世界政治においては、数えきれないほどの劇的な政治的指導者たちの暗殺劇がまかり通ってきたのを誰も否定はすることなど出来ないだろう。しかし、どのように評価を差っ引いても、まともな政治がなされていないと思われる北朝鮮の指導者であるキム・ジョンイルがあれほどの無能ぶりを世界に知られつつも無事でいられるのは、どうしてなのだろう、と考えたことのない人を探す方が困難なのではなかろうか?歴史的事実として、政治の渦の中で、暗殺という手段によって、政治家としての唐突なる生の中断を強いられた政治的指導力に恵まれた傑出した才能たち。政治的指導者としての力量に恵まれたからこそ起こる悲劇が、キム・ジョンイルには起こり得ないのである。なぜならキム・ジョンイルが国家の指導者としては、たぶん戦前・戦中を通して最悪の力量しか持ち合わせていないのにも関わらず、北朝鮮にもいるであろう優れた政治手腕の持ち主たちが台頭して来れないのは、それなりの理由と根拠があるからに他ならない。
キム・ジョンイルの父親の、キム・イルソンは、現在マスコミの大きな問題になっている拉致というスパイ工作員養成という無慈悲な政策のために、いまや大いに政治家・革命家としての評判を落としている。拉致被害者のみなさんに同情するのにやぶさかではないが、政治という酷薄さは、世界の非戦闘員たる市民にはいつなんどき、どのような形で予期せぬ不幸が襲いかかって来るかも知れない。人間が生きるために政治があり、経済があるとしても、それらに本質的に内在している要素とは、国家という大きな器を維持発展させるためのものであり、個としての人間の生きる意味などは、常に犠牲になるべき存在であるに過ぎない。キム・イルソンの第二次大戦を通じて、筋金入りの革命家として生き抜いた政治的指導力と比べると、息子のキム・ジョンイルは、中国・ロシアの実質的属国として生き延びているに過ぎないのである。中国やロシアが直接試行することの出来ない政治的実践と実験を、国民を自国の政治・経済で支えられない北朝鮮を生かしもせず、殺しもしない援助の仕方によって、自国がやれば、世界中の非難を浴びそうな負の代理実験場の場としての役割を担わせているのではなかろうか。スジ者の世界で言えば、チンピラにしかやらせない鉄砲玉の役割をさせるように創られた国として、多すぎず、少なすぎずの小遣いを与え、エセものの国家として生かせているのである。それに比べて、韓国の政治のあり方を、戦後を通じて眺望してみれば明らかではないか。無敵に見えた何人もの大統領たちが、急転直下、死刑囚にもなり、信頼していたはずの部下に暗殺されるということがどれだけ起こったことだろう。日本で当時の韓国の大統領の命令によって拉致され、殺されかけた金大中氏は光州事件の首謀者として、死刑囚にさえなった。その後釈放され、何度目かの大統領選で、大勝利を果たし韓国の大統領になった。思えば能力も人知を超えたものを持った人だが、悲運に晒されながらもなすべきことをやり遂げた。ノーベル平和賞まで受賞した。これが筋金の入った政治家の生きざまというのではなのではなかろうか。
さて、北朝鮮のキム・ジョンイルは何をなし得たか?強大な軍隊(それも多分にハリボテの軍備しか持ち合わせぬと思われる)に、間尺に合わない国家財政を投入し、国家財政は、中国やロシアとは異なる意味で、孤立させれば何をやらかすか分からないという意味で、先進諸国から小遣い銭をせびってまかなわれている。言うまでもなく、国民生活はすでに破綻している。革命国家が、独裁国家になり下がった。キム・ジョンイルほど、軍部のエリートたちにとってくみしやすい指導者はいないのではなかろうか。だからこそ、あの国にはクーデターは起きないのである。権力のうま味を知った人間たちが醜悪な姿で利権を貪り食う。女好きで有名な独裁者?には、美形の女性を飽きるほどに与え、彼が映画ファンなら、俳優まで拉致してきて、映画を創る。キム・ジョンイルは切ないほどに、センスのない衣装を身にまとい、海外のブランド物に見える大き過ぎるサングラスをかけ、薄い頭髪を隠すように、まるで日本で言えば何十年も前に流行ったパーマネントを町の散髪屋で、当時の意気った青年たちがかけたように古めかしくかけて、殆ど見た目はキャベツ状態である。別にアメリカファンでもないが、オバマ大統領のスマートで行動力のありそうなイメージは微塵も感じることができない。何より、むさ苦しいキム・ジョンイルお気に入りのドブネズミ色のジャージのごとき服装からはみ出した太鼓腹。国民が食えないのに、贅沢なものを食い荒しているのが手にとるように分かる。
彼らの国家の収入源は、麻薬の精製であったり、偽ブランドの生産であったり、たぶん核実験においても中国やロシアでは世界の批判のもとで、やれないことを敢えて北朝鮮にやらせる。テポドンがまともに大陸間を横断出来るとは誰も思っていないだろう。北朝鮮のやらされていることは、中国やロシアが実験したい、いわば前実験である。それは失敗を前提にして組み立てられたプロジェクトであろう。すべての先進国諸国のブレインは事の意味を理解しているが、敢えてやらせているのである。そして本当にけん制したい国である中国、ロシアの動きを北朝鮮の核実験の失敗から逆に見とおそうとしているのではなかろうか。いずれの国の権力者の意図などどうでもよろしいが、それよりも、北朝鮮では食えない大半の市民をどうするのか、真剣に考える時期に来ていると思われる。北朝鮮のネポティズム(世襲制)をとりあえずは崩さねば、全ての試みは始まらないのではないか?世界の不思議、北朝鮮を存続させておく意味など、この21世紀のどこにあるというのだろう。僕の書いたことは政治的発言などではない。ごく一般的な庶民感覚からの観想に過ぎない。プロの意識高き政治家諸氏よ、覚醒すべき時期なのではないか?今日の観想である。
○推薦図書「葬列」小川勝己著。角川文庫。北朝鮮という国が所詮、国家として成立していないのであれば、知性も教養も権力もある人々もいるでしょう。せめて、この書のごとく、世界的視野から言うと負け犬の心境でしょうが、その時点からでも、闘いをはじめてほしいものです。そして、この世界に生き残り、国家としてまともな政治的・経済的・社会的活動をしてもらいたいものです。世界中のマスコミももっと真面目に物事の本質を捉えないと存在理由を失くしますよ。
京都カウンセリングルーム(http://www.medianetjapan.com/2/17/lifestyle/counselor/)
Tel/Fax 075-253-3848 E-mail yas-nagano713@nifty.com
ヤスの創る癒しの場 (メルマガ)
http://merumaga.yahoo.co.jp/Detail/15970/p/1/
キム・ジョンイルの父親の、キム・イルソンは、現在マスコミの大きな問題になっている拉致というスパイ工作員養成という無慈悲な政策のために、いまや大いに政治家・革命家としての評判を落としている。拉致被害者のみなさんに同情するのにやぶさかではないが、政治という酷薄さは、世界の非戦闘員たる市民にはいつなんどき、どのような形で予期せぬ不幸が襲いかかって来るかも知れない。人間が生きるために政治があり、経済があるとしても、それらに本質的に内在している要素とは、国家という大きな器を維持発展させるためのものであり、個としての人間の生きる意味などは、常に犠牲になるべき存在であるに過ぎない。キム・イルソンの第二次大戦を通じて、筋金入りの革命家として生き抜いた政治的指導力と比べると、息子のキム・ジョンイルは、中国・ロシアの実質的属国として生き延びているに過ぎないのである。中国やロシアが直接試行することの出来ない政治的実践と実験を、国民を自国の政治・経済で支えられない北朝鮮を生かしもせず、殺しもしない援助の仕方によって、自国がやれば、世界中の非難を浴びそうな負の代理実験場の場としての役割を担わせているのではなかろうか。スジ者の世界で言えば、チンピラにしかやらせない鉄砲玉の役割をさせるように創られた国として、多すぎず、少なすぎずの小遣いを与え、エセものの国家として生かせているのである。それに比べて、韓国の政治のあり方を、戦後を通じて眺望してみれば明らかではないか。無敵に見えた何人もの大統領たちが、急転直下、死刑囚にもなり、信頼していたはずの部下に暗殺されるということがどれだけ起こったことだろう。日本で当時の韓国の大統領の命令によって拉致され、殺されかけた金大中氏は光州事件の首謀者として、死刑囚にさえなった。その後釈放され、何度目かの大統領選で、大勝利を果たし韓国の大統領になった。思えば能力も人知を超えたものを持った人だが、悲運に晒されながらもなすべきことをやり遂げた。ノーベル平和賞まで受賞した。これが筋金の入った政治家の生きざまというのではなのではなかろうか。
さて、北朝鮮のキム・ジョンイルは何をなし得たか?強大な軍隊(それも多分にハリボテの軍備しか持ち合わせぬと思われる)に、間尺に合わない国家財政を投入し、国家財政は、中国やロシアとは異なる意味で、孤立させれば何をやらかすか分からないという意味で、先進諸国から小遣い銭をせびってまかなわれている。言うまでもなく、国民生活はすでに破綻している。革命国家が、独裁国家になり下がった。キム・ジョンイルほど、軍部のエリートたちにとってくみしやすい指導者はいないのではなかろうか。だからこそ、あの国にはクーデターは起きないのである。権力のうま味を知った人間たちが醜悪な姿で利権を貪り食う。女好きで有名な独裁者?には、美形の女性を飽きるほどに与え、彼が映画ファンなら、俳優まで拉致してきて、映画を創る。キム・ジョンイルは切ないほどに、センスのない衣装を身にまとい、海外のブランド物に見える大き過ぎるサングラスをかけ、薄い頭髪を隠すように、まるで日本で言えば何十年も前に流行ったパーマネントを町の散髪屋で、当時の意気った青年たちがかけたように古めかしくかけて、殆ど見た目はキャベツ状態である。別にアメリカファンでもないが、オバマ大統領のスマートで行動力のありそうなイメージは微塵も感じることができない。何より、むさ苦しいキム・ジョンイルお気に入りのドブネズミ色のジャージのごとき服装からはみ出した太鼓腹。国民が食えないのに、贅沢なものを食い荒しているのが手にとるように分かる。
彼らの国家の収入源は、麻薬の精製であったり、偽ブランドの生産であったり、たぶん核実験においても中国やロシアでは世界の批判のもとで、やれないことを敢えて北朝鮮にやらせる。テポドンがまともに大陸間を横断出来るとは誰も思っていないだろう。北朝鮮のやらされていることは、中国やロシアが実験したい、いわば前実験である。それは失敗を前提にして組み立てられたプロジェクトであろう。すべての先進国諸国のブレインは事の意味を理解しているが、敢えてやらせているのである。そして本当にけん制したい国である中国、ロシアの動きを北朝鮮の核実験の失敗から逆に見とおそうとしているのではなかろうか。いずれの国の権力者の意図などどうでもよろしいが、それよりも、北朝鮮では食えない大半の市民をどうするのか、真剣に考える時期に来ていると思われる。北朝鮮のネポティズム(世襲制)をとりあえずは崩さねば、全ての試みは始まらないのではないか?世界の不思議、北朝鮮を存続させておく意味など、この21世紀のどこにあるというのだろう。僕の書いたことは政治的発言などではない。ごく一般的な庶民感覚からの観想に過ぎない。プロの意識高き政治家諸氏よ、覚醒すべき時期なのではないか?今日の観想である。
○推薦図書「葬列」小川勝己著。角川文庫。北朝鮮という国が所詮、国家として成立していないのであれば、知性も教養も権力もある人々もいるでしょう。せめて、この書のごとく、世界的視野から言うと負け犬の心境でしょうが、その時点からでも、闘いをはじめてほしいものです。そして、この世界に生き残り、国家としてまともな政治的・経済的・社会的活動をしてもらいたいものです。世界中のマスコミももっと真面目に物事の本質を捉えないと存在理由を失くしますよ。
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