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フォーン・ドローム・クラシックでUAEチーム・エミュレーツのフアン・アユソが40㎞超の独走で今季初優勝を挙げました。前日のフォーン・アルデーシュ・クラシックでは上位を走りながら最後にコースを間違えるというミスで10位に終わっていたのですが、しっかりと気持ちの切り替えは出来ていたようです。
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ゴールまでまだ40㎞以上を残すグラン・リミット峠でデルトロがペースを上げ、後続を引きちぎりにかかり、デルトロの牽引が終わるタイミングでアユソがアタックを開始。この峠だけで10秒以上のタイム差を得て下りも攻めに攻め、あっという間に後続とは30秒以上のタイム差が開きます。
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集団からはリドル・トレックのスケルモースが飛び出して追走を試みますが、30秒ほどの差がなかなか詰まりませんでした。集団は1分以上も後方で、ポガチャルを連想させるような独走劇を演じて見せたのです。高地トレーニングで驚異的な数値が出ていたという情報も流布していたのですが、どうやら本当だったようです。
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体格にも恵まれ、ポスト・ポガチャルの筆頭と言われながら、昨年はクリテリウム・ドゥフィネ以降はDNSの連速でシーズンを終えていたアユソ。今季はさらに若いヤン・クリステンやアントニオ・モルガドが既に2勝ずつを挙げていて、アユソ自身にも忸怩たる想いがあったはずです。今季初戦をミスで落とし、今季はどうなることかと心配していたのですが、どうやら私の杞憂に過ぎなかったようです。この調子ならジロ・デ・イタリアでマリア・ローザも十分に狙えると思います。
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今年もUAEの強さは別格のようで、今季7人の選手で既に13勝を挙げているのです。今週末にはポガチャルがストラーデビアンケで連覇に挑みます。また、アユソは水曜日のトロフェオ・ライゲリアに出場を予定しています。こちらにはモルガドとパブロ・トーレスという若手が帯同するようです。このレースは丘陵コースなので、スプリント勝負になる可能性もありますので、アタックのタイミングが重要になるはずです。
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気になったのはアユソが使用していたバイクがV4Rsだったことでした。一昨日のフランダースクラシックでナルバエスはY1Rsを使っているので、どういう使い分けをしているのかが不明です。
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