしたそれより先に、
彼より年下のスタッフが叫んだ。
「⚪︎⚪︎さん、マジで迷惑です!
俺と時給一緒なんだから、
同じように働いて下さい!」
24歳が20歳に怒られた。
ど正論で怒られた。
20歳はさらに続ける。
「女性が多い職場なんです。
俺たち男が重い荷物を沢山さばかないと
駄目じゃないですか!」
20歳青年の素敵な紳士魂に、
その場に居た私を含めたおばちゃんたちは
胸が熱くなった。そういえば、
彼の荷分けスピードはすこぶる速い。
なんなら重い分野を率先してくれる。
彼はそんな配慮をしてくれているのか?
いや、普段からの彼の仕事ぶりを見るに
恐らくそれはその通りなのであろう。
嗚呼、彼の両親の顔がみたい。
息子さんは素敵な大人に成長しています。
しかし、
「⚪︎⚪︎君、そんなに怒らないでー」
クネクネと踊りながら、
青年はのたまう。駄目だ、こりゃ。
スピードも変わらない。
ねぇ。
青年に声をかけた。
これが、俺のペースっていったじゃん。
それは成長のペースが遅いですってこと?
それともずっとこのペースってこと?
えーと。多分、多分っすけどー
ずっとペースですかねー。
どうやら彼は察するという機能が
頻繁に働かなくなるようだ。
分かった。君のスケジュールを
変えさせてもらうわ。
私は他のスタッフが渋がる
仕事内容を挙げてみせた。
トイレ掃除の交代。フロア全体の
モップがけ。etc.
えーーー!!嫌ですよぉぉ〜。
お調子者の青年が声を上げた。
君の荷分け作業を交代してもらうんだよ。
君が出来ない作業を他の人にやってもらう。
代わりに君はその作業をするべきなんだ。
えーー!!酷いよぉォ。
そう?
嫌なら、もうこの仕事辞めなよ。
仕事、なめんな。
その後、私はインカムで
交代の要請をした。
何故かどっと疲れが押し寄せた。
そうして不機嫌になった。
と、ここまで書いてみて。
なんとなく
自分が自分で嫌になってきたので
終了したいと思います。
なんというか、ね。
私だって昔はそんなに真面目ではなくて
どちらかといえば
仕事、なめくさっていたのに
今は偉そうにこうやって喝いれたりして
なにしてんだか、というかね。
鏡みてみろよ、お前そんなに
立派な大人じゃないだろ、というかね。
急に興醒めしたんですよね。
はあ、なんだか疲れた。
お前はそんな立派なやつじゃない。