うみにおふねをうかばせて

四十路 田舎嫁 あれやこれや。

前夜祭。

2021-07-22 21:37:00 | 日記
お水は2ℓ×8本買った。
チューハイやジュースも忘れずに買った。
袋麺も5個×2セット買った。
カレールー5個セットも買った。
お菓子もしこたま買い込んだし、
先日の収集日に可燃ゴミはしこたまだした。
停電対策で洗濯ものは溜めないようにして、
玄関のポストには防水テープを貼ったし、
網戸と物干し竿も早々に部屋の中に避難。

他にもあるありとあらゆる
台風対策をしてよっしゃばっちこい
と構えてんのに。

一向に台風が接近しないの。

接近しますよーって言うからさ、
こちらはお迎えの準備整えて待ってるにさ。
日がな一日、
ちょっと離れたところで道草くってんの。
そっから時折り、
ちょっと強い風と雨を繰り出してくんの。
準備いいですかー。大丈夫ですかーって
お伺いばっかりよこしてくんの。


はよ来いよ。

もはや全島民、思ってるよね。

来るならはよ来いよ。
そうして早くすぎ去れよ。って。
全島民祈ってっからさ。
重い腰あげてくれよ、頼むからさ。

私ら夫婦はというと。
もういいや、って。
我慢出来ねえや、って。

枝豆を煮て、
私はチューハイと旦那さんはビールを
プシュと開けました。

台風2日目。
前夜祭としては長過ぎ。
本番未知数。

本日のオープンは。

2021-07-22 16:32:00 | 日記
朝からね。
スマホからピコピコと煩い。
職場のグループLINE。

先ずは台風時のマニュアル通りに、
スタッフの無事です返信。

停電してません。家族一同無事です。

私も大丈夫です。

暇を持て余した
子供たちが騒いでいますが無事です。

家の向い側、停電していますが、
俺のアパートはまだ無事です。

無事です。

などなど各々オリジナルティー溢れる
文面が画面を踊る。全スタッフ分。

ひとしきりピコピコ無事です返信のあと
店長からの爆弾が投下された。

出勤できるスタッフの統計をとって
オープンの判断基準にしたいと思います。
出勤出来る方いますか?
(注/くれぐれも無理はしないでください)

とたんに。

あれ程騒いでいたピコピコが途切れた。


あゝ悩んでいますね。
分かります。分かりますよ。
と本日偶然にも休日シフトであった私は
半ば観客気分で、鳴らないスマホを
見つめていた。

そして多分、五分経った。

この無言がある意味、
皆の答えであるような気がしないでもない。
或いは皆、空気を読んでいるのだろう。
私は朝スタッフの顔を思い出しながら
この中で誰が出勤出来ますと
返事をするのか想像していた。

いや、台風の度毎回思うのだが、
このスタッフに委ねるシステム、
辞めにしてくれないかと思う。
(改善点で毎年挙がるほどスタッフは
嫌がってるのに。。本部は鬼だね)


僕はバイクで出勤ですので
休みをお願いしたいです。

先ずは青年が口火を切った。
うんうん。そうだね。
君、お家遠いしね。

私は布団でゴロゴロしながら
朝飯のことを考えていた。

子供が心配ですので、
私もお休みを頂きたいです。

お布団を畳み終えたころ
またピロリンと返事がきた。

あれ、マダムの子供ってもう高3じゃね?
心配って。過保護だねぇ。
やや冷やかな感想を持ったのは
私が普段マダムの中途半端な仕事ぶりが
好きではないことが起因していると思われる。

ご飯と味噌汁とベーコン焼きと
スクランブルエッグを食卓に
並び終えても尚、スタッフの統計は
続いていた。


お店って開店するの?

モグモグしながら旦那さんが問う。

まだ、分かんない。

スマホ画面を見やりながら私が返事する。

うみさんは休み?

うん。休み。

良かったね。


外は轟々と風が荒ぶる。
さてさて、朝ごはんの後は
停電する前に洗濯機を回しますかね。
部屋干しになるけど仕方ないね。

結局、閉店と決まったのは
オープン予定時間30分前でした。




真夜中の駐車場

2021-07-21 09:54:00 | 日記
台風が近づいてくるよ。
お店は大繁盛だよ。

台風シーズンははまだ先だと
想定していなかったものだから、
倉庫内の水やカップ麺在庫は空っぽ。
(これでも離島あるあるで備蓄は多い方なのに)

怒涛の勤務が終了。

閉店シャッターを下ろした後、
私を含めたタバコ吸い達は脱力感満載
誰も居なくなった駐車場で一服タイム。

風、少し出てきましたね。
マルボロメンソール男が呟く。

なんかカレーが食べたい。
iQOS女子が食に癒しを求める。

今日ね、売り上げが年末並みだったよ。
カバンからライターを探しながら
副店長が報告する。


皆の発言はキャチボールというよりか
壁打ちをしてる状態。
私はもはやダンマリでタバコを吸う。

さて、と。

ヤンキー座りでのタバコ吸いが
妙にハマっていた副店長が立ち上がる。
店舗を一周見廻りをして、
台風で飛んでしまうものが残ってないか
の点検に向かうのだ。

それに皆、ノロノロと続く。
別に皆で行かなくてはいけないという
決まりはないのだがなんとなく。

ノロノロと歩きながら会話も続いていく。
ここでようやく、独り言から会話になった。

てかさ。

なんで蝉が鳴いてんの?

そうなんだよね。夜中なのに。

うん。1匹だけ鳴いてるよね。

実は皆、
さっきからその事が気になっていたようだ。
夏に蝉が鳴くのは当たり前だけど、
今は真夜中過ぎだ。静寂が常のこの時間に
似つかわしくない。違和感。異質感。

あれかな、
蝉も敏感に台風を感じてるのかな。

ヤバいよーヤバいよーって。
早くメス探さなきゃーって。

嘆いてるのかもしれない。
俺まだ地上に出てきたばっかりだよー 
信じられなーい。信じられなーいって。

どんだけー、どんだけー。って。

おー、IKKO蝉だね笑笑。

皆、好き勝手に言いながら、
見えるわけじゃないんだけど
なんとなく蝉がいるであろう方向に
目をやりながら話だす。

蝉が夜も鳴いてしまうときは
照明とかで夜も明るいとか、
熱帯夜のときにあるみたいだよ。

以前、不思議に思って調べたことがある
私はそう教えてあげようかと思ったけど
何となくそのままやり過ごした。
今夜はそのままでいいと思った。