しかし、アメリカ本土に戻ってからもショットが荒れ続けます。初日で出遅れ2日目で巻き返すという綱渡りの連続。元々、高い球が持ち味だったシブコ。青木コーチも高い球で硬いグリーンでも止まるボールを意識させていました。ところが、ディフェンディング・チャンピオンで迎えた20年の全英では強い風に泣かされ。全く歯が立たなかったことがシブコの気持ちを変えたような気がします。高いだけではダメで風に負けない強いドローボールという意識が強くなっていったのではないでしょうか?
トップを低くし再現性の高いワンプレーンスイングに取り組む過程で、横振りに近いほどトップが低くなり、結果的に打球方向がバラつき始めてしまったのです。青木コーチ曰く「低いトップを直せばいい、昔の形に戻せばいいと思うでしょ。でも彼女が2年間で経験した思考や体の変化をリセットすることはできない。だからイチから作り直すイメージでいます」といかにも青木コーチらしい考え方です。
度重なるスイング改造でドライバー以外のクラブが荒れに荒れまくる。シブコの試行錯誤が続き、23年度はロレックスランキング98位、USLPGAの賞金ランクは87位とついにシード権を喪失する事態になってしまうのです。ドローを意識するあまりドライバーショットが右に飛び出すことも多くなってしまいました。
23年末に再び青木コーチの元を離れ、上田桃子等の指導で有名な辻村明志コーチ元へ足を運ぶことになります。なぜ。再び青木コーチの元を離れることになったのかは不明ですが、シブコがドローボールにこだわりがあることが大きかったと思います。青木コーチはどちらかというとフェード系のイメージが強い。青木コーチのことだから、自ら辻村コーチを紹介したのかもしれません。
2019年にメジャー初参加でサロンパスカップを勝ち、その勢いのまま全英オープンの出場権を獲得すると、初出場の世界のメジャーを勝ってしまう。この年末の情熱大陸でシブコはこのチームで5大メジャー完全制覇の夢を語っていた。メジャーを征する理想的なショットのイメージが彼女の中にあるのでしょう。その理想のショットを追い求めるも、結果が出ず。苦しみだけが増えてゆく。それでも何とか笑顔を作り、インタビューに答え続けるシブコ。見るのも辛いシーンも少なくありませんでした。
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