○最近の政治情勢って、おかしいですよ、ね。
どうおかしいのか?ということですが、どうにもこうにも右傾化が激しくて、そのことが民主主義という衣をかぶって闊歩しているという感じですか。今回の選挙で民主党は大敗するでしょうが、自民党は自党優位ということで、お坊ちゃんの安倍晋三が、おかしなことを言い出す。僕は、小泉政権下の竹中平蔵の経済政策を批判的に見ていたけれど、この人、維新の会の経済顧問?だったかな、とりあえずは、維新の会にいるわけで、経済政策上は自民党、維新の会、石原慎太郎とその取り巻き連中、公明党は政権党に入りたいんだから、こういうグループの連合体で、結局政治は大きく右に軸がブレることになる可能性大ですね。民主党だって保守主義という名の右寄り政党でした。そもそも保守二大政党制なんて、それこそアメリカのモノマネで、市民の選ぶ権利を著しく奪うものでした。
11月22日の朝日新聞のオピニオン欄に、行動右翼の鈴木邦男さんのインタビューが掲載されていて、それを読んで納得されられることが多かったのです。彼はいま、自ら立ち上げた右翼団体の「一水会」の顧問だそうで、予備校でも教えているのだそうです。どこの予備校で何を教えているんだろうね。少し興味はあるのですが、まあ、そんなことはどうでもいい。この人の意見を読んでいると、あれー?という観想を抱くわけです。かつては、左翼か、中道に属する人たちが主張していたことに限りなく近いわけで、それなら、鈴木さんが転向したのか、というとそんなことはない。この鈴木さんが、いまの政治家たちの政治姿勢が雪崩を打ったように右に軸がブレているということを指摘するのを読むにつけ、なるほど、とうなったわけです。
鈴木さん曰く、「全共闘の連中は「俺には愛国心なんかない、そんなのを持つから排外主義に陥って戦争になるんだ」とはっきり言っていました。その時は冗談じゃあないと怒りましたが、今思えば、少しは当たっている面もある。・・・でも今は、左翼の人も「自分も愛国者ですけど」なんて前置きしてから話を始める。左翼は大きな理想を語り続けるべきで、現実に迎合したらおしまいです。その結果、世の中がどんどん右寄りになって・・・・」となるわけです。これは、リオタールの大きな世界像の理念と合致しますから、鈴木さんの懐の大きさが分かりますね。石原慎太郎や橋下徹のことのことも的確に捉えています。石原慎太郎については、現在のように政治的情勢の軸が右に傾いていて、彼が多数派の親分になることに違和感を感じていると。石原の「強さ」は少数派に身を置いてこそ光るとも。橋本に関しては、間接的に、僕が大阪府の教員だったら、処分されているかも知れないという語り口でしたね。
僕が、鈴木さんのインタビューで最も大切だと感じたことは、次の二点です。彼の意見をそのまま抜き出してみます。「(いまの政治家たちは)憲法に責任を転嫁して、山積している現実の課題をなかなか片付けられないことに国民の目がいかないようにしている感じがします。これでは、尖閣や竹島の問題を、国内政治に対する不満のはけ口にした中国や韓国を笑えませんよね」という意見。それと、「(いまの状況下で憲法を変えてしまうと)憲法は本来、政治家を縛るためのものなのに、政治家が国民を縛る憲法になってしまう危険もある。自由のない自主憲法よりは、自由のある占領憲法の方がまだいいし、アメリカから押し付けられた憲法を変えようと頑張った結果、よりアメリカに従属するなんて笑えない冗談です。」ということですね。
僕は無政府主義者で、無神論者ですけど、鈴木邦男さんの言うことはよくわかります。また、鈴木さんは、現在の政治情勢や、国民の意識そのものが、右傾化した政党をあたかも斬新で、進歩的であるかのように錯誤していることを鋭く指摘しています。昔、大型バスを改造した黒塗りの宣伝カーに単純で陳腐なスローガンが書かれていましたが、いまの政治の土壌や政治家たちの主張も底では、この種の単純化されたスローガンばかり言っているように感じます。もう、そろそろ騙されている、という認識を僕たちが持たないとね。やっていけませんよ。
京都カウンセリングルーム
文学ノートぼくはかつてここにいた
長野安晃
どうおかしいのか?ということですが、どうにもこうにも右傾化が激しくて、そのことが民主主義という衣をかぶって闊歩しているという感じですか。今回の選挙で民主党は大敗するでしょうが、自民党は自党優位ということで、お坊ちゃんの安倍晋三が、おかしなことを言い出す。僕は、小泉政権下の竹中平蔵の経済政策を批判的に見ていたけれど、この人、維新の会の経済顧問?だったかな、とりあえずは、維新の会にいるわけで、経済政策上は自民党、維新の会、石原慎太郎とその取り巻き連中、公明党は政権党に入りたいんだから、こういうグループの連合体で、結局政治は大きく右に軸がブレることになる可能性大ですね。民主党だって保守主義という名の右寄り政党でした。そもそも保守二大政党制なんて、それこそアメリカのモノマネで、市民の選ぶ権利を著しく奪うものでした。
11月22日の朝日新聞のオピニオン欄に、行動右翼の鈴木邦男さんのインタビューが掲載されていて、それを読んで納得されられることが多かったのです。彼はいま、自ら立ち上げた右翼団体の「一水会」の顧問だそうで、予備校でも教えているのだそうです。どこの予備校で何を教えているんだろうね。少し興味はあるのですが、まあ、そんなことはどうでもいい。この人の意見を読んでいると、あれー?という観想を抱くわけです。かつては、左翼か、中道に属する人たちが主張していたことに限りなく近いわけで、それなら、鈴木さんが転向したのか、というとそんなことはない。この鈴木さんが、いまの政治家たちの政治姿勢が雪崩を打ったように右に軸がブレているということを指摘するのを読むにつけ、なるほど、とうなったわけです。
鈴木さん曰く、「全共闘の連中は「俺には愛国心なんかない、そんなのを持つから排外主義に陥って戦争になるんだ」とはっきり言っていました。その時は冗談じゃあないと怒りましたが、今思えば、少しは当たっている面もある。・・・でも今は、左翼の人も「自分も愛国者ですけど」なんて前置きしてから話を始める。左翼は大きな理想を語り続けるべきで、現実に迎合したらおしまいです。その結果、世の中がどんどん右寄りになって・・・・」となるわけです。これは、リオタールの大きな世界像の理念と合致しますから、鈴木さんの懐の大きさが分かりますね。石原慎太郎や橋下徹のことのことも的確に捉えています。石原慎太郎については、現在のように政治的情勢の軸が右に傾いていて、彼が多数派の親分になることに違和感を感じていると。石原の「強さ」は少数派に身を置いてこそ光るとも。橋本に関しては、間接的に、僕が大阪府の教員だったら、処分されているかも知れないという語り口でしたね。
僕が、鈴木さんのインタビューで最も大切だと感じたことは、次の二点です。彼の意見をそのまま抜き出してみます。「(いまの政治家たちは)憲法に責任を転嫁して、山積している現実の課題をなかなか片付けられないことに国民の目がいかないようにしている感じがします。これでは、尖閣や竹島の問題を、国内政治に対する不満のはけ口にした中国や韓国を笑えませんよね」という意見。それと、「(いまの状況下で憲法を変えてしまうと)憲法は本来、政治家を縛るためのものなのに、政治家が国民を縛る憲法になってしまう危険もある。自由のない自主憲法よりは、自由のある占領憲法の方がまだいいし、アメリカから押し付けられた憲法を変えようと頑張った結果、よりアメリカに従属するなんて笑えない冗談です。」ということですね。
僕は無政府主義者で、無神論者ですけど、鈴木邦男さんの言うことはよくわかります。また、鈴木さんは、現在の政治情勢や、国民の意識そのものが、右傾化した政党をあたかも斬新で、進歩的であるかのように錯誤していることを鋭く指摘しています。昔、大型バスを改造した黒塗りの宣伝カーに単純で陳腐なスローガンが書かれていましたが、いまの政治の土壌や政治家たちの主張も底では、この種の単純化されたスローガンばかり言っているように感じます。もう、そろそろ騙されている、という認識を僕たちが持たないとね。やっていけませんよ。
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長野安晃