CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ショートクランクのメリットを考える(2)

2025-02-23 14:47:17 | 自転車用品
 市販されているクランク長のバリエーションはそこまで幅広いものではありませんが、少しのクランク長の変化が、ライダーに大きな影響を与えるようです。近年のプロ選手がショートクランクを利用しているのがその証左だと思われます。

 その理由のひとつがクランク長は適切なライディングポジションをとるための重要な要素だからです。わずか数ミリであってもクランク長を変えるとペダルまでの距離が変化するので、それに伴ってサドルのポジションも変更する必要が出てきます。そうするとフレームに対してライダーのポジションも変化するので、股関節の角度が浅くなったり深くなったりします。

 クランク長はバイクフィッティングの要素のひとつで、ベストなクランク長は身長や体格、関節可動域などによって変わってきますが、クランク長の選択にはある程度の幅があります。実際、異なったクランク長でペダリングをしても何ら問題がない場合や、クランク長変更による差を感じない場合もあるのです。では、ふたつのクランク長で悩んでいるとして、どちらのクランク長が適しているのでしょうか?短い方、長い方どちらでしょう?また、それぞれのメリット、デメリットはどのようなものなのでしょうか?

 これには快適性やエアロダイナミクスに影響するという研究があります。つまりクランク長を適切に調整できれば、パフォーマンス向上に繋がるという訳です。多くの人は長いクランクの方がパワーを発揮し易いと考えてきました。クランクが長いと、トルクをかけやすくなるという考え方です。先に記したてこの原理からの先入観です。

 確かにてこの原理からは長いクランクの方がメリットは大きいと言えますが、クランク長とパワー発揮の関係を調査した研究では、市販されていないほど極端に長いクランクの場合にのみ最大パワー発揮にとって有利であるとされています。一方で極端に短い120mmというクランクにおいては、通常のクランク長の2-5%ほどのパワー低下にとどまるという研究結果があるのです。そしてほとんどのアスリートにとって、170mm前後が丁度良いクランク長であるという研究結果です。市販のロードバイクに170㎜のクランクが多くアセンブルされているのはそうしたデーターに基づいているからです。
 
 



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総合リーダージャージの行方

2025-02-23 11:12:29 | プロ・ツール
 今日2月23日は3つのステージレースが最終日を迎えます。昨日も書きましたが、UAEツアー、ヴォルタ・アオ・アルガルベ、ブエルタ・ア・アンダルシアの3つのステージレースのリーダージャージは全てUAEチーム・エミュレーツの手にあります。この3枚のリーダージャージの行方が今日全て決まるのです。

 ティム・メルリールの連勝で第6ステージを終えたUAEツアーではタディ・ポガチャルがリーダージャージをキープしています。タイム差は2位のジョシュア・ターリングと僅か21秒差ですが、ターリングはクライマーではないので、大会最終日の名物山岳であるジュベルハフィート(距離10.8km/平均6.6%)を駆け上がる山頂フィニッシュでは分が悪い。

 総合首位ポガチャルと27秒差のイバン・ロメオ(モビスター)もボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナでステージ優勝を挙げている好調な選手ですが、やはりクライマーではありません。怖いのは28秒差の4位に位置する昨年までのチームメイトのフィン・フィッシャーブラックや昨年の覇者レナルト・ファンイートヴェルト(ロット)、昨年のツアー・ダウンアンダーでウィランガヒルを征しているオスカー・オンリー(ピクニック・ポストNL)あたりでしょう。ただ、この程度のメンバーならポガチャルに余程のアクシデントでもない限り逆転優勝の可能性は限りなくゼロに近いと思っています。1枚目のリーダージャージはほぼ確実でしょう。

 問題は2枚目のリーダージャージです。現在トップ4にUAEチーム・エミュレーツの3人の名前があるヴォルタ・アオ・アルガルベですが、今日が登りゴールの個人TTなので、TTが得意なプリモシュ・ログリッジやマイヨジョーヌを2度獲得しているヨナス・ヴィンゲゴーといった強力な選手が20秒ほどの差でいる状況では、誰が逆転優勝しても不思議ではありません。

 総合リーダーのヤン・クリステンは21歳と若くTT能力は未知数ですし、アントニオ・モルガドも同様です。UAEはベテランのアルメイダへのジャージのスライドが理想でしょう。本来なら20秒差で6位のヴィンゲゴーが圧勝しても不思議ではないのですが、ここまでのステージを観る限り万全の状態ではなさそうです。ただ、ツールを連覇するような選手なので、ここだけ本気で勝ちに来ることは十分考えられるのです。

 ログリッジも調子はイマイチですが、彼も東京オリンピックの金メダリストでブエルタを4度、ジロも1度制しているGCライダーなので、ここ一番での走りは要注意です。このレースに関してはUAEがリーダージャージを手放す可能性が高いと見ています。ただ、新人賞ジャージだけは是が非でもキープして欲しいと願っています。

 シヴァコフがリーダージャージを手にしているブエルタ・ア・アンダルシアは最大のライバルはトム・ピドコックになるでしょう。ただ、最終日は登りゴールではなくスプリントステージになりそうなので、UAEとしてはピドコックをマークして集団ゴールに持ち込めばシヴァコフのリーダージャージ獲得は堅いと見ています。チーム力はUAEが上なので、ピドコックだけをマークするなら難しいことではないはずです。

 一番怖いのがUAEとQ36.5がマークしあう間隙を縫うようにアタックが決まってしまうことでしょう。それでもティム・ウェレンスやマルク・ソレルといったサブエース級の選手がトップ10内にいるUAEが圧倒的に有利でしょう。ソレルを逃げに乗せ、シヴァコフが抑えに回るという作戦も可能な訳ですから。
 従って、このレースはUAEがリーダージャージを守るだろうと予想します。ただ、それがシヴァコフなのかティム・ウェレンスなのかマルク・ソレルなのかは分かりません。昨年のブエルタ同様のチーム内バトルが観られるかもしれません。
 



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