ツール・ド・フランス第14ステージはツールではお馴染みのポーから超級トゥールマレを越え、サン・ラリー・スーランプラ・ダデの頂上ゴールでしたが、第11ステージの敗戦が嘘のようなキレのあるアタックでポガチャルがヴィンゲゴーに39秒もの差を付ける圧勝しました。EFの留目選手の指摘通り第11ステージのポガチャルの敗戦は補給ミスが原因だったようです。
同じ過ちは犯さない。この日のUAEの戦術も見事でした。最後のアタックは本人の直感と答えていたポガチャルですが、集団は終始UAEがコントロールし、トゥールマレの登りから下り迄ニルス・ポリッツが一人で牽引、続く2級山岳ではマルク・ソレルが、最後の超級はシヴァコフとアルメイダが牽き、アダム・イエーツが飛び出し、前待ちでアタックしたポガチャルと合流とまるで絵に描いたような見事なレース運びでした。
アダムのアタックに反応しようにもヴィンゲゴーにはヨルゲンソン1枚では手の打ちようもありませんでした。このステージでポガチャルは先頭で牽引するチームメイトから離れて、アダムと共にずっとヴィンゲゴーをマークし続けていました。ペースは無線で伝えていたようです。残り7km地点でアダムと言葉を交わした直後にアダムがアタック、その後もじっとヴィンゲゴーの様子を伺いながら走り、残り4kmでアタックを開始しヴィンゲゴーを引き離しにかかります。ここまでは第11ステージと同じでしたが、前待ちのアダムと合流したポガチャルは10秒、20秒とタイム差を広げて行きました。
この日も後ろを気にする仕草はありましたが、最後は全開でヴィンゲゴーを引きちぎって見せたのです。笑顔満面でゴールしたポガチャルは強かった。第11ステージの敗戦の原因は分かっていたのでしょう。補給さえしっかり取れていれば、少なくともゴール前スプリントでヴィンゲゴーに負けるはずはないのです。それを、前日の第13ステージで証明していたのです。名だたるスプリンター達とゴール前スプリントを争い9位でゴールしているのです。これはポガチャル流の確認作業なのでしょう。
エヴェネプールは予想通り遅れ、総合で3位へ後退しました。ただ、4位以下とは3分ほどの差があるので表彰台は確実でしょう。これでポガチャルはヴィンゲゴーに対し2分近いタイム差を築くことに成功しました。今日もピレネーの名峰プラトー・ド・ベイユでの決戦になります。このままヴィスマが何もしなければ、タイム差は広がる一方でしょう。ただ、動こうにもログリッジもセップ・クスもいないヴィスマに山岳で仕掛ける手立てがあるのでしょうか?
ただ、昨年のようなバッドデイがポガチャルを襲うこともまだあり得ますので、UAEとしては出来るだけ安全な対策を考えて来るはずです。攻撃は最大の防御で、この日のようにプロトンをUAEが完全にコントロールするような展開は避けたいとなれば。今日のステージも序盤から積極的なアタック合戦で、今度はヴィスマが前待ちを仕掛けられれば面白くなるのですが…
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