KPMG全米女子プロ選手権の2日目、午前組のスタートなったシブコが10番から3連続バーディでスタートダッシュを決めた。午前0時過ぎにTVをつけたらスコアがいきなり5アンダーになっていて驚かされた。
WOWOWオンデマンドは追っかけ放送もあるので、最初から見ることもできたのですが、その後の経過の方が気になり、そのまま観ていたら4番パー4で2オンスリーパットのボギーが来てしまう。それもショートからオーバーというちぐはぐさ。この辺りが絶好調ではない証なのでしょう。それでも、しっかり我慢は出来ていて、長いパーパットも慎重に決め切っていました。
結局、生で観たバーディは1番のパー4だけ。2番のパー5では連続バーディーを期待していたのですが、3打目のウェッジショットが池へ…且つてはバウンスバックがシブコの代名詞でしたが、最近はその逆の方が多いような気がします。
ところが、池の浅瀬の石と石の間にボールが止まっていて、シブコはこれを打つことを選んだのです。失敗したら前半の貯金を使い果たすことも十分に考えられたシーンで、この度胸は流石です。「失敗したら…」は考えない、全英女子OPのワンオンを狙ったパー4のあわやのシーンを思い出しました。
リスクを取らなければ結果が出ないこともあります。そこを恐れていては大舞台で活躍することはできないでしょう。8番パー4でティーショットを左に曲げ、深いフェアウェイバンカーにつかまった時も、悩みに悩んで6Uでのショットを選びました。カメラ位置から腰から下が見えない状況から、見事なショットでバンカーの顎を回避したばかりかグリーンに乗せて魅せたのです。ロングパットをお先にの距離に寄せパーとしました。攻めのゴルフを見せるシブコにはもう失うものは何もないと割り切っているように見えました。
確かにここまでのスイング改造による不調や怪我など、ずっと長いトンネルの中にいたような気持ちだったのかもしれません。それが、全米女子OPの2位で少し光が見え始めたのだと思います。しかも、優勝が笹生優香でメジャー2勝目でしたから、シブコの中で私もという気持ちになったのかもしれません。
最後の9番のショートホールは風を意識過ぎてグリーン奥の深いラフへ打ち込んでしまます。ラフからのアプローチもグリーンを登り切らず、尾根越えの長いパーパットを残してしまいます。2番のようなミラクルショットを見せたかと思えば、こんなアプローチショットをミスしてしまう。Wボギーは覚悟しました。前半の貯金を全て吐き出してしまうだろうと。難しいロングパットはカップを勢いよくワンピン以上オーバーするも、今のシブコはこのパットをド真ん中から決めて来るのです。
ウェッジの技術では笹生や畑岡、古江にはかないませんが、この鬼メンタルはシブコならではでしょう。これがメジャーで勝つための条件の一つなのです。難しいコースになればなるほど力が発揮できるのも、このメンタルの力です。ただ、先にも書きましたが、不調が続いていた頃は、色々と考え過ぎてしまい、脳のスタミナ切れで、こうした思いっきりの良さが影を潜めていたのです。
今週のシブコは口にこそ出しませんが、勝ちに来ていると思います。結果は4バーディ、2ボギーという結果でしたが、上もそれほどスコアを伸ばせていないので、このコースならチャンスはあると思っています。午前組が終了した時点でトップはサラ・シュメルゼルの6アンダーでシブコは2打差でTでコ・ジヨン、レキシー・トンプソンと2位タイで並んでいるのですから。
今日は危ない場面も幾つかありましたが、決め手はドライバーショットになるはずです。今日の池からのショットをみてもバンカーショットは問題なさそう。今日は3連続バーディに助けられた感じもありますが、決勝ラウンドでも最初のホールでつまずかなければ、良い流れを作れるはず。
今日、一番印象に残ったのが9番の最終ホールでアプローチをミスし、マークして拾い上げたボールをキャディの田谷さんの掌に勢いよく渡したシーンでした。怒ってるなという印象でした。それでもパッティングに入る前のシブコにそっとドリンクのボトルを渡した田谷さん。パットの前には必ず飲み物を取るのは自分を落ち着かせるためのシブコのルーティーンなのですが、この時はそれを忘れていたように見えたのです。頭に血が上っていた証拠です。そこに、そっとボトルを差し出した田谷さんは流石でした。
この日のシブコのフェアウェイキープ率はあまり良くなかったのですが、アプローチのミスと3パットでボギーがそれぞれ1つずつあるだけでした。バーディーこそ4つでしたが、結構長いパーパットは決めていました。おそらくパット数は20代でしょう。この感じでパットが決まってくれば「優勝」しかも2度目のメジャー制覇が見えて来ます。
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