2021年の記録
おしらじの滝は、沢の水が少ないため、美しい滝を見られるのは稀だが、ブルーの滝つぼは枯れることなく、大自然にひっそりと佇んでいる。
3回目の緊急事態宣言下、県内の名瀑を訪問するも、滝を見ることができず、禁を破り県境を越え福島県白河市を散策した時の記録。
おしらじの滝は、矢板から塩原に繋がる県道から10分ほど下ったところにある。この周辺は、多くの滝がある中で、知名度があり(パワースボットだとか)、駐車場からも近く、なおかつ行ったことがなかったので、軽い気持ちで、行ってみた次第。パワースボットに興味はないが、パワースポットでもあるようだ。
おしらじの滝だけ見て帰宅すると、間違いなく欲求不満になるので北上した。2020年夏に喜多方に行った時に寄れなかった会津若松へ向かったものの、天気予報は思わしくない。塩原から南会津、下郷に入ったところで、目的地を白河に急遽変更。国道289号線の道の駅・下郷で休憩するも強風に風花が舞う寒さ。
白河ハリストス正教会は、1915年(大正4年)竣工の木造平屋建て(鐘塔部二階)で、ビザンチン様式の雰囲気を漂わせている。設計は、当時のニコライ堂副輔祭であった河村伊蔵、施工は地元白河の棟梁中村新太郎で、白河の信徒とロシアのロシア正教会信徒の献金で建設された。2011年(平成23年) 福島県指定重要文化財(建造物)指定
訪問当日は、福島県もコロナ感染者が増加していることもあり、教会敷地内の立入も禁止されていた。(5月14日(金)、福島県独自の緊急事態宣言「福島県新型コロナウイルス感染症非常事態宣言」を発出した。) 教会周辺には、ノスタルジックな建造物群があるものの今回はスルーし、JR白河駅に寄って帰宅した。
JR白河駅舎は、1923年(大正12年)に建てられた大正浪漫の薫りが漂うレトロな駅舎で、建物正面にはステンド装飾が施されており、和洋折衷の当時流行のモダン様式の建物である。
かつては、東北本線を走る特急、急行も停車した白河市の中心駅だったが、新幹線開業後に設置された新白河駅にその任務を譲り、上り下り線各1線、早朝夜間駅員不在のローカルステーションとなった。
【メモ】
名古屋出入国在留管理局の収容施設で、3月に亡くなったウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族が来日、5月16日に名古屋市内で葬儀が営まれた。その後の遺族の3ヶ月以上の滞在で、事実の一片が明らかになった。
訪日外国人は、日本への夢と期待を持って来る。その夢や期待は、人それぞれ異なるかもしれないが、夢を叶えることに最大限の力を貸し、期待に応えることが、迎える国の義務だと僕は思っている。なぜなら、訪日する外国人の99%が、日本が好きか、信用しているか、だからだ。それが、草の根の“安全保障”だと僕は思っている。
日本に貢献した人に礼を尽くすことはあたりまえのことで、むしろ法を犯した人であっても、“きちんと”(人権を尊重し、友好的に)対処するか、否かで、日本という国の価値が決まるものだ。
ウィシュマ・サンダマリさんの真実が、どんなものであっても、夢と期待を持って来日した人が、幸せな気持ちで帰国できない、ましてや亡骸となって帰国するなど、許されることではない。
旅は続く