うみにおふねをうかばせて

四十路 田舎嫁 あれやこれや。

行くぜ、フライトゥーザ・ムーン その3

2021-02-10 01:58:00 | 日記
薄っぺらいお月様だったので
月光浴効果は
それほどなかったかもしれません。
月の光を浴びて、
ゾクゾクする感覚を味わいたかったです。

旦那さんに、満月とかの
月光を浴びた時にゾクゾクしない?
と聞くと、そんなの感じないと言います。
私は、男の人はそんなもんなのかなと
思いましたし、旦那さんはもしかして
やっぱ女ってやつは分からん生き物だな
とか思ったかもしれません。知らんけど。

うみさんって、やっぱ変だね。

と言うあたりはどうやら、
女という生き物よりも、
ウチの奥さんって変なヤツだなとは
思ったようなので、この件については、
今度周りの女性に統計をとってみるわ。
と提案すると、是非そうしてくれるかな
と返されました。失礼しちゃうな。

ところで。今回の夜釣りには
ホットコーヒーと温かいほうじ茶と
小腹が空いた時用にと
おにぎりをこしらえました。
旦那さんは素直に喜んでいましたので
次回があれば、それらが加点となり、
すんなり連れていってくれることでしょう
あざとい嫁なんでございます。

というわけで、
今度は満月あたりに来たいと
私がお願いをしているあたりで
旦那さんの釣り竿にあたりがきました。

ギュンギュンとしなる竿。

あまりのしなりっぷりに、
いやいや竿、折れるんじゃないの?
と私が慌てても、
こんなしなりでは折れないよ、
それにこのイカは2キロオーバーじゃない。
と旦那さんは言うのです。

すげえー、最近の竿ってばすげー
感触だけでサイズが分かるのすげー

と、すげーすげーと連呼していましたら
五月蠅いから黙って。と制されました。
旦那さんはフィッシングファイトを
存分に楽しみたいようです。

程なくして、旦那さんの言う通り
中サイズのイカが釣り上がりました。
なので、私は旦那さんに言いました。
すっかり
テンションが上がった私は言いました。


私もやりたい。


旦那さんはニヤリとして、
竿を一本貸してくれました。

釣果報告。
旦那さん→2匹(手頃なサイズ感)
私→0匹(2度ほどイカの感触を味わった程度。
旦那さん曰くタイミングが完璧に遅い)






行くぜ フライトゥーザ・ムーン その2

2021-02-08 23:20:00 | 日記

レジにさ。
ゴーグルして、マスクして
フルフェイスシールドした
完全装備のお客さんが来たの。
五十過ぎくらいのおじさんかな。

そんで、
商品に触らないで!って先ず言うわけ。
もう私の、いらっしゃいませの言葉に
被り気味で制すわけ。

そんで、
商品のバーコード部分を指して、
触らないでスキャンして、ていうから、
(かざしながらスキャンするタイプ)
その勢いにちょっとムカッてしながらも
まあ今のご時世じゃ
そうなる人も居るよなあって、
かしこまりましたってスキャンしたのね。

そんで、
あ、もしかして手が触れる
可能性があるのも嫌なのかもって
思って、それじゃあ、
お釣りはレジ皿に置きますねぇ
って笑顔付きで置いたわけよ。
どうよ、気が利く対応っしょ?

でも、そしたら、
おじさんはちょっと悲しげな顔したわけよ。
だから、あ、これは正解じゃないの?って
私、少し動揺したのね。

そんで、
動揺しながら
財布にお金をしまうおじさんを
見守っていたんだけどさ。それで気づいたの。
そのおじさん、手袋もしてたの。


完全防備だな。

そう言うと、
旦那さんは竿を背後にそらして
ヒュッン!と小気味良い音を出しながら、
釣り糸を海に投げ入れた。

うん。手袋をしてたの。

うん。完璧、だな。

旦那さんはそれから、
ヒュンヒュンと竿を上下させて
イカを誘うモーションを始めた。

うん。でもね、
それは布製だったの。

私はその音を聞きながら、
真実を告げた。

え?

ヒュンヒュンとさせながら、
旦那さんが私の方に顔を向けたのが
暗闇でもわかった。

うん。布製だった。
バスガイドさんがするような、
式典のテープカットに使うような、
そんなタイプの。

それは。残念、だな。

旦那さんはそこでリールを少し巻いた。

そうなんだ。少し残念だった。
ビニール製の手袋はまだ品薄気味だからね。
完全装備、の一歩手前だった。
その、おじさん。

私はホットコーヒーを飲んで、
喉を潤して、本題に入った。

でも、ここで問題なのが、
何故おじさんは悲しげな顔をしたかってこと。

もしかして本当は
悲しくなかったかもしれないけど
でもそれでも対応として
何が正解だったのかということ。

今考えれば、先に
お釣りはレジ皿に置きますか?
と聞いた方がよかったかもしれない。

そうかもしれない。

旦那さんはそう答えると、
ヒュンヒュンのモーションをやめて
回収作業に入った。

うん。そうなんだと思う。

私は暗闇で頷いた。
期待していた月は薄っぺらかったけど
けどその分、星はよく見えて、
まあまあ満足な気分でもあった。

ところで。

旦那さんは立ち上がって、
少し場所を移動しながら
話題を変えた。


うみさん、
釣り竿はもう一本あるけど?


うん。イカには興味ないです。


私は移動し始めた旦那さんの
後を追いながら、
外してたイヤホンを耳にねじ込んだ。









行くぜ、フライトゥーザ・ムーン

2021-02-04 13:49:00 | 日記

うみさんはすぐ飽きちゃうと思うよ。

YES。
私のことをさん付けで呼ぶときの
旦那さんの機嫌は良いほうで、
尚且つ受け入れ体制の状態だって
事を私は知っている。

だからさらに念押ししたよね。
あくまで可愛らしく。朗らかに。

だってさ。
うずいちゃったんだもんね。
え、なにそれ素敵じゃん。って、
心のセンサーが働いちゃったもんね。

夜釣りから帰ってきた旦那さんが、
(ところでその日は釣果ゼロ)

今夜は月がとっても綺麗だった。
流れ星もいっぱい見かけたし。
知ってる?
流れ星って色々種類があるんだよ。

とか、言い出したから、
え、なにそれ知らないって。
是非私も体験してみたいって
目が輝きだしちゃって止まらない。

あ、うみさん。
自分も行きたいって思ってる?もしかして。

はい。釣りには興味ないですが
夜空にとても興味あります。
とっても、とっても興味あります。

イカを釣るのは難しいんだよ。
なかなか釣れないと思うよ。

イカには興味はありません。
夜空に興味があります。
月光浴がしたいです。女として。

女として?

女性は月に支配されているものなのです。

支配?笑

デトックスとリラックスと美肌に
効果があります。いつも朗らかな
奥さんでいて欲しいと思いませんか?

それは是非、思いますね。

だったら連れて行くべきです。

ビギナーズラックで
イカも釣れるかもしれないし、ね。

いぇ、イカには残念ながら
全く1ミリの興味もありません。

笑笑。わかりました。



交渉成立。

let's fry to the moon

夜空の下で聴く、
プレイリストを作成しなきゃ。



レジ子さんのぼやき

2021-02-02 13:47:00 | 日記
レジに並んだ幼な子が
必死に商品を握りしめて離さない時、
親御さんが、

ほら、レジのお姉さんにピッてして
もらいましょうねー

と促したときの、
私の心の中の微妙な気持ち。


言われた幼な子が、
私を睨みつけながら値踏みしている
ときのあの瞬間が、


嫌い、さ。

嫌いなのさ。



あゝ、君はきっと。


この人、お姉さんなのか?
この人、おばさんじゃないのか?
てか、このお菓子を取られちゃうかも。

なんて、
疑心暗鬼にそう思っているのだろうね。
分かる。分かるよ。その眼差しで。

だから、
私はおどけてみせるしかないのさ。

大丈夫だよーピッとするだけだからねぇ、
(ハンドスキャナーをひらひらさせる)

ピッ!

ホラ、終わったぁ!

(ハンドスキャナーを伸ばして、
身を乗り出すようにして、
商品を取り上げることなく
バーコードを読みとってやる)

そんなサービスを
本日も何度も提供しましたわ。

ま。いいんだけど。