この秋は何かと3連休が多いような気がする。飛び石連休だと間にうまく有給休暇を当てはめて長く休むこともできそうだが、元々が3連休だとそれだけで満足してしまいそうだ。ということで、11月一発目の3連休、いつもの山梨県は明野からのアプローチで、紅葉狩に清里から野辺山まで歩いてきたので、レポートしようと思う。
清里駅付近の駐車場へ、愛車のアウトバックを快適に飛ばす。この機会に愛車も紹介しよう。スバルのレガシィシリーズでツーリングワゴンをベースに地上高とトレッドを大きくした若干オフロード寄りに振った車両である。愛車はこの春にデビューした2.5XTというグレードで、2500CC DOHCエンジンにターボチャージャを組み合わせたエンジンを持ち、北米には早い段階でデビューしていたが、国内では初めて登場するモデルである。須玉から清里への道はかなりの勾配を稼ぐルートだが、太いトルクのおかげでなんなく登り切ってしまう。高速道路での追い越し加速もあっと言う間にメータを振り切ってしまうので、お巡りさんには十分に注意しなければならないが、そこまで過激な車なのか、と言うとそうではない。あくまでもジェントルにスムースに、だ。高回転まで引っ張るときのボクサーエンジンはとっても心地よいサウンドで、ついつい・・・なのだが、それでも燃費は街乗りでも10キロ前後をキープしてくれる。200馬力オーバの4WDとしては驚異の燃費だ。縦置きエンジンのせいか、コックピット周りはこれまで横置きエンジンの広さに慣れた感触では狭く感じる。実際に収納部分も小ぶりで小物が置けない。シートも小ぶりなので大柄な人は窮屈に感じるかもしれない。荷室は床が若干高いものの十分な広さを確保しており、これまで夜逃げのように荷物を積んでいた我が家はリアシートを空けることができてとても喜ばしい。登山の足としては申し分なく、トータル的に満足度の非常に高い車である。
そんな愛車を駐車場へ残して、今回は飯盛(めしもり)山へと向かった。清里付近で標高は既に1200m以上あるので、紅葉もちょっと落ち着いた感じでそろそろ終盤かもしれない。途中、千ヶ滝という滝があるので立ち寄っても良いだろう。NHK大河ドラマ、風林火山のオープニング映像にも出ているらしい。落差が大きい滝ではないが、静かな環境は心を鎮める場所としては良いところだと思う。しばらく車道をくねくねと歩いていくと、途中集落を抜けて登山口へと入っていく。勾配も緩く、快適な森林トレッキングだ。どちらかというとダラダラと続く登山道であるが、尾根まで出ると視界は一気に広がる。目の前に雄大な八ヶ岳、背後には南アルプス、その向こうには富士山とメジャーな山々が姿を見せる。飯盛山の直下の登りにおいては、左手に雄大に見る八ヶ岳の最高峰、赤岳を何度も何度も見ながらその雄大さに感服することとなる。まるでご飯を盛ったような形で飯盛(めしもり)山、そのかわいらしい山頂は360度のパノラマである。ちょうど団体さんと同じタイミングで山頂に上がってしまったのでごった返していたが、まさに八ヶ岳展望台と呼んでも良さそうなところだ。南アルプス側に目を転じると、かすかに雪をまとった北岳が顔をのぞかせていた。富士と並んで1位、2位のコラボレーションが楽しめた。
山頂のすぐ下に平らな場所があり、いかにもここでお弁当を食べて下さい的なスペースがある。早速昼食の準備に取り掛かった。本日の昼食はトマトソースのパスタだ。沸騰したお湯に混ぜて作るだけの簡単なモノであるが、この日は風が強くて吹きっさらしの中での調理は中々大変だ。それでもPRIMS P-123Sスパイダーは十分な火力を引き出してくれて、暖かい食べ物を口にすることができる。文明ってすばらしい。食後に芋ようかんと珈琲を頂いて、下山の準備に取り掛かった。
高低差で400m程度なので、ピクニック気分でお手軽に登れる山だが、眺望はすばらしく、八ヶ岳ファンのあなたならきっと満足していただけるだろう。帰りはJR小海線の最高地点の駅、野辺山へ向かう。途中、日本の分水領を通る。ここを境に降った雨は北側は日本海、南側は太平洋へ流れ込むのだ。なんとも雄大な場所だが、いったいどうやって調べたというのだ?と、ついつい突っ込みを入れたくなる。ここから先はダラダラと続く一本道、のどかな田園風景は北海道の牧場を歩いているようだ。刈り取りが終わったキャベツ畑が一面に広がっている。
小海線の野辺山駅はかわいらしい駅だ。ここから一駅戻って清里まで列車の旅となるが、注意しなければならないのはその運転本数だ。この日もちょっとのところで乗り損ない、ソフトクリームを食べながら待つこと1時間、次の列車に乗ることとなった。しかも臨時運転とのことで、通常ならば1時間半以上は待つことになったのだった。
総行程4時間程度のお気軽ハイキングの飯盛山は、晩秋深いこの時期がおススメかもしれない。是非ご家族で紅葉を楽しんでみたら如何だろう。