女子ゴルフ界には『黄金世代』と呼ばれる1998年生まれの選手たちがいる。15歳の高校1年という最年少でバンテリンオープンに優勝した勝みなみ、高校生3年生で日本女子オープンを勝った畑岡奈紗の活躍もあったが、『黄金世代』という呼び名が一気に広まったのは、なんといっても渋野日向子の全英女子オープンの優勝だった。
確かにこの1998年生まれの選手たちは畑岡奈採、小祝さくらの10勝、勝みなみ、原エリカの8勝。渋野日向子の7勝、河本結の5勝等、プロで勝利を挙げている選手が15人もいる最強世代である。ただ、これだけ活躍する選手がいる一方で賞金女王になった選手がひとりもいないのだから不思議だ。畑岡が18歳でプロ入りし、直ぐに渡米してLPGAで戦っていることも大きいし、絶好調のシブコも2019年に僅差の2位に終わっている。これも全英女子オープンの賞金が加算されていれば断トツの1位だったのだが…個人的には2019年の賞金女王は渋野日向子だと思っている。
その後も2000年生まれの選手たちは『プラチナ世代』と呼ばれ、古江彩佳、西村優菜、吉田優利等、現在は皆LPGAメンバーだ。そして、目下2年連続の賞金女王山下美夢有は2001年生まれで『新世紀世代』と呼ばれているが、同世代の勝利数は『黄金世代』に遠く及ばない。
その『黄金世代』も近年、畑岡奈採と小祝さくら以外安定した成績が残せていない。確かに勝みなみや原エリカがたまにメジャーで勝つことはあっても、彼女らの成績も安定しない。勿論、渋野日向子も2021年以来優勝が無いのだ。勝みなみは昨季からLPGAに参戦している。
陰りが見え始めたかに見えた『黄金世代』だが、昨年、明治安田生命レディースで吉本ヒカルが14人目となる優勝を飾り、今年は天本ハルカがパナソニック女子オープンで初優勝を挙げ、15人目の『黄金世代』の優勝者となった。この頃は絶不調に喘ぐシブコばかりが気になっていたのだが、5月の末にヨネックスレディースで新垣日菜が青木翔コーチとのタッグで6年振りの優勝を飾っていたのだ。この朗報はシブコの元にも届いていたようで、彼女自身も全米女子オープンへの良い刺激になっていたという。
そしてシブコ復活の狼煙となった全米女子オープンと同時期に行われていたサントリーレディースでシブコの盟友大里桃子が3年ぶりの優勝を挙げる。この知らせを知って最終日をスタートしたシブコ。我慢に我慢を重ね、笹生に次ぐ単独2位という好結果で終えた。こうした刺激の相乗効果が『黄金世代』の強さの秘訣かもしれない。
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