楽園の泉

自転車とかカメラとかのブログ、たまにねこ。

古軒

2010-09-25 | 遠野物語など
「築120年」「1泊2食で5500円」という情報に惹かれて、遠野滞在の際に利用いたしました。当初2泊3日の旅程だったのが、1泊延びることになったのはこの価格設定に因ります。
(ついでに言えば、おかげで遠野をゆっくり見学できた)

夏休み明けの平日だったので、いわゆる繁忙期の賑わいを想像することは難しいのですが、気になる方々のためにも、ここにその印象等を記録しておきます。

・たてもの
京都の「町屋造り」で建てられたというこの民宿は、真上から見るとL字の形をしています。縦棒が母屋、横棒が2階建てとなっていて、1階は敷地への入口と玄関、2階が宿泊部分になってます。

宿泊部分は、宿の正面から見て左端にある急な階段を登って、長い廊下に沿って襖で仕切れる8畳間と10畳間が2つ、廊下の突き当りに壁で仕切られた8畳間(ここに泊った)、この8畳間の前に下る階段あり、下にもう一部屋(長期滞在用とのこと)。

町屋造りとして建てられた建物で、部屋が空いているので民宿を始めた、といった印象を受けたのは、所々に残る改装した跡が残っていて、当初から宿泊施設として建築されたとは思えないこの間取りに因ります。


・ひと
「民宿」といえば「女将」ですが、古軒の場合は『おばちゃん』(HPにもそのように掲載)。堅苦しいことは一切抜き、宿泊客(自分)と一緒に食事をし(じゃなかったな、飯喰ってるそばでお茶飲みながら喋ってた)、卓袱台の様子を窺う飼いネコ(「ふく」と「みけ」)に鉄槌を下し(w)、その雰囲気はまさに「おばあちゃん」(というか年齢的には「おふくろ」)。滞在中『お客さん』気分にならずにリラックスできたのは、この方のお陰です。

こちらも初「遠野」だったのでちょっとこの間合いに戸惑いましたけど。


・もてなし
という宿なので、「上げ膳据え膳」が常識な方や、それを期待している方はご容赦ください。お風呂に入っている間に布団が敷いてあって…みたいなことはありませんでした。のっけ「お酒は用意してません。必要があれば向かいのコンビニで買って、ここの冷蔵庫を使ってください」ってノリですから。あるいは「旅を楽しむのにこういうスタイルも面白い」と感じる方には、結構ハマるものがあるかもしれません。


見学の中心が、駅を挟んで向こう側だったので、拠点としてはちょっと立地が良くなかった(結局毎日駅前を通ることになった)のですが、次回以降も定宿にしようと企んでます。


4 コメント

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Unknown (マツモト)
2010-09-25 20:45:05
ハイ。直球、好みの宿の香りがぷんぷんします。

東北方面に行った際には泊り先に検討したいと思います。
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アア、古軒 (tamachiyo)
2010-09-25 22:35:24
確かに、お書きになった通りの印象で間違いないでしょうね。
町屋造りの建物を存続させるかどうかという話が出ていたようですが、その後どうなったのか気になっていました。
女将さんも忌憚なくものをいう方で、「自分の家であるかのように過ごす」のをご希望の方にとっては悪くないかと思いマス。

都会の快適さを望む方向けのホテルもありますが、遠野を肌で感じるには旅館・民宿もご利用する価値はありましょう。

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>マツモトさま; (さくらなみき)
2010-09-28 08:22:31
そういう傾向からも、とても良い宿です。一昨年奈良井に泊った時よりも「民宿に泊った」満足感に浸れました。
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>>tamachiyoさま; (さくらなみき)
2010-09-28 08:44:50
女将さん曰く「ここで修理したら、こうなるまでまた120年待たなきゃならない」とのことでした。そのお話を聞いてちょっと安心し「この建物がある以上、定宿にしたいな」と感じてます。

ホテルって結局「部屋に泊まる」のであって、「そこに泊る」訳じゃないんですよね。その土地を肌でも感じたいので、やはり民宿を優先に探してます。たとえ多少の不便や不具合を受けても、民宿のほうが得るものが大きいと思うからです。

帰宅後読み返してみて、山口の集落の探索、遠野三山登山など、さらに見てみたい箇所が増えました。山口の集落では、次回こそは幟の立っているお宅にお邪魔してみようと思います。
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