2019年の記録
雲の上から眺めるユーラシア大陸
20歳の頃の僕は、なぜか“北”を目指していた。北海道に憧れ、さらにその北にあるサハリン、シベリアへと想いを馳せていた。しかし、それが、気がつくと“西”になっていた。路線バスで、地を這うように西に向かって旅をする。目的? 東洋から中東、西洋へと変わるグラデーションを肌で感じたい。と言っても、サラリーマンの今は、できない。いや、厳密に書けば、それを実行するだけの度胸がないだけだ。
むかし、船で世界一周するといって、飛行機にばかり乗っている弁護士に会ったことがある。彼は、休みがとれると、飛行機でA港に行き、そこからB港に船で移動し、Bから飛行機で帰国する。次の休みには、飛行機でB港に行き、そこからC港へを繰り返していた。今の僕は、彼より酷い。彼の旅は、“線”で繋がっていたが、僕の旅は、それもない。でも、いつの日か、“線”を繋げる。それまでは、脈絡のない“点”を目指した旅を続ける。
飛行機から眺める大地は、西に向かうに従い緑から茶褐色へと変わる。
ところで、「タシケントって、どこ?」、「ウズベキスタンの首都」、「そもそも、ウズベキスタンって?」これが、ふつうの日本人だと思う。日本に留学していた通訳のアジさん曰く「ウズベキスタンから来た。」と話すと、「母国、戦争で大変ですね。」と同情される。アフガニスタンと混同されているのである。
国境を接する全ての国が内陸国である内陸国、つまり海に行くには、2度国境を越えなくてはならない二重内陸国であるウズベキスタン。日本のほぼ真西にある。
ウズベキスタンの“スタン”は、ペルシャ語由来の「〇〇の土地」、あるいは「〇〇が多い場所」といった意味で、旧ペルシャ文化圏の国名、地方名として使われている。
旧ソ連から独立した国、というのは何となく知られているが、意外に知られていないことは、二重内陸国あること。四方を海に囲まれた日本とは真逆なのである。
国名が示す通り、ウズベク人が人口の8割以上、ウズベク人も含め、人口の98%が、トルコ系民族(コーカソイドとモンゴロイドの混血とされている。) で、同様に98%がイスラム教徒である。まぁ、それ以外の僕の知っていることは、次回以降、少しづつ書いていきたい。
日没の時間に西に向かう飛行機に乗ると、夕焼けを延々と見続けてられる。
旅は続く